日付 : 2022/11/xx
泊数 : 1泊
部屋タイプ : 禁煙シングル(18㎡)
国内にホテルは数多あるが、こと「ビジネスホテル」カテゴリで日本トップクラスと評されるのがこの「ホテル ココ•グラン 高崎」。個人的にはここをビジネスホテルの括りに入れていいのか若干怪しい気もするが、いずれにしても評判に違わないホテル。そういえば、いつの間にかリッチモンドホテル系列になっていたらしい。
(公式サイトはこちら)
■ 地図情報
ホテルはJR高崎駅からデッキで連絡していて、地上に降りずにアクセス可能。ただ、少し距離が長く、屋根は設置されていないので、降雨時なんかは地上に降りてデッキを屋根代わりに歩いたほうが楽かもしれない。
ちなみにこの「ココ•グラン」、運営しているのは木本製菓という足立区にある会社だそう。個人的には会社名を聞いてもあまりピンとこないが、「ドンレミー」というとご存知の方もおられるだろうか。そんな関連もあり、「ドンレミー」のアウトレット店舗がホテルに隣接して営業していて、結構な大きさのお菓子を格安で販売している。
フロントはデッキと同じ高さのLB階で、チェックインは14時開始。ロビーラウンジにはコーヒーマシンが設置されていて、日中夜間は自由に飲むことができる。ちなみに正面奥が朝食会場で、朝食はバイキング形式。ものすごく品数が多いということはないが、朝食としてのグレードは高め。
ともあれチェックインが済んだので客室へ移動。どうやら上層階には豪華なスイートが何部屋かあるようだが、出張でそんな部屋に泊まるわけもなく、この日は最もベーシックなシングルルーム。
尤も、部屋の広さは18㎡ということでものすごく広いという訳ではなく、手前に水回り、奥に居住部分というレイアウトはビジネスホテルらしい間取り。なお、室内の出入口部分はフローリング、居住部はカーペット敷きになっている。
居住部は部屋の大半をベッドが占めているので、荷物を広げるスペースはそれほど大きくない。クローゼット内にスーツケースの置き台が用意されているので、個人的には窓際にスーツケースを置いておくことが多い。寝巻きはパジャマ型で、上下が分離しているタイプ。
このホテルの優れているところの一つがこの圧倒的な大きさの机。PCや書類を広げても十分なスペースが用意されている。欲を言えば部屋の照明が少し暗いが、デスクライトを使用すれば書き物も問題ないくらいの照度は確保できる。
デスクの引き出しにはちょっとした文房具とマルチタップが用意されている。ハサミやテープのりが用意されているホテルというのはなかなか珍しい。地元贔屓になってしまうが、このような細やかな気配りはどこか「城山ホテル鹿児島」に通ずるところがある。
(「城山ホテル鹿児島」についてはこちら)
また、机の一角には飲料水とゴーフレットの「旅がらす」が置かれている。余談ながらこの「旅がらす」、前述の木本製菓グループの子会社、清月堂が製造しているお菓子なんだとか。
2012年開業のホテルということで、綺麗にメンテナンスされているもののベッドボードや水回りは一世代前の設え。それゆえ、電源はベッド周りにコンセントが1口のみ設置されている。少なくとも1口あるだけで十分なのだが、電源ひとつ見てもこの10年程の間にえらく進化?したものだと感じる瞬間でもある。
部屋のもう一つの特徴がマッサージチェア。時折マッサージチェアが設置されているホテルはあるが、シングルから全てのクラスの部屋に設置されているホテルというのはこの「ココ•グラン」系列くらいのような気がする。
この他、特殊な部屋の設備としては電子レンジがある。ビジネスホテルの共用部分に設置されているケースはよくあるが、各部屋へ設置されているというと、以前宿泊した、朝食に冷凍食品が提供される「コンテナホテル」くらいしか記憶にない。そのほか、アイロンなんかも用意されている。
(その「コンテナホテル」とはこちら)
水回りはバス•トイレ一体型の比較的標準的な造り。上層階に大浴場が設置されているので浴槽はあまり利用しないかもしれないが、この手の浴槽にしては大型のものが入っている。
アメニティ類はこのようなラインナップで、他のホテルと比較すると圧倒的に多く用意されている。現状でも十分多いが、COVID-19による経費削減か、はたまたSDGsによるものか、その真相は定かではないが、これでも以前より数が減っているような気がする。
ホテルの10階には大浴場とランドリー、ちょっとしたデッキが用意されている。ランドリーは洗濯と乾燥が一体になっているタイプで、洗剤すら購入不要(用意されている)で自動投入される。多くのホテルは洗濯機と乾燥機が物理的に分離されているから、洗剤を購入し、洗濯機から取り上げて乾燥機に入れて、という不可避な工程があるが、これが一切省略できるのはとても大きい。
また、大浴場にはタオルや簡単なアメニティ類が用意されているので、客室から身一つでアクセスすれば良いのが楽で良い。こうしたちょっとした気遣いが滞在の快適性を大きく向上させてくれる。
ちなみにフロアの真ん中には自動販売機と冷凍庫があり、アイスキャンデーが提供されている。以前はルイボスティーだったような気がするが、いずれにしてもちょっとしたお得感がある。単に貧乏性なだけなような気もするが。
デッキに出てみると、目の前には新幹線の高崎駅があり、朝方なんかは数分おきに新幹線が発着している。日によっては深夜に工事車両が行き交っていることもあり、どのように新幹線の安全が維持されているかを窺い知ることができる。
少し遠くに目をやると、街の背後に広がっているのは標高1,449mの榛名山。高崎は関東平野の最奥部にあり、ここから先は西も北も険しい山が広がっている。
そんなこんなで就寝し、翌朝は比較的早めの出発で朝食も食べずにチェックアウト。近頃では大抵朝食を食べ損ねるから、素泊まりで予約して食べる時だけ追加料金を払って朝食を摂ることが多くなってしまった。
東京からぎりぎり100kmという立地上、なかなか高崎で宿泊するという機会は多くないかもしれないが、この辺りで宿泊するのであれば間違いないホテル。出張が決まるとまずホテルの手配からスタートしているほどのお気に入り。惜しむらくは少し価格帯が高いところだか、泊まって後悔することはおそらくないはず。
というお話。