便名 : かもめ8号
日付 : 2023/12/xx
区間 : 嬉野温泉(08:10)→武雄温泉(08:16)
所要時間 : 00:06
乗車クラス : 普通車自由席
運賃 : 2,990円(新鳥栖まで•クレジットカード決済)
運行 : JR九州
駅前にある「フェアフィールド•バイ•マリオット•佐賀嬉野温泉」に2泊。往路はJR武雄温泉駅から路線バスに乗ってきたから、復路は目的地へ向けて「かもめ」に乗って移動する。
(宿泊したホテルについてはこちら)
(往路に利用した路線バスはこちら)
嬉野温泉駅から博多方面に向かう場合は、新幹線に1駅乗車し次の武雄温泉駅で在来線特急に乗換え。同駅は新幹線の単独駅かつ完全な新駅なので、最も西九州新幹線開業の恩恵を受けた駅、という見方もできるかもしれない。
同駅の特徴的なところは、自動券売機では自由席特急券しか購入できないところ。この窓口の閉鎖が相次いているご時世において、指定席に乗車する場合には有人窓口を利用しなければいけないというのはだいぶ変わった運用。どういう思惑なんだろうか。
ここで更に話をややこしくするのが、同駅の有人窓口は終日営業しているわけではないところ。有人窓口の営業時間は07:30から19:00までなのだが、博多方面に向かう始発列車が同駅を出発するのは06:42、最終列車が同駅を出発するのが22:35と、始発と最終、いずれに乗車する場合も乗車時に指定席特急券を購入すること、ネットきっぷを受け取ることができない。
なお、前述の自動券売機はクレジットカードの利用ができないため、購入は現金に限られる。利用者の利便性を全く無視しているように見えてしまうが、せめてネットで購入したきっぷを受け取る術くらい用意することはできなかったんだろうか。公式プレスリリースの通り、将来的にはQRコードで(窓口を介さずに)乗車できるようになるのだと思われるが、だとしても腐っても新幹線駅な訳で、営業時間の短縮はその後にすべきことのような。
だいぶ愚痴っぽくなってしまった。
乗車券を購入し改札を抜けると、コンコースには大きなランタンが設置されていたが、どうやらこれはランタン作家•三上真輝氏の作品らしい。同氏は青森県五所川原市の生まれで、同地で「立ちねぶた」を復活させたのだそう。こちら嬉野温泉では「うれしのあったかまつり」に作品を出展したりしているのだとか。
「ランタン」というと旧正月の時期に長崎県長崎市で開催される「ランタンフェスティバル」の印象が強いが、いずれにしても西九州はランタン文化が盛んなんだろうか。
(長崎の「ランタンフェスティバル」についてはこちら)
エスカレーターでホームに上ると、駅名標の下には大きな「乗り換えのご案内」が掲出されている。ここ嬉野温泉駅から武雄温泉駅までは約11kmで、新幹線の乗車時間としては約5分。もはや座席に座っているよりもデッキに立っていた方が楽かもしれない。
駅は対向式の2面2線の配置。各駅停車タイプの「かもめ」しか停車しないから、しばらく列車間隔が空く時間帯もある。秘境駅で有名な、北陸新幹線の安中榛名駅ほどではないが。
駅ホームの窓から外を見るとこんな風景。今朝まで宿泊していた「フェアフィールド•バイ•マリオット」は駅にほぼ隣接して建築されているから、一見するとひと続きの建物のように見えるものの、実際は別々の建物。
ホームに上がるとほぼ同時に接近放送が流れ、列車が到着。全通前の九州新幹線と同様に、西九州新幹線の各駅で掲示されている電光掲示板には新幹線としての終点である武雄温泉駅ではなく、接続列車の終着駅が行先として表示されている。
今回は武雄温泉から在来線特急に乗継ぎ、新鳥栖で下車。その後熊本•八代方面へ向かうため、ちょうどいい「ネットきっぷ」が見つからず、単純な乗車券と自由席特急券を購入している。
乗り込んでみるとデッキ付近は武雄温泉駅以遠の在来線区間の着席を目論んでいる乗客によって割と人口密度が高く、ごく短時間ではあるものの客室へ。自由席の車内は2列-3列の横5列配置だが、各列ともにそのうち1-2席が埋まっているくらいの混雑率。乗車率にすると20-40%程度ということになるんだろうか。
客室とデッキを区切る仕切り壁には、いわゆる「水戸岡デザイン」と思われるポスターが掲示されていた。ここは東海道•山陽新幹線では企業広告が出稿されているスペースだと思うが、流石に西九州新幹線では厳しいということなのかもしれない。
所要時間5分の区間とあって席に着いている時間は正味3分ほどしかなく、あっという間に列車の終点である武雄温泉駅に到着。同駅では3分の待ち合わせで始発の在来線特急「リレーかもめ8号」に接続している。
デッキに屯ろしていた乗客の目的は武雄温泉駅から先の座席確保だと思うが、新幹線6両に対して今回乗継ぐ在来線特急は8両編成。武雄温泉始発の特急列車に乗継ぐケースであれば、余程のことがなければ自由席で溢れることはないはず。
一方、指定席はこの先の区間で抑えられているため、新幹線の指定席が確保できても在来線の指定席が確保できない、というケースを過去何度か経験した。佐賀駅の需要が旺盛なんだと思われ、新幹線を指定席、在来線を自由席で手配すると問題なく購入することができた。
なお、一部の接続列車は武雄温泉始発ではなく、佐世保やハウステンボスからやってくるので、この列車に関しては状況が異なるため注意が必要。
武雄温泉駅からは在来線特急「リレーかもめ8号」に約40分揺られ、新鳥栖駅を目指す。小刻みに乗換えがあるのは少し鬱陶しいが、直通の高速バスがあるような需要のある地点間の移動でもなく、如何ともしがたいのが残念。こうして見ると、地方は自動車文化、というのもわかる気がする。
というお話。