便名 : 花嫁のれん4号
日付 : 2022/03/xx
区間 : 和倉温泉(16:30)→金沢(17:54)
乗車クラス : 普通車指定席(全車指定)
運行 : JR西日本
和倉温泉近辺を観光し、金沢経由で帰京。
(観光についてはこちら)
宿の送迎車で送ってもらい、JR和倉温泉駅に到着。所要時間は10分ほどだった。乗車するのは16時30分発の「花嫁のれん4号」。和倉温泉から金沢方面に向かうこの日最終の特急列車。
(公式サイトはこちら)
ちょうど金沢方面からの特急「能登かがり火5号」が到着するタイミングだったこともあり、駅前には和倉温泉周辺の旅館の送迎バスが勢揃い。これまであまり温泉旅館のあるような街を訪れていなかったのだが、古くは各地でよくあった風景なのだろうか。
駅構内は自動券売機と出札窓口がひとつ。ただ、この窓口は2022年3月のダイヤ改正で休止されてしまったようで、どこか寂しい雰囲気が漂う。
金沢へはJR七尾線。交通系ICカードが使用できるのは特急列車のみのようで、改札機にはカバーがかけられている。きっと有人駅時代には駅員さんが開け閉めしていたのだろうが、現状では勝手にやってください、という感じ。
恐らく普通列車の停車駅には端末がないとかそういう趣旨の規制なんだと思われ、であれば例えば金沢に向かう場合なんかは途中で降りなければ特に問題無さそうだが、この場合は使えないんだろうか。
少し早めに改札を抜けると、ホームには前述の能登かがり火号の車両が停車中。青の下にオレンジが添えられているから、通常しらさぎ号で使用されている車両か。
花嫁のれん号は15時30分過ぎに和倉温泉駅に到着しているはずだが、和倉温泉駅の2つのホームいずれにもいない。どうやら和倉温泉駅に到着した後、一旦金沢方面(七尾駅だろうか)に回送された後、再度和倉温泉駅に戻ってくる運用になっている模様。到着から出発までは1時間ほどなので、ずっと停まっているのかと思っていた。
ホーム上にはレトロな吊り下げ看板が掲示されている。文字が剥がれかかってしまっているが、いつから掲示されているのだろうか。
しばらくすると音楽が鳴り始め、ホーム左手、七尾方面から列車が到着。ちなみに、列車名となった「花嫁のれん」とは、加賀藩の女性が持参する嫁入り道具のひとつで、実用されるのは結婚式当日の一度しかないのだそう。
列車は2両編成のディーゼル車。元々正面には扉がついていたはずだが、埋められて妙な見た目になっている。何となく、JR西日本は正面の扉を埋めるのが好きなイメージがある*1。なにかメリットがあるんだろうか。
ロゴマークは石川の伝統工芸、加賀水引をモチーフに、「花嫁のれんをくぐる神聖で幸せな気持ちを表現」し、女性の幸せを願う列車、ということらしい。
そのうちドアが開いて乗車。各ドアでは加賀屋監修だというアテンダントさんがお出迎えしている。
詳細は冒頭の公式サイトが詳しいが、2両編成の列車の1号車は半個室、2号車はオープンスペースの構造。なお、見た目的に面白いのは1号車の半個室だが、「e5489」にしても「えきねっと」にしても、シートマップからの座席指定ができない。窓口の数が減る一方のこのご時世、ウェブ上でできないことがあるというのは中々めんどくさい。
そんなわけで、座席を予約システムに委ねた結果、今回乗車したのは2号車のボックス席。乗務員室と客室を仕切る壁の装飾は金箔だろうか。そういえば、九州新幹線でも金箔が壁に使用されていたが、割とメンテナンスが弱いJR九州のこと、比較的人の行き来が多いところに使われボロボロになってしまっていたような。
座席は1席ごとに独立したタイプで、少し変わった形状。ただ、座席はリクライニング機能がついていないから、和倉温泉から金沢までの約1時間30分より長い距離はしんどくなりそう。その意味ではこの運転区間はちょうどいい距離なのかもしれない。
入線から出発までは少し時間があり、せっかくなので1号車を少し見学。車内通路は石畳状になっていて、各ボックス(個室?)には「○○の間」といった名前がつけられている。
なお、1号車客室と2号車客室の間には売店があり、出発後には簡単な軽食と飲み物などを販売している。このほか、事前*2に「みどりの窓口」等で食事券を購入し、軽食と飲み物のセットを車内でいただくことのできるサービスもある。
ベースになった車両は割と旧式の車両だが、設備はご覧の通り全体的にかなり手が入り綺麗になっていて、お手洗いも車椅子対応の大型のものに換わっている。余談だが、アイコンをよく見ると和服を着ているといった小ネタも。
そもそも3月のこの時間帯はもう薄暗いというのもあるが、七尾線沿線はそれほど際立って見所があるわけではない。携帯電話で調べものなんかをしているうちにIRいしかわ鉄道(旧北陸本線)と合流する津幡駅に到着しており、その後出発から1時間30分ほどで終点の金沢駅に到着。
ローカル線ゆえ、それなりに揺れて乗り心地はいま一つだったが、車内設備は他の列車とは明確に違う個性を持っていて面白い列車。宿へ、宿からの往復の際、時間が合えば乗ってみる、といった使い方がいいのかもしれない。
ここからは小松空港行きのバスに乗換え。次に出発するバスがこの日小松空港に向かう最終のバスで、乗り遅れる訳にはいかない。尤も、和倉温泉の最寄りは能登空港で、一般人ならば能登半島から小松空港に向かうというルートはあまりとらないか。
というお話。