便名 : 不明
日付 : 2022/08/xx
区間 : 枇杷島(08:22)→勝川(08:39)
乗車クラス : 普通席(全席自由)
名鉄で名古屋までやって来て、長良川鉄道の始発駅、岐阜県の美濃太田駅へ向かっているところ。
(ここまでの移動はこちら)
名古屋から美濃太田へは東海道本線で岐阜、そこから高山本線のルートか、中央線で多治見、太多(たいた)線のルートが考えられるが、どちらも安直で面白くない。もう一捻り加えてみようということで、東海道本線の普通列車を1駅目の枇杷島(びわじま)駅で下車し、ここから東海交通事業城北線(以下、城北線)という路線で中央線の勝川(かちがわ)駅へ向かう。
乗換えの枇杷島駅は東海道本線と城北線が1つずつホームを有しているが、城北線は交通系ICカードが利用できないため、一度改札を抜けて自動券売機できっぷを購入する必要がある。ちなみに、改札外にある自動券売機はきっぷの購入に交通系ICカードが使用できるため、間接的にではあるが交通系ICカードを使用することは可能。
名古屋駅から1つ目の割と都心よりから発着する路線にも関わらず、車両はディーゼル車1両編成で郊外のローカル線然とした雰囲気。まもなく列車の発車時刻のはずだが、乗客は既に乗り込んでいるようで駅構内には乗客の姿が見当たらない。
この東海交通事業という会社、JR東海の100%子会社のようで車両は概ねJR東海の車両と似たようなデザイン。ちなみにこちらの路線のほか、JR東海管内のおよそ半分弱の駅業務もこちらの会社が受託しているのだとか。その方がコストが安いんだろうか。
列車は間もなく出発し、枇杷島駅を出発するとすぐ東海道線を乗り越えて高架橋に入った。この路線、電化はされていない一方で、複線高架の比較的高規格な線路が何ともシュール。
列車は途中尾張星の宮、小田井、比良、味美に停車して勝川に向かう。このうち小田井(おたい)駅、味美(あじよし)駅は頑張れば他路線へ乗換えができるものの、前者は約600m、後者は約700mあって乗換えの実用性には乏しいところがこの路線の残念ポイント。
なお、この列車、各駅で降車の際には運転席脇にある運賃箱にきっぷか運賃を投入する路線バス方式。時々精算に手間取る乗客がいてもほぼ定時運行だったところを見るに、ダイヤは大分余裕があるんだろうか。
ともあれ、出発から約17分で終点の勝川駅に到着するが、こちらの駅はロータリーなんてものもなく、住宅街のど真ん中にポツンと駅があるのみ。今回はここでJR中央線に乗換えるのだが、JR駅とは約600mの距離があり、同じ「勝川」を名乗っているもののもはや同じ駅と言えない雰囲気がある。冒頭にも記した通り、城北線の運営主体の東海交通事業はJR東海グループの会社なだけにちょっと勿体ない。
余談だが、当初ルートを計画する際、「乗換案内」のアプリで検索したとき、JR中央線の勝川駅を20分後に発車する列車が提示された。これはどういうことだと思っていたのだが、実際歩いてみると、たしかにこれを数分で乗り換えるのは厳しいというか、殆ど困難。加えて大半の区間は屋根もないから、雨の日はかなり大変そう。
ちなみに、しばらく歩いて辿り着いたJR中央線勝川駅のホームには城北線が乗入れるスペースが用意されていたのだが、現状、JRの高架橋と城北線の高架橋が同じ高さで、大工事をして立体交差でもしない限り中央線勝川駅への乗入れはできなさそうに見える。過去のしがらみの結果だとは聞くが、もはや乗入れは断念してしまったんだろうか。
そんな訳で、始発の枇杷島駅を除き、他線への乗換えには全く不向きな城北線。もう少し手を加えれば劇的に利便性が向上しそうなものだが、そうなっていないのが面白いというか、残念というか。この残念ぶりを体感しに利用してみるのも良いかもしれない。
というお話。