便名 : きときとライナー名古屋6便
日付 : 2024/12/xx
区間 : 高岡駅瑞龍寺口(17:30)→名古屋駅前(21:25)
所要時間 : 03:55
乗車クラス : 普通席(座席指定制)
運賃 : 4,000円(事前クレジットカード決済)
運行 : イルカ交通
北陸地方に用事があり、数日を過ごしてから次の目的地、名古屋へ移動する旅程。
今回のスタート地点、富山県の高岡から名古屋を目指す際の最速ルートは北陸新幹線-北陸本線(しらさぎ)-東海道新幹線のルートだが、乗換えが多いうえ運賃も高いのがデメリット。そこで今回は乗換えなしにダイレクトに高岡と名古屋とを結ぶ、イルカ交通の運行する高速バス「きときとライナー」を利用することに。「きときと」とは富山県の方言で、「新鮮」とか「活きがいい」という意味だそう。
(事業者公式サイトはこちら)
それほど遠い印象のない高岡-名古屋間だが、意外と?離れているようで、約230kmの距離がある。これを東京からの距離に置き換えると東京-長野間とほぼ同じくらい、といえばイメージしやすいだろうか。
(東京-長野間の高速バスについてはこちら)
さて、出発地の富山県高岡市は「ドラえもん」等の作者、藤子・F・不二雄氏の出身地だそうで、コンコースを含む駅周辺にはあちこちに作品の銅像などがディスプレイされている。また、高岡駅から海側を走る路面電車の万葉線には「ドラえもんトラム」なる車両も走っている。
今回乗車する17:30発の名古屋駅行きは高岡駅の南側、どちらかと言えば裏口らしい雰囲気のする瑞龍寺口からの出発。この「瑞龍寺」というのは駅から徒歩圏内にある寺院で、山門、仏殿、法堂の3つの建物が富山県の建造物として唯一国宝に指定されているんだとか。
「きときとライナー」は駅舎を背にして左手側の停留所を発着するが、そのほか瑞龍寺口には高岡駅と新幹線の発着する新高岡駅とを結ぶ路線バスの停留所もあり、1時間に2本から4本程度が発着している。両駅間の移動手段はバスのほかにJR城端線もあり、JR線の方が所要時間が短い(JRの4分程度に対しバス8分程度)が、本数が多くても時間2本のJRよりもバスは多頻度で、運賃は100円と低廉に抑えられている。
出発時刻17:30の10分ほど前にバス乗り場に辿り着くと、すでに目立つ黄色い車体のバスが着車していて乗車改札中。中々人気の高い路線のようで、この日はほぼ満席の予約が入っていた模様。
ちなみに高岡エリアと名古屋とを結ぶ高速バスは今回乗車した「きときとライナー」のほか、加能越バスも高速バスを運行していて路線としては競合しているが、時間帯は極力重複しないように調整されているように見える。
路線としては全線乗り通しても4時間程度とそれほど所要時間が長い路線ではないが、座席配列は3列独立シートで中々ゆったりとしている。リクライニングは若干浅めではあるものの、昼行路線で多くの乗客が起きている路線ではこれ以上は難しいかもしれない。
バスは高岡駅を出発すると、高岡エリアでは新高岡駅、高岡バスターミナルに停車。この路線に限ったことではないが、地方の停留所は駅前よりも駐車場を併設している停留所の方が乗車が多く、イルカ交通本社に併設された、駐車場のある高岡バスターミナルからはまとまった数の乗車があった。
高岡を離れると砺波エリアで2箇所、城端、五箇山で乗車扱いをしてから名古屋へ向かう。各停留所ともにそれなりの乗車があり、18:20発のサンコー砺波(第2駐車場)停留所で9割方座席が埋まった。
その後は砺波インターチェンジから北陸自動車道に入り、次の小矢部砺波ジャンクションで東海北陸自動車道に乗換え。少し走った先、18:40発の城端(じょうはな)サービスエリア停留所でいよいよ満席になり、名古屋に向けて出発。なお、この城端サービスエリア停留所と次の五箇山インター口停留所は事前に予約がなければ立ち寄らないそうで、現に五箇山インター口停留所は立ち寄らずに本線上を通過。
ルートとしてはひたすら東海北陸自動車道を南下していくのみで、夜中ということも相まってこれといって面白い車窓は見当たらない。そうこうしているうちにバスは19:45頃、道中唯一の休憩地点となるひるがの高原サービスエリア(岐阜県郡上市)に到着。この日は始発の高岡近辺でも霰(あられ)が降るほど寒い日ではあったのだが、山間部のひるがの高原はこれを上回って寒く、施設周辺にはしっかり雪が積もっていた。
サービスエリア内には物販店とコンビニエンスストアが設置されていて、バスは物販店に近い位置に停車。コンビニエンスストアは歩いて行かれないこともないが、この積雪状態だと少し面倒だな、というくらいの距離。なおこの物販店は営業時間が20時までのようで、このバスの出発とほぼ同時に閉店するようなスケジュール。
ちなみにバスの出入口付近には高岡バスターミナルの駐車券に料金の割引を書き込む端末が設置されていて、降車までの間に駐車券を通すと割引がされるシステムになっている模様。この位置であれば乗車しないと割引が適用されないからよく出来ている。
20:00過ぎにひるがの高原を出発すると次の停車地は終点の名古屋駅前。東海北陸自動車道を一宮ジャンクションまで進んだのち、その後名神高速道路、名古屋高速16号一宮線、6号清洲線の順に走って明道町出口で一般道に下りた。
ダイヤは殆ど余裕時分を持っていないようで、終点の名鉄百貨店前、名古屋駅前(ミッドランドスクエア前)に到着したのは定刻通りの21:25。乗り場はあおい交通の運行する名古屋駅と名古屋空港とを結ぶ路線と共用している模様。
(同じ乗り場発着の名古屋空港行き連絡バスはこちら)
所要時間は鉄道利用よりも1時間ほど余計に要するが、運賃は鉄道の半分以下とコストパフォーマンスに優れるのが大きなメリット。トンネルが多く、車窓はそれほど楽しめないのが玉に瑕だが、覚えておいて損はないルート。
というお話。