日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【搭乗記】JTA/NU0626(石垣/沖縄那覇)


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便名 : JTA/NU0626
日付 : 2024/07/xx
機材 : B737-800(73H/V35)
区間 : 石垣(ISG)18:50→沖縄那覇(OKA)20:00
所要時間 : 01:10
区間マイル : 247
搭乗クラス : 普通席
運航 : JTA(日本トランスオーシャン航空)

宮古空港から石垣空港那覇空港を経由して東京へ戻る旅程。

(ここまでの移動はこちら)

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石垣空港での乗継時間は35分で、前便を降機した時点で既に搭乗機は到着済。空港によっては乗継ぎの場合でも一旦制限区域外に出る必要があるが、石垣空港はそのまま搭乗待合室に入ることができるようになっていた。

搭乗待合室から搭乗機を眺めてみると前輪の格納扉には「350」の文字があり、今回搭乗するのはJALからJTAに移籍したJA350Jの模様。この機材はJTAプロパーのそれよりも若干古いためWi-Fiの接続タイミングや窓枠、荷物棚の仕様が異なっているほか、機内安全ビデオもJAL仕様のものが放映されるという違いがある。

JTA626便 JTAのB737-800(JA350J) 石垣空港

石垣空港/JALから移籍したB737-800型機

そういえばこの日、最終目的地である羽田空港は雷雨でしばらく地上作業が中断されていたようで、那覇空港に到着したのち乗継ぐ予定だった飛行機はこの時点でまだ羽田空港を出発していない状況。羽田空港から那覇空港まではどんなに急いでも2時間30分以上掛かるわけで、この時点で定刻の20:30に出発することは困難で、少なくとも21:00以降の出発になるのは確実な状況だった。

石垣空港 搭乗口前の電光掲示板

石垣空港/乗継ぎで東京に戻れるこの日の最終便

ただ、搭乗便の改札が始まったこのタイミングでできることは殆どなく、とりあえず那覇空港へ向かい、着いた先でどうするかを考えることに。隣の駐機場に停まっている羽田空港行きのB767-300ER、先ほど宮古空港から乗ってきたDHC-8-Q400CCを横目に一足先に出発。

石垣空港 東京羽田行きのB767-300ER

石垣空港(18:49)/こちらが先発するが、羽田に着くのは向こうが先になる

滑走路に到達するタイミングではもう19時が迫っていたが、この時期の石垣島はまだまだ明るい時間帯。石垣島では駐機場を歩いた以外に外に出る機会はなかったが、滑走路脇の草むらが風になびいて揺れているところを見るとこの日はそれなりに風の強い日だった模様。

JTA626便 石垣空港の誘導路

石垣空港/長めの草が風にたなびいていた

石垣空港の滑走路は中央が窪んでいて、序盤下り坂、終盤上り坂になっている。同空港の滑走路は2,000mと国内主要空港と比べると1,000m短いため、この角度で滑走路を眺めると素人目にも短いのがわかる。

(例えば羽田空港の滑走路はこちら)

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JTA626便 石垣空港の滑走路22

石垣空港(18:58)/3,000mの滑走路と比べると明らかに短い

石垣空港は北から南方向に離陸滑走したため、ある程度上昇したところで左に旋回して那覇空港に向かう。石垣島の海沿いは割に平坦な地形だが、石垣島宮古島と異なり起伏に富んだ地形をしている。ちなみに沖縄県最高峰は石垣島にあり、その高さは526mなのだそう。これは千葉県よりも高いものの、日本全国では下から2番目。

JTA626便 石垣空港付近

石垣空港付近(18:59)/南方向に向けて離陸

離陸して10分ほどで多良間島上空を通過。往路はほぼ直上を通過したため見えなかったが、復路は少し南よりの進路を取ったため島全体をはっきり確認できた。1,500mの滑走路がギリギリ収まっている通り、海岸線の延長は20kmを下回っている比較的小さい島。

同島からは長年宮古空港との間にRACが日に2往復就航しているのみだったが、近年では週に数日ながら第一航空がDHC-6で石垣空港との間を結ぶ路線を運航しているらしい。今回の宮古から石垣の移動に組み込んでみようかと思ったが、あまり乗継ぎが良好でなく今回は断念。

(機種は異なるが、第一航空についてはこちら)

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JTA626便 多良間島上空

多良間島上空(19:08)/多良間島の北側には水納島がある

いくら沖縄県といえども、さすがに19:30近くなると徐々に日が落ちてきた。降下中、雲の向こうに見えているのは久米島で、ここから那覇空港まではあと50マイルほど。

那覇空港とこの久米島の間は59マイル(約95km)しかないが、同区間の路線は便によってB737型機が使用されるのが特徴。なお、夏季は羽田空港発のみではあるが、久米島直行便も運航されている(復路は給油のため那覇空港経由)。

JTA626便 東シナ海上空

久米島付近(18:31)/ここから那覇空港は約60マイル

海面かなり近いところに雲が出ているのを見ているうちに太陽が地平線の向こうへ沈んでいき、辺りは徐々に暗くなってきた。この日没直後30分ほどの時間帯のことを「マジックアワー」と呼ぶらしい。

JTA626便 東シナ海上空

久米島付近(18:33)/日没後30分ほどはうっすら明るい

うっすら明るい薄暮の中、飛行機は那覇空港の北側から着陸。沖縄本島は南北方向に細長いため、この高度だと20km弱向こうの東岸と海が見えている。以前別の記事でも言及したが、沖縄本島で最も薄い(幅の狭い)ところは幅3kmほどしかないとか。

JTA626便 那覇空港付近

那覇空港付近(19:40)/この頃には肉眼ではほぼ真っ暗

那覇空港は駐機場21番へ到着。隣の22番には羽田空港周辺の悪天候によって出発の遅れていた、羽田空港行き918便(定刻18:50発)に使用されるone world特別塗装のA350-900型機が駐機していた。ターミナルの向かい側、26番搭乗口には次発920便の機材も停まっていて、各便ともに徐々に遅れが発生している状況。

JTA626便 那覇空港の駐機場

那覇空港/本来1時間前に出発済のJAL918便が駐機中

到着後は乗継カウンターに赴き、出発予定時刻の定まらない最終便からまだ飛んでいない918便への変更可否を確認してもらうと、ちょうどファーストクラスに1席空席があるとのこと。追加料金を支払って変更してもらっている最中に改札が始まり、早速飛行機に乗り込んだ。

JTA626便 那覇空港の駐機場とA350-900

那覇空港/ファーストクラスに空席があり、急遽振替えることに

結局918便は定刻よりも1時間30分以上遅れて20:30過ぎに出発。時折、出発直前にアップグレードすると機内食が不足し、クーポン対応となることがあるが、この日は機内食の数は足りていたようで、シートベルトサインが消灯すると早速機内食が提供された。

JAL918便 国内線ファーストクラスの機内食

JAL918便機内/羽田に着くまでは通常通りのフライト

飛行機は順調に飛行し羽田空港に23:00過ぎに着陸したが、夕方の到着便の多い時間帯に雷雨で1時間以上も空港機能が停止したため、駐機場繰りが大きく混乱している状況。A滑走路34Lに着陸したのち、第3ターミナル側の誘導路で待機を命じられた模様。

程なくしてコックピットからアナウンスがあり、「前には20機近い待機機がいて、到着する駐機場はまだ決定しておらず、その見込みも立っていない」との説明が入った。Flight Radarアプリを見ると、この時点では羽田空港に19:00頃に着陸したにも関わらず駐機場に入れていない便もあり、確かに長期戦になりそうだと覚悟を決めているうちに機内では再度飲み物のサービスが始まった。

そのうち動くだろうと思っているうちに京急•モノレールの終電が終わり、日付が変わった頃に一度100mほど動いたが、そこで再びしばらく停止。その後ようやく駐機場が空いたとのことで01:00過ぎに駐機場に到着した。石垣空港を後から出発した974便も同様に駐機場が空かず待機していたため、どのみち機内で待ちぼうけというのは免れなかった模様。尤も、第2ターミナル側の方は4時近くまでかかった機材があったというから、これでもマシな方だったのかもしれない。

それにしても、今回は便を前倒しすることができたからこの時間で済んだものの、当初搭乗予定だった922便は2時を廻った頃に到着したとか。乗客としても中々しんどい便だったが、乗務員の皆さんは乗客の比じゃないほど疲れたんじゃないだろうか。

飛行機を降りた時には既に終電は出たあとで、取れる手段といえばターミナルで夜を明かすかホテルを取るしかない訳だが、不幸中の幸いで、この日は元より空港近くの東横INNを予約してあった。そのため空港からタクシーでホテルへ向かうと、何とか2時前にホテルに到着。

到着出口を抜けると、乗り場ではタクシー待ちが長蛇の列になっていたが、初めて利用したアプリの予約配車のおかげで(追加料金は必要になるものの)いくらか時間短縮をすることができた。そもそも普段それほどタクシーを利用することがないのだが、使い方くらいは知っておいても損はしないかもしれない。

(宿泊した東横INNについてはこちら)

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東横イン羽田空港2 客室全景

東横イン/飛行機を降りてから30分ほどで宿に到着

翌日は羽田空港朝7時台発の便に搭乗する予定で遅くとも宿を6時には出発する必要があり、3時間ほどしか寝ることができない状況。じんわり疲れていて中々寝付けそうにもなかったが、とりあえず横になることに。翌日は翌日でこの余波に巻き込まれることになるのだが、それはまた別のお話。

ちなみに今回の遅延は天候に基づくものでJAL起因のものではないものの、1人あたり5,000円の交通費•宿泊費の補償がされた*1。どういう訳か2024年は首都圏を雷雨が襲う機会が多く、羽田まで戻ってきたものの飛行機から降りられない、という機会が増えたような気がする。これも所謂「気候変動」の影響なんだろうか。

というお話。

*1:発生した費用をインターネット上に入力し、領収書を郵送すると、約1ヶ月程度で精算してもらうことができた。