便名 : 便名なし
日付 : 2025/02/xx
区間 : 鹿児島空港(09:10)→枕崎(10:55)
所要時間 : 01:45
乗車クラス : 普通席(座席定員制)
運賃 : 2,500円(クレジットカード決済)
運行 : 鹿児島交通
垂水港から路線バスで鹿児島空港までやってきて、ここからは薩摩半島の南端、枕崎まで向かう。ちなみにこの路線、運転士不足によって2025年3月末限りで休止が決まっている。
(ここまでの移動はこちら)
常々触れている通り、何につけ決済手段がガラパゴス化している鹿児島県だが、鹿児島空港のバス乗り場にある自動券売機はクレジットカード決済に対応している。ちなみに鹿児島空港から鹿児島市内へ向かうバスは共同運行にも関わらず、会社によって割引制度が異なっていて*1、この点はややこしいことこの上ない。

鹿児島空港のバス乗り場は6番から10番までの5箇所で、そのうち枕崎行きのバスは福岡行き高速バス「桜島号」と同じ6番乗り場からの出発。乗り場の目の前には足湯があり、早朝から割と多くの利用者で賑わっていた。

暫くしてバスが乗り場に着車して乗車。降車バス停によって運賃が異なるから、運賃は降車時払い。どうやら乗車券の購入は必須ではなく、下車時に現金で支払っても問題ないらしい。
今回乗車する車両は三菱ふそうのエアロエースで、座席のデザインを見る限り羽田空港、成田空港の空港連絡バスでお馴染みの東京空港交通からの移籍車のよう。割と新しい車両が中古車として出回る時代になったか、と思ったが、よくよく考えれば発売された2007年はもう18年前になる訳で、十分あり得ることだった。
(移籍元で活躍している同型車両はこちら)

出発間際に大型紙幣しか持ち合わせていないという乗客が現れ、自動券売機できっぷを購入するのを待ったりしている間に定刻を迎えて出発。乗客は10名程度で、空港発の始発便にしては乗っているな、という感じ。

バスの経路は溝辺鹿児島空港インターチェンジから九州自動車道、その後指宿スカイラインを経由して谷山インターチェンジまで向かい、県道20号線、22号線、国道270号線経由で枕崎を目指す。この日は朝から天候が今ひとつで、天気が良ければ桜島が見えてくる加治木ジャンクション辺りでもぼんやりとした姿しか確認できなかった。ちなみにこの辺りでは進行方向左手後方に変わった形の「蔵王嶽」という岩山がある。
(その岩山についてはこちら)

割と出力に余裕があるんだろうか、首都圏ではお目にかからないような豪快な走りで高速道路を走破して一般道へ戻ると、暫くは山間部の峠道を走る。山間部から海沿いに出る手前辺りに最初の降車停留所となる蔵本バス停があり、そこから伊作、金峰支所と通過して10:20頃に加世田に到着。沿線では枕崎と同じくらいの規模の街で、ここで乗客の約半数が下車していった。
この加世田バス停(バスターミナル)は1984年に廃止された枕崎線(鉄道路線)の加世田駅跡に開設されていて、今でもどことなく鉄道駅の雰囲気を残している。それにしても、あれほどの走りをして5分も早着していないとは、随分かつかつのダイヤが組まれている。

その後国道270号線を南下して枕崎へ向かうが、途中で大型重機の後ろにつくなどして徐行した結果、終点の枕崎に到着したのは定刻よりも若干遅れて11:00頃。徐行があったとて、ダイヤに対して5分もビハインドになるような走りではなかったのだが。

バスは市街地にあるスーパーマーケット(タイヨー)の脇のバス停に到着。どうやらかつてはこのスーパーマーケットの建っているところに駅があったようだが、2000年代初頭の市街地再開発事業によって駅は指宿方に100mほど移設されている。その名残か、公式のバス停名は「枕崎」なのに対し、バス停に記載されている名称は「枕崎駅前」と異なっている。
ロータリーには観光案内所が開設されているが、同じ指宿枕崎線上にあってJR最南端の西大山駅に対抗し、こちらの枕崎駅は「最南端終着駅」を名乗っているらしい。
(西大山駅についてはこちら)

枕崎の街に鹿児島市方面で乗捨てのできるレンタカー店なんかがあれば、この辺りで車を借りて寄り道をしながら移動でもしようかと思ったが、あいにく枕崎にしか店舗のない地場のレンタカー店しか見つからず、ちょうどいいJRの列車もなかったことからこの先鹿児島市街へは路線バスで移動することに。
バス停の至近、JR駅の前あたりにはバスの小規模な操車場があり、乗ってきたバスのほか、このあと乗車する鹿児島市街行きの特急バスの車両が出発を待っていた。「特急」といっても停車する停留所が少ないだけで、使用されるのは路線バスの車両らしい。
余談だが、どういうわけか鹿児島、特に薩摩半島は路線バスに種別の設定がされている路線が多く、「準急」や「特急」、「スーパー特急」といった種別を掲げて走っているバスをしばしば見かける。「準急」はあるのに「急行」がないが、かつては存在したんだろうか。

1時間ばかし周辺を散策したのち、再び枕崎駅前のバス停に戻ってきて、12:00発の鹿児島(金生町)行きの特急バスに乗車。確証はないが、運転士さんは先ほど鹿児島空港から乗車してきた空港連絡バスと同じ方のような気がする。

そもそも薩摩半島に高速道路が存在しないこともあって、枕崎から鹿児島市までの路線バスは全線一般道。国道225号線から県道20号線、ナポリ通りと経由して鹿児島中央駅前、そこから電車通りを走って終点の金生町に到着。
鹿児島市内は南国交通に鹿児島交通、JRバス、鹿児島市交通局といった地元の事業者に加え、福岡や熊本の事業者が高速バスでやってくるためかなり賑やか。福岡ほどではないものの、中心街の信号待ちは大半が路線バスというケースもしばしば。

ちなみにかつて、この金生町バス停の目の前にある山形屋にはバスセンターが併設されていて、今から10年前、2015年の夏頃まではバスが発着していた。薄暗くて天井の低い、いかにも昭和の雰囲気の残る乗り場だった。
跡地は海外ブランドの店舗が拡張され、また鹿児島交通の属するいわさきグループのチケットセンターが開設されていて、殆ど面影が殆どなくなってしまった。よくよく見れば若干チケットセンターがやや不自然なところにあったり、歩道のパターンがバスの通過していた部分のみ違っているという特徴が残っているくらいか。

ともあれ、今回乗車した鹿児島空港と枕崎とを結ぶ空港連絡バスが廃止になると、両地点間の移動は鹿児島市内でバスを乗り継ぐことになり、少し時間が余計にかかることになる。代わりに鹿児島市街と枕崎とを結ぶバスは若干便数が増えるようではあるが、地方都市の移動は年々難易度が高くなっている。果たしてここから10年後の公共交通機関はどうなっているんだろうか。
というお話。