便名 : とかちミルキーライナー12便
日付 : 2024/12/xx
区間 : 南千歳駅(19:55)→帯広駅前(22:40)
所要時間 : 02:45
乗車クラス : 普通席(座席指定制)
運賃 : 3,800円(事前クレジット決済)
運行 : おびうん観光
松山から羽田空港を経由して北海道•新千歳空港へ到着。この日の目的地は帯広で、高速バス「とかちミルキーライナー」に乗って向かうことに。北海道の中では割と近いような印象のある千歳-帯広間だが、相対的に近いだけで両地点間は約160kmの距離がある。
乗車する「とかちミルキーライナー」は新千歳空港も経由するため、ただ乗車するだけであれば空港で待っていればいいのだが、そこは始発から乗車したいということでJRに1駅乗って南千歳駅へ向かった。
この路線は千歳側の北都交通、帯広側のおびうん観光の共同運行で1日6往復の運行だが、千歳発最終便はおびうん観光による運行。道東道を走っている姿は何度か見たことがあったものの、乗車するのは初めて。
(事業者公式サイトはこちら)
始発地の南千歳駅北口交通広場はロータリーがあるのみで、バスに乗るか、レンタカー店に向かうかといった利用者以外はほとんど見られない。駅の徒歩圏内にはかつてのアウトレットモール「Rera」があるものの、大規模商業施設としての役目は既に終えており、現在は3施設のみしか営業していない。
2024年12月現在では辛うじてドーナツ店が残っているようなので、日中であれば軽食を購入することはできるだろうか。それにしても、最大150を超える店舗があったこの跡地は今後どうなっていくのか気になるところ。
駅コンコースも暖房が効いている訳ではなく、諦めて外に出て北風に晒されながら5分ほど待っていると出発時刻の10分ほど前、19:40過ぎにバスが着車。この手のバスは窓にスモークが入っていることが多く、普通のクリアガラスというのは中々珍しいような。
この路線、独立3列シートの座席配置だが、座席指定制ではあるものの事前の席番指定はできず、改札の際に番号が告げられるシステム。この日は車両最後方の運転席側、非常口あたりの座席が指定された。夜行路線ではないので、リクライニングの角度は少し浅め。
割に遅い時間の便にも関わらず、南千歳駅、新千歳空港のいずれでも乗車が多く、目測7割以上の座席が埋まったところで出発。帯広空港への便がない九州や四国、大阪、名古屋辺りから帯広に向かう場合はまず新千歳空港へ向かい、そこからバス等を利用することになるだろうか。
東京視点で考えると地方都市への移動というのはそれほど大変ではないが、地方都市を起点にして別の地方都市へ移動するというのは思いの外大変。現にこの日は松山空港から羽田空港を経由して新千歳空港まで移動してきたところで、バスに乗車する時点でほどほど疲れてしまっていた。
閑話休題、バスは空港を出ると道央圏連絡道路、千歳東インターチェンジから道東自動車道の経路で帯広へ向かう。乗車停留所は新千歳空港が最後で、道央圏連絡道路に入ったあたりで案内放送が始まり、この先走る道東自動車道は多くの区間が対面通行ゆえ、いわゆる「遅い車」がいると到着が遅れることがあること、高速道路の本線に入ると車内灯を消灯する旨のアナウンスが入った。
いよいよ本線に入ると車内灯が消灯され、車内は真っ暗に。とはいえカーテンが閉じられている訳でもないので、夜行バスとはどこか違った雰囲気。窓側席は窓から冷気が入ってくるので、窓側にもたれようとすると少し寒いかもしれない。
バスは時折前の車に追いついて減速するも、次の追越車線が現れると全力で加速して追い抜く、という運転を繰り返しながら進む。なお、道中の休憩は1回で南千歳駅出発から約80分ほど、約80km走ったところにある占冠(しむかっぷ)サービスエリアで約10分間。
空港周辺は寒いだけで雪は積もっていなかったが、こちらは山間部ということもあって辺り一面が真っ白。日中は売店の営業もあるようだが、さすがに厳冬の真夜中には静まり返っていた。
施設前の自動販売機に目をやると、商品ラインナップの一角には「メガシャキ」が並んでいた。ただでさえ対面通行で単調な風景が続く上、夜間となるとなかなか長距離走るのもしんどいかもしれない。
このとき既に21時を過ぎていたが、乗ってきたバスの隣にはもう一台高速路線バスが停車中。どうやらこちらは札幌市内の市電すすきの前を19:09に出発した北海道バスの「帯広特急ニュースター号」の模様。全国展開している東京大阪バスグループの会社で、以前乗車した赤羽駅から羽田空港へ向かう空港連絡バスと似たような塗装をしている。
(事業者公式サイトはこちら)
www.hokkaidoubus-newstar.jp(件の空港連絡バスについてはこちら)
占冠を出たバスは再び道東自動車道をひた走り、帯広市の北側にある音更帯広インターチェンジから一般道走行。インターチェンジにほぼ隣接する道の駅おとふけが最初の降車停留所で、ここで乗客の約1/3が降車していった。どうやらここにはバス利用者用の無料駐車場が開設されている模様。
道の駅から帯広駅までは道道337号線、同75号線、北親通、国道38号線、西3条通のルート。12月から3月までの冬季期間は道路状況が悪い場合を想定して所要時間が15分ほど長く取られているが、この日はほぼ定刻通り、出発から約2時間45分の所要時間で22:40過ぎに帯広駅へ到着。バスは終着の帯広市西20条南1丁目へ向かうが、今回はここで下車して宿泊先のホテルへ向かった。
意外にも?千歳から帯広までの道東自動車道が全通したのは割と最近の2011年のこと。この開業によって道央から道東への自動車アクセスは飛躍的に改善し、高速バスの優位性が大きく高まった。
前述の通り、両地点の間には200km近い距離があるため致し方ないことではあるが、今回の片道運賃3,800円に対し、割引きっぷを使わずにJRを手配した場合の運賃は片道だけで6,360円(特急料金含む)。あと1,000円も出せばバスで往復できてしまうほどの値段差がある。それでいて所要時間は大差ないのだから、バスのコストパフォーマンスはかなり高い。
尤も、定価で特急券を購入する必要はなく、えきねっとなどで発売している割引きっぷの種類によってはバスよりも安い運賃で運んでくれるものもあるので、予定が決まった段階で条件に合う交通機関を利用するのが良さそうな。
というお話。