便名 : 便名なし
日付 : 2024/06/xx
区間 : 羽田空港第3ターミナル(14:30)→箱根桃源台(17:07)
所要時間 : 02:37
乗車クラス : 普通席(座席定員制)
運賃 : 2,600円(クレジットカード決済)
運行 : 小田急ハイウェイバス
翌朝に神奈川県内で予定があり、面倒なので前泊で向かうことに。現地までは少し遠回りになるが、今まで乗車したことのなかった、羽田空港と御殿場•箱根を結ぶ路線を利用する。
(事業者公式サイトはこちら)
この路線は小田急ハイウェイバスと京浜急行バスの共同運行路線で、従前は各社が1往復ずつ運行していたが、京浜急行バスの人員不足の影響もあって現在は小田急ハイウェイバスの担当便のみ、1日1往復のみの運行。御殿場(箱根)から羽田空港にやって来た車がそのまま折り返すような格好で走っている。
今回の路線は第3ターミナル7番乗り場からの出発で、ターミナル2階の自動券売機で乗車券を購入してバス停へ向かう。出発10分ちょっと前に乗車券を買った段階では十分な空席があり、とりあえず一安心。
余談ながら、第3ターミナルは乗り場でバスを待っていると待機場から続々とバスが出てくるのが見える。白とオレンジの塗装がお馴染みの東京空港交通はよくよく見ると近年のうちに塗装が簡素化されていて、バス停に着ける前に路上で待機している2台の車では塗り分けが変わっているのがわかる。
この路線は路線総延長130km超の割に運賃は比較的低廉に抑えられていて、全区間乗り通しても2,600円で、20km/円。新宿から箱根桃源台までの運賃と比較すると400円程度の差で、走行距離は同程度ながら空港バスと通常の高速バスで運賃に比較的大きな開きがある*1東京から北関東(群馬)を結ぶ路線とは対照的な価格設定。
(その高崎-羽田空港路線についてはこちら)
biketourist.hatenablog.comこちらの路線は直行せず、あちこち寄りながら走るから直線距離と走行距離にいくらか開きがある点を考慮しても、この運賃単価は一般の高速バスの中でも安価な部類。
乗車した際、出入口の脇に設置されたラックに箱根エリアの観光案内や紙の時刻表などがストックされているところを見ると、観光に特化した路線という様子が感じられる。なお、バスは一般的な2列+2列で後部化粧室、補助席付きの座席配列。
第3ターミナルでは1人で数個のスーツケースを持つ乗客などがいて、人数の割にトランクが埋まって出発。あまり便利な時間ではないから空いているのかと思いきや、羽田空港内の各バス停ごとに片手では収まらない程度の乗客が乗り込んだ。
第3ターミナルから第2ターミナルへの道中では右手に駐機場が見える。ワンワールド系列のFINNAIRにANAグループの車が接続しているが、機内食はANAグループが調製しているんだろうか。
バスはそれほど特徴的な設備は見当たらないが、比較的新しい車両ということもあってUSB電源は壁面に設置されているほか、緊急ブレーキシステムのボタンが車両前方の荷物棚に設置されていた。
羽田空港を出発するとそのまま目的地へ向かう路線が多いが、こちらの路線は途中横浜駅東口に寄り道。以前乗車した、新木場駅と三島地区を結ぶ「三島羽田シャトル」と同じようなルートを進むこともあり、途中で伊豆箱根バスが運行する件のバスを追い越した。
「三島羽田シャトル」は全体的に首都圏側に余裕を持ち過ぎていて、始発(新木場駅)から乗車すると待ち時間が長すぎる印象を受けた。羽田空港から横浜駅の区間だけ切り取っても、こちらは30分で設定している一方、向こうは40分で設定しているから、他路線の所要時間くらいまでは詰めても良い気がする。
(その「三島羽田シャトル」はこちら)
本牧ジャンクションで首都高速神奈川3号狩場線、石川町ジャンクションから同神奈川1号横羽線と走ってみなとみらい出口から一般道というのは羽田空港とYCATを結ぶ路線と同経路だが、みなとみらい大通りからすずかけ通りと進む同路線に対し、こちらは帷子川を渡って左折左折でバスターミナルへ向かうという違いがあった。
(羽田空港とYCATを結ぶ路線についてはこちら)
なお、横浜駅ではYCATではなく、東京湾アクアライン系統の高速バスなんかが発着する横浜駅東口バスターミナルに到着。殆ど同じような位置にあるが、乗り場への入口は違うところにあるので間違えないように注意。
(同じバス停に発着するアクアライン系統のバスはこちら)
横浜駅東口から東名高速道路までのルートは「三島羽田シャトル」と同じ首都高速、横浜新道、保土ヶ谷バイパス経由のルート。この辺りは昼夜共に交通量が多いこともあり、流れに合わせた速度で無理をしない走りをしていて安心感がある。
高速道路上には東名秦野、東名大井、東名松田、東名山北、東名小山、東名足柄の6停留所があるが、いずれも降車客はなく本線上を通過。山間部に入ると進行方向右手に富士山が見えてきて、程なくして到達する御殿場インターで一般道に下りた。
バスは16:30少し前に「御殿場インター前」バス停に到着。他の路線は東名御殿場バス停に停車するが、今回の羽田空港•横浜駅発着の路線については「御殿場インター前」として小田急ハイウェイバスの御殿場営業所内に発着する。ここで数名が下車していった。
このとき洗車場には復刻塗装のエアロエースが停車中。他にも同社の高速バスはロマンスカー「GSE」塗装なんかも在籍している模様。今回はごく普通の塗装のバスだったが、別の機会に羽田空港で見かけたことがあったような。
(ロマンスカー「GSE」についてはこちら)
バスは御殿場インターを出ると一旦JR御殿場駅前へ向かい、その後同じ道を引き返してきて箱根方面へ向かう。ちなみに近隣には土休日にはものすごい混雑をすることで知られる静岡ローカルのレストラン「さわやか」の店舗なんかも出店している。
続けて16:35頃にJR御殿場駅前の「御殿場駅(箱根乙女口)」バス停に到着。先の「御殿場インター前」バス停は帝国よりも5分ちょっと早い到着だったのだが、駅までの間に余裕時分を食い潰したようでここで定時に戻った。
この乙女口は2019年に供用開始したばかりのまだ新しい駅前ロータリーの模様。駅前一等地には2024年3月にオープンしたばかりでまだ真新しさのある東横INNの店舗があり、存在感を放っている。ちなみに右手に見える茶色のモニュメントはウイスキー用の大型蒸留器で、近隣の工場で実際に使用されていたものだとか。
御殿場駅を出発すると国道138号線、その後神奈川県道75号線のルート。先の「三島羽田シャトル」は余裕を持ち過ぎていたが、こちらの路線の御殿場到着以後はタイトすぎて通常通り走っているにも関わらず徐々に遅延が拡大していった。
結果、終点の箱根桃源台(芦ノ湖)に到着に到着したのは定刻5分遅れの17:12頃。もちろん、5分遅れたところで多勢に影響はないのだが、参考までに。
バス停は箱根ロープウェイの桃源台駅前にあるが、到着したタイミングではすでに最終の乗車受付(2月から11月までは16:45)が終了しており、ここからの移動手段はバスのみ。今回の羽田空港線以外には、ここから強羅駅、小田原駅(箱根湯本駅経由)、バスタ新宿行きなどが発着している。
この日は小田原に宿を取ったので、小田原行きのバスを選択。山間部を走る路線の割に便数は豊富で、時間あたり3-4本が運行されている。にも関わらず直近のバスは始発の当バス停の時点で全ての座席が埋まっていたから、1台見送って次の便に乗り込んだ。
桃源台から小田原駅まではちょうど1時間程度。山道を走り慣れているせいだろうか、えらく速いスピードで山を下りていくものだから、携帯電話をいじっていた訳でもないのに珍しく車酔いしてしまった。
ともあれ、羽田空港から御殿場•箱根まで安価に、ダイレクトに移動できる貴重な移動手段なので、時間が合えば静岡県東部方面への移動の際には利用するのも良いかもしれない。
というお話。