日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】津軽鉄道線準急・第156列車(芦野公園/津軽五所川原)


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便名 : 準急・第156列車
日付 : 2023/04/xx
区間 : 芦野公園(16:06)→津軽五所川原(16:38)
所要時間 : 00:32
乗車クラス : 普通車自由席
運賃 : 650円(窓口現金決済)
運行 : 津軽鉄道

「桜のトンネル」で有名な青森県津軽半島側にある芦野公園を訪れたのち、新青森駅から新幹線に乗車にするため、津軽鉄道津軽五所川原駅を目指す。乗車する津軽鉄道津軽五所川原駅津軽中里駅を結ぶ全長20kmほどの鉄道会社。会社名は知らないかもしれないが、冬季の「ストーブ列車」といえばご存じの方もおられるだろうか。

(事業者公式サイトはこちら)

tsutetsu.com

そんな訳で、スタートは「芦野公園」駅。この2023年という年は異様に桜の開花が早く、平年はゴールデンウィークが見頃の青森県でさえ4月の下旬には桜が散ってしまっていた。それゆえ、個人的にも目論見外れて葉桜見物になってしまった。

津軽鉄道芦野公園駅 駅舎外観

芦野公園駅/ 津軽中里駅から10分強で到着

公園内には屋台が多数出店していたが、本来これからという時期に桜はもう散りきっていて、若干妙なムードのお祭りになっていたような。ちなみに駅の津軽五所川原方に小さな踏切があり、列車が停車すると線路上で撮影できるように規制線が張られる運用。

津軽鉄道芦野公園駅 駅ホーム

芦野公園駅/ 公園内は多くの出店で賑わっていた

ちなみに同駅の駅舎の隣には旧駅舎を利用した喫茶店があり、この日は多数のお客さんで賑わっていた。駅名標は民芸調の字体で描かれているが、この字体には何か名前があるのだろうか。青森県、特に津軽地方でよく見る雰囲気ではあるが。

津軽鉄道芦野公園駅 駅ホーム

芦野公園駅/ 青森県内でよく見かける民芸書体

乗車に際しては駅舎内の窓口で乗車券を購入したのだが、出てきたのはいわゆる「車内補充券」のような形式の乗車券。発着駅名と発売金額をパンチ穴で表現するタイプの乗車券は初めて目にした。

そして今回乗車する16:06発の列車は今のご時世では珍しい客車列車。桜のシーズンは臨時ダイヤで運行されているそうで、冬季は「ストーブ列車」として活躍している客車を使用して一部列車が運転されている。なお、「ストーブ列車」では追加料金を要するものの、この列車はストーブを稼働していないため追加料金は不要。

少し早めにホームに入り、国内外の観光客でごった返すホームの津軽中里側で先を眺めていると、少しだけ花の残った桜並木の向こうから客車を携えて機関車が走ってきた。

津軽鉄道芦野公園駅 駅ホーム

芦野公園駅/ 機関車+客車2両の3両編成

列車は機関車1両、客車2両の3両編成だが、この日の最後尾3両目は旅行会社の貸切車両。ホーム上にあまりに沢山の乗客がいるから座れないかと思ったが、殆どは団体旅行客だったようで一般旅客用の車両に乗り込んだ乗客はそれほど多くなく、出発直前でも座席が確保できた。

津軽鉄道芦野公園駅 駅ホーム

芦野公園駅/ 一般客は1両目の客車を利用する

客車内は床が板張りでかなりレトロ。椅子はフレームが木製で座面はかなり柔らかく、見た目通りの乗り心地。車内には「ストーブ列車」用ストーブが数基設置されている。まだ少し肌寒い青森ではあるが、さすがにストーブに火は入っていなかった。

津軽鉄道第156列車 ストーブ列車 客車

客車/ 流石にストーブに火は入っていなかった

列車は途中金木、嘉瀬、津軽飯詰、五農校前、十川と停車して津軽五所川原を目指す。途中、嘉瀬駅には線路脇にタレントの香取慎吾さんが絵を描いた車両が展示されている。当初1997年に描かれたという割には綺麗だと思ったが、どうやら2017年に本人の手によって塗り替えがされたのだそう。

津軽鉄道 香取慎吾さんのイラスト列車

嘉瀬駅/ ペイントは本人により2017年にリニューアルされた

その後津軽五所川原に向かって走っていく道中では、晴れていれば進行方向右手には岩木山の姿を望むことができる。標高は1,600m程度と日本の山の標高トップ100には入らない高さだが、周囲に遮るものがないことから存在感は抜群。

津軽鉄道第156列車 車窓

津軽鉄道車窓/ 岩木山は進行方向右手に見えてくる

見た目通りのレトロさゆえ、乗り心地にそれほど高望みをするべくもないが、乗車時間は30分ほどで乗り心地にとやかく言う前に終着の津軽五所川原駅に到着。駅の徒歩圏内には「立佞武多(たちねぶた)の館」もあるからこれを訪れてみるのも良いかもしれない。

列車が駅に到着するとすぐに機関車が解放され前方に向かい、機回し線を通過して反対側に向かっていった。かつては日常的な光景だったのだろうが、客車列車に馴染みのない私にとってはかなり新鮮な風景。

津軽鉄道第156列車 五所川原駅

津軽五所川原駅/ 到着するとすぐに

津軽五所川原駅とJRの五所川原駅は隣接していて、8分の待ち合わせで弘前行き普通列車に乗り継ぐことができる。ここから弘前までは1時間弱の所要時間があるから、できれば座席を確保しておきたく急ぎJRのホームへ向かった。

というお話。