日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】JR中央線/青梅線•921H(東京/拝島)


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便名 : JR中央線/青梅線•921H
日付 : 2025/08/xx
区間 : 東京(09:07)→拝島(10:10)
所要時間 : 01:03
乗車クラス : グリーン車自由席
運賃 : 1,490円(交通系ICカード決済)
運行 : JR東日本

首都圏のJR路線はあらかた乗り潰しが進んできたが、最後まで残ってしまったのが多摩地域五日市線青梅線。ちょっとした時間があったから、一気につぶしてしまうことに。

そんな訳でやって来たのは東京駅。今回最初に乗車するJR五日市線はJR青梅線拝島駅から分岐する路線で、2023年頃までごく一部の列車が中央線に直通していたが、昨今のJR東日本の系統分離の煽りを受けて現在は全列車が立川駅もしくは拝島駅始発で運転されている。

09:00を廻ってピーク時間帯を若干過ぎた東京駅は若干列車間隔が開き気味。島式ホームの向かい側2番線は08:57東京駅着の「かいじ2号」が停車していて、折返しまでの間しばらくは1線で列車を捌いているから、列車の間隔を詰めることができないという事情によるもの。

流石に車内清掃をして乗客を受け入れるまで長時間ホームを占有することはできないから、営業列車で到着して営業列車で折り返すという運用はないらしい。

JR東京駅 中央線ホームの電光掲示板

JR東京駅/ 9時過ぎても高頻度運転

今回乗車するのは2025年3月にサービスを開始したグリーン車。他方面の路線と比べて終着駅(東京駅)での折返し時間が短いこともあって、出入口が両開きになっている等の特徴がある新車両が従来の10両編成に追加で連結されている。東京駅•新宿駅で他方面と接続しているにも関わらず、独立した料金体系になっているのが個人的にはちょっと使いづらいが、開始から半年ほど経って徐々に利用者も増えているとか。

東京駅止まりの列車が到着すると降車が始まり、全員が降りると早速車内清掃を開始。ロールカーテンは作業時間の都合で上げないようだが、それ以外は通常通り清掃が実施されるらしい。座席の転換は自動になっているが、これは普通列車の2階建グリーン車では初めてなんだとか。

JR東京駅 中央線E233系のグリーン車

JR東京駅/ 両開きの2階建てグリーン車は初登場

そうこうしているうちに清掃が終わって乗車開始。必ずしも余裕があるとは言えないものの、座席についてから出発までは90秒くらいはあったような気がする。同じ車両に乗車したのは10名程度だったと思うが、どの程度乗れば採算が合うんだろうか。

JR東京駅 中央線E233系のグリーン車

JR東京駅/ 日中もそれなりの乗車率

みたところ、座席の表地はJR横須賀線E235系グリーン車と同じ模様で、通路側、窓側ともに肘掛けにコンセントが1口ずつ設置されている。

JR東京駅 中央線E233系のグリーン車

JR東京駅/ 定員は2両で180名

この日は道中で食事を摂れるような長時間の待ち合わせがなく、拝島までの移動中に食事を摂ることに。調達したのは東京駅のコンコースにある「駅弁屋 祭」で販売していた、新潟駅弁の「えび千両ちらし」。

(「駅弁屋 祭」についてはこちら)

www.gransta.jp

新潟駅弁の「えび千両ちらし」

「えび千両ちらし」は新発田駅(新潟県)の業者の駅弁

このお弁当、一見すると一面に卵焼きが敷き詰められただけに見えるが、卵焼きを返すと下に具材が現れるという仕掛け。岡山県の「返し寿司」と近いところがあるだろうか。ちなみにお弁当の掛け紙は絵葉書になっている。

新潟駅弁の「えび千両ちらし」

「えび千両ちらし」/ ぱっと見は卵焼きだけのお弁当

卵焼き下の具材はうなぎ、コハダ、えび、いかなどで、おぼろ昆布のまぶされたご飯の上に載っかっている。JR東日本が毎年開催している「駅弁味の陣」の第6回でグランプリに輝いたんだとか。個人的には新潟県の海鮮系駅弁といえば「えんがわ寿司」派だが、たまには違ったものを試してみるのも面白い。

新潟駅弁の「えび千両ちらし」

「えび千両ちらし」/ 中に具材が隠れている

電車は東京駅を出ると神田、御茶ノ水と停車して進んでいく。水道橋駅を通過する際、進行方向右手には一瞬東京ドームが見えてくる。開場からまもなく40年を迎え、築地あたりの新球場の噂もちらほら聞こえてきたが、ともするとこの場所はどうなっていくんだろうか。

JR中央線快速 水道橋駅付近から東京ドーム

水道橋駅付近/ 東京ドームは1988年開場

東京駅を出て約15分で新宿駅に到着。JRで同駅を起点にする路線がないからか、どうにも個人的には新宿はターミナルというより経由地のイメージが強い。

各線の電車ホームとは少し離れた、特急専用ホームにはE259系が停車中。大きく模様替えされた訳ではなく、元々のコンセプトが活かされているものの、現行塗装はもともと「NEX」のロゴがあった部分に妙な余白が多くて中途半端。成田エクスプレスのほか、房総特急にも使用するから致し方ないのかもしれないが。

JR中央線快速 新宿駅付近

新宿駅付近/ 特急列車は少し離れたホーム発着

この日は土休日で、新宿を出ると中野、荻窪、吉祥寺と停車。中央線は杉並区内にある高円寺、阿佐ヶ谷、西荻窪のいわゆる「杉並3駅」について、国鉄は通過を目論んでいたようだが停車を求める声が多く、平日は停車、土休日は通過という異なる運用に落ち着いている。どうにも1960年代、1970年代は線路容量の拡大に際し各方面で停車駅について議論が起きたようで、常磐線でも同様の論争が生じている。

駅名標の横に掲げられている路線図は一見かなり古そうに見え、副都心線や高輪新駅などがシールで修正されている。いつ頃作成されたものなんだろうか。

JR中央線快速 吉祥寺駅付近

吉祥寺駅付近/ 平成初期によく見た路線図

中央線区間では特急列車に抜かれることなく、立川駅に到着。電車列車の本数が多いからか、途中10駅停車の乗車列車と途中無停車の後続特急列車の所要時間は5分しか変わらない。新宿駅から高尾駅までの所要時間が短縮できれば、中央線の特急列車の所要時間は大幅に短縮されそう。

立川駅からは青梅線に入るが、最初の西立川駅までの間は立川駅始発列車と中央線からの直通列車は全く別の線路を走るのが特徴。南武線方面から走ってきていた貨物列車が中央線の線路を支障せずに青梅線に転線するため、大掛かりな別線が敷設されたらしい。

JR青梅線 西立川駅付近

西立川駅付近/ 下り線のみ2ルートがある

そんなこんなで東京駅から1時間ほど乗車し、拝島駅に到着、同駅にはJR八高線西武拝島線などが乗り入れていて、今回はそのうちJR五日市線へ乗換え。拝島駅へやって来たのはちょうど1年ほど前、羽田空港から青梅線沿線に向かう空港連絡バスに乗車したときの復路以来と思われる。

(当時の記録はこちら)

biketourist.hatenablog.com

五日市線は1時間に2本から3本程度の本数で、今回乗車する列車は拝島駅始発。青梅線のホームからは階段を介して乗換える。列車の行き先「武蔵五日市」は比較的どの文字も画数が多いから、「五」が若干潰れているようにも見える。

JR五日市線 拝島駅の電光掲示板

拝島駅/ 階段を経由して乗換え

2022年3月のダイヤ改正まで、中央線から五日市線八高線へ直通する列車が設定されていた関係で、列車は直接八高線へ入れるような配線になっている。正面左に進んでいくのが五日市線、その右手をまっすぐ進むのが青梅線で、これを斜めに横断して右手に進んでいくのが八高線への線路。

JR五日市線 拝島駅付近

拝島駅付近/ 出発すぐに左方向へ向かっていく

五日市線は1駅進むごとに郊外感が増していき、中盤以降は東京都内とは思えないような風景。それほど広くない東京都だが、離島があれば山間部もあり、中々バリュエーションに富んでいる。沿線はレジャー施設が多いからだろうか、沿線住民というよりは学生のグループなどが多く、列車はそれなりに混雑している。

JR五日市線 下り列車の車窓

JR五日市線/ 徐々に標高を上げていく

全線で所要時間は20分に満たず、武蔵増戸(むさしますこ)駅を出るとあっという間に終点の武蔵五日市駅。1996年に高架化されたそうで、山間に突然高架駅が現れるから割とインパクトがある。

JR五日市線 武蔵五日市駅の駅舎

武蔵五日市駅/ 1996年に高架化された

線路はここで行き止まりになっているから、ここから先は路線バスに乗換えて福生駅、そこから青梅線に乗って終点、奥多摩駅へ向かう。この日の駅前はレジャー施設に向かう路線バスを待つ観光客でごった返していた。

JR五日市線 武蔵五日市駅の駅舎

武蔵五日市駅/ 駅構内は多くの人で混み合っていた

この辺りの路線は行き止まりになっているところが多く、中々旅程を組むのに苦労する。ただ、幸いそれぞれの路線は長くなく、本数もそれなりに多いから、その意味では難易度そのものはそれほど高くないとも言える。

というお話。