日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【搭乗記】JTA/NU0053(福岡/沖縄那覇)


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便名 : JTA/NU0053
日付 : 2024/07/xx
機材 : B737-800(73H/V35)
区間 : 福岡(FUK)09:30→沖縄那覇(OKA)11:15
所要時間 : 01:45
区間マイル : 537
搭乗クラス : 普通席
運航 : JTA(日本トランスオーシャン航空)

大阪伊丹空港から始発便で福岡空港へ到着。同空港では約1時間の待ち合わせののち、沖縄那覇行きの飛行機へ乗継ぎ。尤も、ただ大阪から沖縄へ向かいたいだけであれば伊丹空港からも関西空港からも直行便は出ているのだが、何に活きてくるか分からないLife Status ポイントを取り敢えず貯めておこうか、という思惑がある。

(ここまでの移動はこちら)

biketourist.hatenablog.com

次に搭乗する便の搭乗口はターミナル南端の12番で、JALサクララウンジからは少し離れた場所にある。福岡空港はクレジットカード会員用のラウンジもかなり快適だから、今回はオープンスポット行きの搭乗口(80番台)の入口脇にある「ラウンジTIME」で時間を潰すことに。

(福岡空港のカードラウンジについてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

このラウンジはアルコール(1本)かソフトドリンク(フリードリンク)の選択制で、今回はソフトドリンクを選択。誘導路に接するように設置されている窓際席に陣取ると、伊丹空港を先に出発し、途中で追い抜いたANA WINGSのプロペラ機が目の前を横切っていった。いくらプロペラ機の中では足の速いQ400とはいえ、300マイル近く距離があるとジェット機には敵わない。

福岡空港 カードラウンジからANAのDHC8-Q400

福岡空港/伊丹空港は先発していたが、上空で追い抜いた

都合20分ほどラウンジに滞在したのち、搭乗口へ移動。12番はターミナルの突き当たりにある搭乗口で、最も近いラウンジからでも徒歩5分強を要する。同じ搭乗口番号の改札口が3箇所存在するのが特徴で、場合によっては同時に異なる会社の2つ以上の便が改札されることも。

福岡空港 12番搭乗口の電光掲示板

福岡空港/12番搭乗口は改札口が3箇所

そういえば、搭乗口へ向かうコンコースにはちょっと攻めたネーミングの農機具の広告が掲出されていた。いかにも地方の広告らしい絵柄だが、このような商品、当事者には何らかの許可を取っているものなんだろうか。

福岡空港 コンコースの電照広告

福岡空港/怪しげな農機具の広告

さて、この便は予約の段階から機体前方から中央にかけてかなり混雑していて、その時点で空席の多かった機体後方の窓側座席を指定。JALグループの国内線ではごく標準的な形状の座席だが、こうして見ると前便のE190型機とは形が異なっているのがお分かりになるだろうか。

JTA53便 B737-800の普通席

JTA53便/SKY NEXTタイプの普通席

何だかんだこの日は搭乗率が高かったようで、じきに隣席にも乗客がやって来て、ほぼほぼ満席状態で出発。前便の福岡空港到着時と同様、滑走路北側から南方向への離陸で、先行機の離陸と着陸機を待ってから滑走路に入り、09:50過ぎに離陸滑走を開始。

JTA53便 福岡空港の滑走路

福岡空港(09:52)/滑走路1本を限界まで活用した運用

離陸から1分ちょっとで見えてくるのが九州自動車道太宰府インターチェンジ福岡都市高速太宰府線と接続していて、北九州を除く九州各方面から福岡へ向かう高速バスが都市高速へ乗換えるのがこのインターチェンジ。このタイミングでも料金所から本線に向けて高速バスが走っているのが見える。

JTA53便 福岡県筑紫野市付近 九州道太宰府インターチェンジ

太宰府IC上空(09:54)/ここから鳥栖JCTまでが九州の高速道路の要

上昇するにつれて雲が増え、真下の風景はあまりよく見えなくなってきたが、遠方に目をやるといくらか山があるのが見えた。おそらくこれが大分県、大分空港のある国東(くにさき)半島で、現在地から100km以上先の風景が見えているということになる。

JTA53便 大分県国東半島方面

国東半島方面(10:00)/100km以上先の山々が見えた

しばらく雲の上を飛んでいくと、ふと雲が切れたタイミングで見えてきたのが熊本県人吉市。2020年7月の豪雨災害でJR肥薩線くま川鉄道ともに甚大な被害を受け、2024年8月に至るまで不通の状態が続いている。このうちくま川鉄道については2025年度中の再開を目指しているとのことだが、JR肥薩線についてはどうなるだろうか。

JTA53便 熊本県人吉市付近

熊本県人吉市付近(10:08)/ここ数年災害に見舞われがちな地域

福岡空港離陸から約20分ほどで本土最南端の鹿児島県に到達。この日は雲がかかってしまって全貌は確認できなかったが、雲がなければ進行方向左手下方に桜島が見えてくるはず。ご存知の通り、桜島は比較的頻繁に噴火しているから、タイミングによっては噴煙の上がっている様を望むことができるかもしれない。

JTA53便 鹿児島県鹿児島市 桜島上空

桜島上空(10:13)/あいにく雲に覆われていた

飛行機は薩摩半島の上空を飛んでいき、枕崎市付近から海上へ。程なくすると左手には屋久島と種子島が見えてくる。手前の起伏に富んだ島が屋久島で、奥の相対的に平べったい島が種子島。どちらも本土からの航空便があるほか、鹿児島市内と両島を結ぶフェリー•高速船も就航している。

JTA53便 鹿児島県種子島•屋久島上空

種子島屋久島上空(10:23)/「ひと月に35日雨が降る」屋久

種子島屋久島を通過してから約20分ほどすると奄美大島付近を通過。ここが鹿児島本土と沖縄本島のちょうど中間地点に相当する。

奄美大島の人口は日本の離島では沖縄本島に次いで多く、面積は佐渡島に次ぐ大きさで日本第5位。海岸線の総延長は400kmを超えていて、割と大きいイメージのある宮古島と比べて約3倍の長さがあると言えば規模感が把握しやすいだろうか。

JTA53便 鹿児島県奄美群島

奄美大島(10:41)/この辺りが鹿児島と那覇の中間地点

奄美大島を通過すると約10分ほどで与論島付近まで到達。もう沖縄本島の最北端は目と鼻の先といった場所にあるが、ここまでは鹿児島県に属している。ただ、その位置関係ゆえ、航空路線としては鹿児島空港(1往復/日)よりも那覇空港(2.5往復/日)の方が便数が多いのが特徴。

那覇発着の便が往復で便数が異なるのは、JAC(日本エアコミューター)運航便が所謂「三角飛び」をしているからで、往路は奄美大島から与論、与論から沖縄那覇と飛ぶのに対し、復路は沖縄那覇からダイレクトに奄美大島へ飛ぶことによるもの。それにしても、1つの路線をRAC(琉球エアコミューター)とJACが飛ぶというのは全国でもここくらいじゃないだろうか。

JTA53便 鹿児島県与論島付近

与論島付近(10:52)/引くと右手には沖縄本島が見えている

与論島を通過して2分ほどで沖縄本島の最北端、山原(やんばる)半島の辺戸岬に到達。ここは那覇市街地から約120kmの距離があり、沖縄本島の中では最もアクセスが悪い地域のひとつ。那覇から美ら海水族館のある名護市を経てひたすら北上していくと、約2時間ほどで割と整備された展望台に辿り着く。

JTA53便 沖縄県辺戸岬付近

辺戸岬付近(10:54)/ここから那覇は120kmほど

飛行機は沖縄本島の西側を降下していくと、進行方向左手には本部半島と、そこから橋が架かっている古宇利島が現れる。そのまま飛んでいくと、飛行機のほぼ真下辺りに美ら海水族館のある海洋博公園(国営沖縄記念公園)なんかも見えてくる。

JTA53便 沖縄県古宇利島付近

古宇利島付近(10:57)/「ハートロック」などが有名な島

大きく西側に張り出している本部半島から橋で繋がっているのが瀬底島。本島と接続されたのは昭和60年のことだそうで、割と最近の話(といっても40年近く前の話だが)。それまでは渡し船か何かで連絡していたんだろうか。

JTA53便 沖縄県名護市付近

名護市付近(10:58)/「美ら海水族館」を通過した直後

この日は那覇空港に北側から着陸するルートだったのだが、着陸間近に進行方向左手に現れる大きな空港は米軍の嘉手納基地。那覇空港とは約30kmほどしか離れていないが、那覇空港悪天候で着陸できない場合の代替飛行場に設定されている場合もあり、例えば2024年6月には3機の民間機が同基地へ臨時着陸している。

ただ、一旦着陸してしまうと再出発はかなり煩雑な手続が必要になるようで、便によっては再出発までに12時間弱を要したケースもあったとか。窓のシェードを上げることもできず、外の状況もわからない機内で12時間も待機するというのは中々大変そうな。

JTA53便 嘉手納基地付近

嘉手納付近(11:04)/悪天候時など民間機が臨時着陸することも

この日は天気も良く、海側のB滑走路に問題なく着陸。那覇空港はターミナル側のA滑走路を離陸、B滑走路を着陸に使用することが多く、着陸から駐機場までは約5分ほどを要する。ただ、以前のように滑走路1本だった時代は離陸にも着陸にも時間を要することが多かったから、滑走路が増設されてかなりスムーズになった。

搭乗当時、本土はまだ梅雨の真っ最中だったが、沖縄は梅雨入りも早ければ梅雨明けも早く、6月中に一足先に梅雨明けしている状況。駐機場には影一つなく、沖縄らしい強い陽射しが燦々と照りつけていた。

JTA53便 那覇空港

那覇空港(11:17)/ほぼ定刻通りに到着

那覇空港では40分の待ち合わせで宮古空港行きの便へ乗継ぎ。最低乗継時間(MCT)は十分満たしているとはいえ、この旅程の中ではタイト目の乗継ぎで少しひやひやしたが、定刻通り到着したおかげで無事間に合うことができた。

というお話。