日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【球場探訪】01.エスコンフィールドHOKKAIDO


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訪問日 : 2023/05/xx
正式名 : エスコンフィールドHOKKAIDO(北海道ボールパークFビレッジ内)
愛称 : 同上
開場 : 2023/03

2023年シーズンに札幌市内にある札幌ドームから移転する形で北広島市に開場した北海道日本ハムファイターズの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」。「エスコン」というとどこの会社か分かりづらいが、2021年に中部電力の子会社となった不動産開発の会社なんだとか。

(球場公式サイトはこちら)

www.hkdballpark.com

■ 地図情報

エスコンフィールド北海道 球場外観

球場外観/ 球場だけではなく、街を造っている

球場へのアクセスは主にJR新札幌駅北広島駅からのシャトルバスか、北広島駅からの徒歩。今回は北広島駅から徒歩でやってきたが、この場合はセンターバックスクリーン裏くらいにたどり着く。ここから時計回りに球場外周を回り、階段を上ると1塁側内野入口の「Coca-Cola GATE」がある。ちなみにシャトルバス乗り場はこのゲートの目の前。

(球場アクセスについてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

biketourist.hatenablog.com

チケットは電子化されていて、自前の端末の画面にQRコードを表示して入場。入ったところにはラスベガスにあるような巨大なコカコーラのボトルがディスプレイされている。

エスコンフィールド北海道 球場エントランス

球場エントランス/ 巨大なボトルがお出迎え

ゲートを抜けるとコンコースがあり、これが1塁側内野席の中段くらい高さ。コンコースと客席の間には柵がなく、通路からも試合の様子が見えやすくなっている。センター後方は。ガラスカーテンウォールになっていて、メジャーリーグの球場のような雰囲気。

エスコンフィールド北海道 エントランスからグラウンド

1塁側内野席/ 屋内球場とは思えない開放感

余談だが、訪問に際しチケットの販売状況を甘く見ていたせいで選べる席が殆どなく、球団公式のチケットリセール(再販売)で内野バックネット裏高いところの席を確保した。ここ数年で野球のチケットの値段は割に高騰している印象があるが、この日は3,000円台で納得できる水準。

試合が見やすいように最前列の座席を確保してみたが、割と手すりが高く、最前列のメリットは思ったほどないな、という印象。ただ、座席の前後左右は他の球場よりスペースに余裕があり、席の出入りもそれほど苦労しなかった。

球場内には北海道ということもあり海鮮を含めた飲食店が多数入っているが、試合が始まってなお各店舗には長蛇の列が形成されていたこともあり断念。この日はデイゲームだったが、一部店舗は試合終了後も21時まで営業しているので、試合後に食事するというのでも良いかもしれない。

エスコンフィールド北海道 バックネットからグラウンド

内野バックネット裏/ ビジョンは両サイドに1基ずつ

各球場ごとに中継ぎ投手が登板する際の登場方法は様々だが、同球場のリリーフカーは農機具メーカー「Kubota」のトラクター。この手の車両は比較的速度が遅いイメージがあるが、思いの外素早い動きをする。

エスコンフィールド北海道 リリーフカー

エスコン北海道/ Kubotaのトラクターがリリーフカー

1塁側、3塁側ともに、内野席コンコース上には大きな液晶が設置されている。表示設備の進歩により、球場観戦時の情報量が大きく増加したような気がする。

エスコンフィールド北海道 電光掲示板

電光掲示板はかなりの大きさ

試合は一通り席についたまま観戦していたが、試合終了後に球場内を散策してみた。近頃は同球場に限らず、試合が終わってすぐに退出しなくても良い球場が増えてきたのは以前と変わってきたところ。同球場に関して言えば、何なら試合のない日も球場を訪れて楽しめるように運営がされているというのがユニークなポイント。

3塁側にはテラスのような場所があり、ちょっとした展望台のようになっている。また、人工芝が貼られているエリアもあるので、ここで子供が転がっている姿も見られた。

エスコンフィールド北海道 屋外広場

エスコン北海道/ 北海道らしい開放感

ブルペンは1塁側、3塁側ともに客席に面して設置されていて、座席によっては座ったままでブルペンの様子が見えるような配置になっている。西武ドームなんかも似たような構造だったかと思うが、これほどプロ野球選手の投球練習を間近で見られるというのも貴重な体験。

エスコンフィールド北海道 ブルペン

ブルペン/ 球場内のエスカレーターからも見える

ブルペンに最も近い座席からはこのような見た目。公式サイトからチケットを購入すると、特定の座席を指定できるようになっているので、あえてブルペンに近い座席を選択するというのも楽しいかもしれない。

エスコンフィールド北海道 エスカレーターからブルペン

ブルペン/ プロ野球選手の投球をこの距離で見られる機会は多くない

そのブルペンの上の方には「TOWER11」という小さな建物がある。ここには温浴施設「tower eleven onsen & sauna」や宿泊施設「tower eleven hotel」があり、球場の中に宿泊しながら野球観戦ができるという日本国内では例を見ない施設。全12部屋しかないため、日程に合わせて宿泊手配をするというのは殆ど困難なように思われる。

エスコンフィールド北海道 温浴施設

エスコン北海道/ 球場内に温浴施設がある

外野席からの眺望は以下のような見え方。野球専用の球場として建設されたということもあり、球場を一周しながら各座席を見て回った時に、どこの座席からでも見やすく造られているな、という印象を強く受けた。ちなみに屋根は可動式になっていて、約20分ほどで開閉することができるのだそう。

エスコンフィールド北海道 レフトスタンドからグラウンド方向

エスコン北海道/ どこから見ても全体が俯瞰できる座席配置

試合後に球場から出て外周を一回りした際の写真が以下の通り。写真左側に写っている白い大きな構造物が屋根を支えるレールで、屋根を開ける際にはここを屋根が走っていくイメージ。開場当初は閉じたまま試合をしていたが、7月以降徐々に開けて試合をする機会が増えてきた。

エスコンフィールド北海道 球場外観

球場外観/ 白い構造物が屋根を動かすためのレール

上述の宿泊、温浴施設が入っている建物が「TOWER11」。11というと日本ハムではダルビッシュ、大谷と大エースの背番号。2人とも長身だったこともあり、これをモチーフにした、ということだろうか。

エスコンフィールド北海道 Tower11

Tower11/ メジャーリーグで活躍する2人の背番号がモチーフ

階段を上っていくと、温浴施設の入口がある。試合日は試合終了まで4,000円、試合終了後から21:00までは2,500円の料金設定。画面越しではなく目の前で野球を見ながら温泉に浸かるというのもそうそうあるものではないから、一度利用してみるのも面白い。

エスコンフィールド北海道 温浴施設入口

温浴施設入口/ 試合終了後は料金が安くなる

センターのバックスクリーンは多くの球場で電光掲示板になっているが、この球場では店舗が立地していて、店舗の屋上部分にはルーフトップバーが開設されている。2000年代以降に開設された国内の球場はボールパーク化が進んでいるとはいえ、こんな自由な座席配置は他に例を見ない。

エスコンフィールド北海道 外野(センター)の商業施設群

エスコン北海道/ バックスクリーンが飲食店になっている

試合終了後もグラウンドの内野側では各種イベントが実施されている一方で、外野ではグラウンドのメンテナンスを実施中。寒い北海道で総天然芝の球場となると中々メンテナンスも大変そうだというのは想像に難くない。

エスコンフィールド北海道 グラウンド方向

エスコン北海道/ 試合終了後にはグラウンドの補修が始まる

親会社は飲食業と密接に関わっているにも関わらず、札幌ドーム時代は自社製品の販売すらままならない状況だったと聞くが、新球場では自社運営の飲食店が開設されている。日本ハムにしてみればこれだけでも移転した意義があったと言えるのかもしれない。

エスコンフィールド北海道 日本ハムのレストラン

エスコン北海道/ ようやく自社運営のレストランができた

球場内にはいくつか記念写真スポットがあり、例えば野球ゲームでお馴染みのKONAMIが写真台を設置している。右側の「パワプロ君」は分かりやすいが、左側のキャラクターは何者だろうか。

エスコンフィールド北海道 球場内の記念写真スポット

エスコン北海道/ 見慣れた野球ゲームのキャラクター

約30分ほどかけて球場を散策し、1塁側に戻ってくると1周。この時点で試合終了から1時間ほど経過していたと思うが、グラウンドではまだイベントが開催されていた。

エスコンフィールド北海道 内野低層階からグラウンド

内野1塁側/ 内野と外野の境はなく、歩いて1周できる

その後1周目で見切れなかった部分を見て回ると、「DIAMOND CLUB LOUNDGE」なる施設を見つけた。こちらはご覧の通りANAがスポンサーのようで、空港で見るような制服の従業員をちらほら見かけた。

エスコンフィールド北海道 ANA運営のラウンジ

エスコン北海道/ ANAが運営を担当している

「Coca-Cola GATE」のフロアから一つ下の階へ移動するにはエスカレーターを利用するのだが、ここにはチームが優勝した年度のペナントがディスプレイされている。スペースにはまだ余裕がありそうで、今後優勝した際にはここに並んでいくだろうか。

エスコンフィールド北海道 ペナント

エスコン北海道/ 優勝年のペナントが並んでいる

そんなこんなで満喫し、球場を後にした。ちなみに線路側の3塁側ゲート前には「HOKKAIDO」のモニュメントが設置されていて、記念撮影をする観客で賑わっていた。「I」がバットになっているのが野球場らしい。

エスコンフィールド北海道 球場外観

球場外観/ 写真スポットとして活用されている

今回はこの球場を訪れるためだけに1泊2日で札幌へやって来たわけだが、それだけの価値は十分にあった。惜しむらくは球場内の飲食店や各種施設が混みすぎていたことで、少し観客数の落ち着いた頃に改めて訪れてみたいところ。

開場前は札幌市内から遠いだなんだと言われていたが、蓋を開けてみれば2023年9月時点で平均観客数は26,000人だそうで、札幌ドーム時代でCOVID-19感染拡大前だった2019年とほぼ同程度に推移している。今のところ本拠地移転は成功していると見て間違いなさそうな。

というお話。