便名 : 便名なし
日付 : 2022/12/xx
区間 : 若松渡船場(11:03)→戸畑渡船場(11:06)
所要時間 : 00:03
乗車クラス : 普通席
運賃 : 100円(現金決済)
運行 : 北九州市
博多駅から折尾駅を経由し、若松駅までやって来た。ここからは来た道をただ戻るというのも面白みに欠ける訳で、駅近くから出ている渡し船に乗って対岸の戸畑を目指すことに。
(ここまでの移動はこちら)
今回利用するのは北九州市営の若戸航路。若松側、戸畑側いずれも若戸大橋のたもとにある渡船場に発着していて、所要時間3分、運賃100円とかなりお手軽な移動手段。
建設当時は東洋一の吊り橋だったという、上空に架かる真っ赤な若戸大橋はかつて歩道が設置されていたようだが、車道の拡幅により現在では自動車専用道路になっているため、徒歩で対岸に渡る場合にはこの渡船を利用することになる。
(公式サイトはこちら)
JR若松駅から10分ほど歩くと、航路の割に立派な建物の渡船場に到着。この辺りは海沿いということもあり、遮るものが少ないがゆえにえらく風が強かった。なお航路の距離は400m足らずだそうで、対岸にははっきりと渡船場と船の姿が確認できる。
もう少し向こうのほうがこなれているかもしれないが、渡船場は役割が類似する香港のスターフェリーとどことなく通ずる雰囲気。運賃は大人片道100円で、券売機で購入してから乗車するシステム。
ちなみにこの航路、北九州市営ではあるものの北九州市交通局は運航に関与していない*1こともあって、交通系ICカード等は利用できない。尤も、交通系ICカード導入の設備投資で値上げされるのであれば、100円程度なら現金で払ったほうが簡単なような気もする。
渡船には自転車も搭載することができ、追加料金は50円。両岸を往来することのできる若戸大橋、若戸トンネルの2経路はともに歩行者のみならず自転車も利用はできないそうなので、自転車で移動する場合はこの渡船が最も早い経路。陸伝いに行くのであれば折尾方面まで迂回する必要があり、30km近く余計に走ることになることを考えれば、150円というのは造作もない支出。
なお、公共交通機関で若松を訪れる場合、ここまで乗ってきたJR、今回乗車する渡船の他には路線バスの運行があり、若松駅前(バス停名は「若松市民会館前」)から約15分で戸畑駅まで、もしくは「大橋通り」バス停から小倉駅まで同じく約15分ほどでアクセスすることができる。
自治体の事業ということで、乗り場に掲示されている掲示物は割とお堅めのものが多め。中央上の掲示に「潮流が激しく着岸できない時は戸畑側に引き返し」の記載がある通り、目と鼻の先の距離ではあるものの割と流れは激しい模様。
しばらく外を眺めていると、向こう側から緑色の船がゆっくり近づいて来たが、これが今回乗船する「くき丸」。ごく短距離の船ゆえ速力は約8kt(約15km/h)と抑えめだが、見た目に似合わず?思いの外収容力が高いようで、全長16m、幅5mほどの船には110人乗船することができるのだそう。
(船舶についての詳細はこちら)
余談ながら、船の後ろに映っている「日本水産」はちょうど訪れたタイミングで会社名を「ニッスイ」に変更したそうで、もしかすると今訪れればサインが変わっているかもしれない。このレトロな建物には当時の看板の方が似合っているような気もするが。
しばらくして船が着岸。船が到着するとぽつぽつと乗客が集まってきた。「くき丸」は実用性全振りのデザインで、乗降口はシンプルな銀の両開き扉。
客室はごくシンプルで、公園のベンチのような木製のシートが壁際に数箇所設置されている以外は立席スペース。一見するとどうにも110人は乗れなさそうに見えるのだが、船の定員計算はどうなっているんだろうか。
所要時間3分の航路とあって出発するとすぐに対岸に到着。ややもすると到着してからの接岸作業のほうが時間がかかるのかもしれない。そういえばこの時、桟橋の向かい側にはもう1隻の「第十八わかと丸」が停泊していた。こちらの船の方が幅が1mちょっと広く、20名ちょっと定員が大きい。
運航の拠点はこちらの戸畑側のようで、若松側よりもしっかりした建物になっている。戸畑駅までは一本道だが400mほど離れているので、この辺りは住宅街といった感じの街並み。少し東に進むと「戸畑渡場」というバス停があり、小倉駅方面へバスで向かうこともできそう。
この日は前述のバスには乗らず、5分ちょっと歩いてJR戸畑駅へ移動した。若松側で船を待っていた時には青空が覗いていたが、戸畑側に着いた頃には風が強くなり、雪も舞い出すなど、かなり安定しないお天気模様。
そういえばこの時点では朝よりも列車の遅延が拡大しており、特急「ソニック」は運行されているものの普通列車は壊滅状態。あまりに普通列車がやって来ないから、小倉までは特急列車に特急券不要で乗車できる扱いがなされ、超満員の特急列車で小倉駅へ向かった。
というお話。