便名 : 便名なし
日付 : 2025/02/xx
区間 : 垂水港(06:56)→鹿児島空港(08:29)
所要時間 : 01:33
乗車クラス : 普通席
運賃 : 1,620円(現金決済)
運行 : 鹿児島交通
前夜より「フェアフィールド•バイ•マリオット 鹿児島たるみず桜島」に宿泊していて、翌朝は2025年3月末で休止が予定されている鹿児島空港と枕崎とを結ぶ路線に乗車する予定。ホテルから鹿児島空港までは路線バスで向かう。
(別日の記事だが、宿泊先についてはこちら)
ホテルのある「道の駅 たるみずはまびら」から垂水港までは1本道で約2kmの道のり。ホテル前には「浜平温泉前」のバス停があり、今回乗車するバスに接続する06:38発のバスが設定されているが、ここ最近は運動不足だったこともあって徒歩で向かうことに。歩くこと25分ほどで無事バス乗り場に到着。
バス停に着くとちょうど鴨池港を06:00に出発するフェリーの始発便が垂水港へ到着したところで、思った以上に沢山の利用者がターミナルから出てきた。鹿児島は通勤通学の足に航路が活躍しているが、どうやら需要は鹿児島市内への一方向ではなく、大隅半島方向への通勤も一定数存在するらしい。
船が到着したのは06:40頃だったが、10分後の06:50には再び鴨池港に向けて出発するため息つく暇もなくすぐに車両の搭載作業がスタート。その中にはバスごとフェリーに乗り込むのが特徴の、鹿屋と鹿児島市内とを結ぶ「大隅半島直行バス」の姿も見られた。見る限り、それなりに乗車率は高そう。
(鹿屋と鹿児島市内とを結ぶ路線についてはこちら)
先に乗用車を搭載し、その後路線バスを含む大型車両を搭載。徒歩利用者もそれなりにいるようで、出発時刻が近くなるとターミナルに向けて走る人が多く見られた。日中はしばしば車両が乗り切らず、出航直前に港に着くと次の便へ廻されることがあるが、この便は全ての車両を積み切ったようで定刻通りに鹿児島市内に向けて出発していった。
フェリーが出発するのとほぼ同時に、乗車する鹿児島空港行きのバスが乗り場に着車して乗車。この路線は所要時間が1時間を超えるが、全線一般道走行で空港連絡の役割も担っているものの路線バス車両での運行。特段荷物置き場のようなものもないから、大荷物だと少し置き場に難儀するかもしれない。
垂水港を出発すると垂水市街地では病院などを経由。その後国道220号線で霧島市に向けて錦江湾沿いを北上していく。進行方向左手前方には桜島があり、タイミングによっては噴火している姿が見られることもあるが、風向きによっては灰が降ってくるので要注意。
また、大隅半島と桜島は大正の大噴火の際に降灰によって陸続きになっていて、桜島口バス停付近では一瞬ながら桜島を走る区間がある。ちなみに、桜島口バス停のほど近くには鹿児島市営バスの「黒神口」バス停があり、本数は少ないながらも市営バスで桜島港方面へ移動することが可能*1。尤も、バス会社を問わなければ今回乗車した垂水港から桜島港へ向かうバス路線もある。
この辺りは桜島が噴火した際に噴石が飛散する可能性があるからだろうか、国道沿いのバス停にはシェルターのような頑丈なバス待合室が設置されている。余談だが、鹿児島交通は中古車の取得に積極的な会社で、ここ暫く路線バスには新車が投入されていない模様。今回乗車したのは元東京都交通局の車両で、座席には銀杏(いちょう)の模様が入っていた。
この辺りではバスの本数が限られるから毎日同じバスに同じ顔ぶれが乗車するようで、時折途中のバス停では乗換案内アプリに表示されている出発時刻を過ぎ、乗降が終了した後も引き続き停車し続けていることも。何かと思って見ているとどこからともなく乗客が現れ、暫くして出発した。いかにも地方の公共交通機関といった感じ。
徐々に乗客が増えてくるのを横目に少しうとうとしていると、定刻08:09着の国分駅に到着したところで半数が降車。バスは若干遅延気味ではあるが、国分駅まで歩いていくと08:15に発車する鹿児島中央行きの普通列車に乗換えられるようになっている。ただ、列車が鹿児島中央へ着くのは08:57なので、一般の事業会社の通勤とすると少し遅めだろうか。尤も、垂水から鹿児島市内へ向かうのであれば冒頭のフェリーに乗れば8時前には鴨池港に着いている。
ともあれ、国分駅を出ると駅周辺の市街地内にあるバス停で更に数人がバスを降り、10名ちょっとが終点の鹿児島空港へ向かう。国分駅から空港までの道中にそれほど露骨に渋滞している場所はなかったが、信号のかかり具合なんかも影響して一時は最大15分ほど遅延し、いくらか回復して終点の鹿児島空港には08:40頃到着。
鹿児島県内の路線バスは総じて全国共通の交通系ICカード(いわゆる「10カード」)が利用できないのだが、鹿児島ローカルの「いわさきICカード」と「Rapica」は共に自宅に忘れてきてしまい、運賃は現金で支払った。どうやら現在搭載されている運賃箱は新紙幣の両替もできないようだが、これは今後もそのままなんだろうか。
ちなみに鹿児島空港から川内(仙台)、出水、水俣方面などに路線を持つ南国交通の路線バスの多くはクレジットカードのタッチ決済が利用できるようになっているが、鹿児島交通でこれに対応しているのは鹿児島市内へ向かう空港連絡バスのみ。こういった決済廻りと車両の更新方法*2なんかには両社でスタンスの差が出ている。
この運転士不足の状況、減便や休止が相次いでいる中で路線が存続していることはありがたいが、もともと都営バスとして東京都心のごく短距離の乗車を前提にしている、どちらかといえば乗り心地よりも収容力を重視した車両が長時間走っているから、乗り心地は中々シビア。空港連絡バスというよりは、あくまで市中の路線バスが空港まで走っている、という認識の方が適切か。
というお話。