日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】新宿~飛騨高山線7001便(バスタ新宿/高山濃飛バスセンター)


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便名 : 新宿~飛騨高山線7001便
日付 : 2022/12/xx
区間 : バスタ新宿(07:05)→高山濃飛バスセンター(12:50)
所要時間 : 05:45
乗車クラス : 普通席(座席指定制)
運行 : 濃飛乗合自動車

年の瀬も迫った12月、1日時間が空いてどこか出掛けようということで調べた結果、中部地方から北陸地方をぐるっと廻ることに。

という訳で、やって来たのは早朝の新宿駅。ちょうどクリスマス前の時期だったから、駅前広場にはSuicaペンギンの姿。ご存じの方もおられるかと思うが、JR東日本の本社はここ新宿にある。

JR新宿駅 新南改札

(@JR新宿駅)Suicaペンギンたちもクリスマス仕様

COVID-19の影響を受け、一時は高速バスの本数が大きく減少していたが、ここ最近はだいぶ便数も回復してきていて、この日は7時台だけでも40本弱が出発する。人気路線の河口湖行きなんかは2号車も設定されているような状況。

JR新宿駅 バスタ新宿入口

(@JR新宿駅)7時台出発のバスは5ページに及んでいる

バスタ新宿は3階にバス降車場とタクシー乗り場、4階にバス乗り場がある構成。JR新宿駅新南改札前を出て目の前にあるエスカレーターに乗ると、Bエリアの辺りに辿り着く。このBエリアは主に河口湖方面へ向かう高速バスが利用している乗車口。

(河口湖方面へ向かうバスへ乗車したときの記録がこちら)

biketourist.hatenablog.com

今回乗車するJR高山本線高山駅前にある、高山濃飛バスセンター行きのバスはC7乗り場からの出発。中部北陸方面行きのバスが利用することが多いのか、直前には西武バスの富山行きが出発していった。

バスタ新宿 フロアマップ

バスタ新宿4階は計10ヶ所の乗り場がある

のんびり乗車口へ向かうと待機場に乗車予定のバスがやって来た。乗車する「濃飛バス」は岐阜県の事業者で、高山を拠点に新宿・名古屋・大阪・金沢などへ高速バス路線を設定している。調べて初めて知ったが、同社も名古屋鉄道(名鉄)グループなのだとか。

(濃飛乗合自動車公式サイトはこちら)

www.nouhibus.co.jp

バスタ新宿 濃飛バス エアロエース

(@バスタ新宿)早朝にも関わらず出入りが激しい

前の便が出発していってしばらくして乗り場に着車。この時間帯は出発便が多いこともあり、あっという間に待機場にバスが増えていった。この写真では確認しづらいが、乗車口右側に自動券売機が設置されているのが濃飛バス高速車両の特徴。この路線では使用していなかったから、上高地などに向かう路線で使用するんだろうか。

バスタ新宿 濃飛バス エアロエース

(@バスタ新宿)07:00前に着車

車両は三菱ふそうエアロエース。バスは白地に緑の比較的シンプルなデザイン。ホームページを見ても特にコンセプト等は記載されていないように見えたが、恐らく北アルプスの山々がモチーフだろうということは想像に難くない。

バスタ新宿 濃飛バス エアロエース

(@バスタ新宿)山のデザインが印象的な車両

今回は出発2時間ほど前に予約し、最前列を手配。前述の通り、乗降口側には自動券売機がセットされている関係で目の前のパーテーションには少し厚さがあるが、最前列も足元にはそれほど窮屈さはなくひと安心。

濃飛バス エアロエース 座席

濃飛バス/ 乗降口付近は比較的設備が多め

定刻通りバスタ新宿を出発し、甲州街道を左折して初台から首都高4号新宿線、高井戸から中央道に入った。途中、中央道三鷹深大寺、府中、日野、八王子で乗車扱いをして目的地に向かう。この日は特に途中停留所からの乗車客はいなかったが、各バス停ともそれなりに利用者はいるんだろうか。

中央道 濃飛バス 釈迦堂SA

(@釈迦堂SA) 約1時間30分ごとに1回の休憩

バスは出発から1時間30分ほどで最初の休憩地点、山梨県笛吹市にある釈迦堂(しゃかどう)パーキングエリアに到着し、ここで1回目の休憩。所要時間は6時間近い長距離路線だが、運転士さんは始発から終点まで1人運行。それゆえこの後は諏訪湖サービスエリア、平湯温泉と、2時間弱に1回、計3回の休憩がある。

中央道 釈迦堂SA アップルパイ

(@釈迦堂PA) 手頃な朝食を調達

さすがに食堂で食事をするほどの時間はなく、他では買えなさそうな「手作り釈迦堂のアップルパイ」を購入。いかにも手作りというような味で、飛び散らないように食べるのに少々難儀した。

濃飛バス エアロエース 座席

濃飛バス/ 車内はオーソドックスな2+2配置で補助席なし、トイレあり

ちなみに車内はこのような座席配置。2列-2列の横4列配置で補助席なし、後方化粧室のタイプ。この所要時間であれば横3列だと嬉しいのだが、特に特別席の設定もされていない。なお、運賃+2,000円でもう1席利用できる「おひとりだけシート」が設定されているが、この日は乗客が少なく、それを利用せずとも実質的に「おひとりだけシート」状態だった。

中央道 諏訪湖SA

(@諏訪湖SA) 2回目の休憩場所。いずれも15分程度

バスは釈迦堂パーキングエリアを出発し、1時間で約80kmを走破し諏訪湖サービスエリアに到着。比較的この区間は休憩までが短かったが、ここで再度15分ほどの休憩。

中央道 下り諏訪湖SA 諏訪湖

(@下り諏訪湖SA) 建物裏に展望台があり、諏訪湖が一望できる

諏訪湖サービスエリアは名古屋方面のほうが一段高いところに開設されていて、本線越しに諏訪湖が眺められるような展望台が開設されている。ちなみにこの諏訪湖、本格的に寒くなる2月頃には結氷し、年によっては氷がせり上がる「御神渡り」が見られることも。ただしこの距離からでは鑑賞は恐らく厳しく、以前訪れた際には上諏訪駅から歩いて訪れた記憶がある。

中央道 下り諏訪湖SA 諏訪湖

(@下り諏訪湖SA) 施設は比較的広め。温泉施設も

中央道でも比較的大きなサービスエリアということで、建物内は比較的物販施設が充実していて、駅弁でお馴染み「峠の釜めし」のおぎのやをはじめとしていくつかの店舗が軒を連ねているほか、「ハイウェイ温泉諏訪湖」として温泉施設も併設されている。

さすがに15分程度の休憩時間では温泉に入るわけにもいかず、とりあえず軽食として「山賊焼き」を手にいれた。これは小さめのスマートフォンくらいの大きさがあり、1つだけでも結構な満腹感がある。

中央道 下り諏訪湖SA 山賊焼き

(@下り諏訪湖SA) 山賊焼きは1つでも結構なボリューム

休憩後、バスは岡谷ジャンクションから長野自動車道に移り、ほどなくして松本インターチェンジで高速走行を終了。ここからしばらくは国道158号線を進んでいく。平湯温泉までのルートの過半ほどは上高地へのアクセス路と重複しており、見知った道を進む。

それにしてもこのルートは道幅、高さともに大型車ぎりぎりのトンネルが多く、運転士には街中とは異なる運転技術が求められることが風景を見ていても分かる。トンネル進入時には対向車とトンネル内で鉢合わせしないよう、慎重に進んでいく様子が見られた。

進行方向左手に梓(あずさ)湖、右手に梓川の流れる奈川渡ダムを通過して間もなくするとバスは上高地に向かうルートを離れて安房(あぼう)峠をトンネルで突っ切り、最後の休憩地となる平湯温泉に到着した。渋滞が少なかったからだろうか、この時点で15分ほど早着。

(ちなみに上高地はこんなところ)

biketourist.hatenablog.com

長野県 奈川渡ダム

(@奈川渡ダム) バスはダムの堤を走っていく

休憩地の平湯温泉バス停は「アルプス街道平湯」のドライブイン施設に併設されていて、ここには物販店や団体用レストランなどが設置されている。先程の山賊焼きでそれなりに満腹になっていたから特に買い物はしなかったが、店内のお土産は比較的充実している様子。

平湯温泉 バスターミナル

(@平湯温泉) 昔ながらの「ドライブイン」といった雰囲気

この日は他に乗用車もバスもいなかったが、駐車場は比較的広くとられていたから、繁忙期は多くの車で賑わうであろう様子が想像できる。それにしても、森の中ではいっそうこのカラーリングが似合って見えるような。

平湯温泉 濃飛バス エアロエース

(@平湯温泉) 森の似合う濃飛バスのカラーリング

休憩後もバスは国道158号線を50分ほど走り、高山市内に到達。特に市街地にバス停はなく、最終的には定刻よりも20分弱早く終着の高山濃飛バスセンターに到着。入口に誤進入防止の遮断機が設置されているのが珍しい。

高山バスターミナル 濃飛バス

(@高山濃飛BT) 出発準備中のバスが勢揃い

ちなみに同社の開設する高速バス路線はこのような体系。東京、名古屋、大阪のいずれにも昼行路線があるというのが中部地方らしいところ。

濃飛バス 路線図

(@高山濃飛BT) 高山は割と利便性の高い街

ちなみに冒頭でも触れたが、今回バスを降りた「高山濃飛バスセンター」はJR高山駅に隣接している。時おりバスのターミナルと鉄道駅が離れた場所にあるケース*1も見受けられるが、この街に関してはその心配は不要。

JR高山駅 駅舎外観

(@JR高山駅) 駅舎は比較的新しそうな様子

この後はJRに乗換え、富山を目指すことに。

*1:代表的なのは熊本の桜町バスターミナルや、札幌の北海道中央バス 札幌ターミナルなど。