便名 : 便名なし
日付 : 2023/11/xx
区間 : 大曽根(16:30)→高蔵寺(17:12)
所要時間 : 00:42
乗車クラス : 普通席
運賃 : 440円(交通系ICカード決済)
運行 : 名古屋市交通局
所用があり、日帰りで名古屋へやって来た。
夕方に差し掛かる少し前にこの日の用事が終わったものの、この日乗って帰る中部国際空港から羽田空港に向かう飛行機の出発までは少し時間があった。何をするか悩んだ結果、日本では名古屋にしかない「ガイドウェイバス」に乗ってみることに。
(公式サイトはこちら)
始発はJR中央線、名古屋市営地下鉄名城線、名鉄瀬戸線が通る大曽根(おおぞね)駅。直前には栄のあたりにいたので、名鉄瀬戸線に乗って向かうことに。同路線の始発駅となる栄町駅はテレビ塔、オアシス21の至近にある。
ちょうど準急を捕まえられて、栄町駅から6分で大曽根駅に到着。今回乗車する「ゆとりーとライン」はJRを挟んだ向こう側に見える高架駅からの発着。
各駅は改札外で連絡していて、一旦改札口を出てからの乗換え。運行されるのはバスなのだが、専用軌道を利用する大曽根駅から小幡緑地駅までは法律上「軌道」の扱いとなっている。それゆえ、高架区間は無軌条電車免許、地上は大型二種免許が必要になるのだとか。
駅のホームに向かう中間階には簡易的な改札のようなスペース。乗車時は車内精算になっていたが、ここで改札をすることがあるんだろうか。
なお、方々に「バンテリンドーム」の文字が見えるように、同路線の沿線にはバンテリンドーム(ナゴヤドーム)があり、「ナゴヤドーム前矢田」駅が最寄り。尤も大曽根駅からは徒歩1.5km弱なので、便の狭間なら歩いたほうが早いかもしれない。
乗り場はホーム上前後に2箇所で、行き先別に乗り場が分かれている。なお、小幡緑地駅は高架道路の終点、志段味交通広場は路線バス運行の中間地点で、高蔵寺(駅)行きがルートとしては一番遠い。
高蔵寺駅は春日井市に属していて、名古屋市営のバスが他の自治体まで乗り入れるというのも面白い。かつては名鉄バスやJRバス東海が同路線を運行していたが、不採算により撤退した余波でこのような形になっている模様。
ホームは乗車、降車が分かれていて、到着したバスは一旦奥の待機場へ入って方向転換する。ここに発着するのは路線バス型の車両だが、ホームは新交通システムに近い雰囲気。なお、世間はノンステップバス全盛の時代だが、この路線は今のところワンステップの車両。
ここ大曽根駅から小幡緑地駅までの7km弱の高架区間では車体下部に設置されたミニ四駆のローラーのような部品で進行方向をコントロールするため、運転士さんはハンドルには触れず、加減速のみを担当する。「ゆりかもめ」の簡易版といった感じだろうか。
上記のような機構は日本全国でこの路線限定の仕様で、それゆえ車両価格が高いことがネックになっている模様。そのため次回は車両を更新するではなく、自動運転バスに置き換えるようなパターンも検討されているんだとか。
乗車するのは16:30発の高蔵寺行き。今回は高蔵寺まで乗り通すが、急ぐのであれば大曽根駅からJR中央線に乗れば高蔵寺駅までは約16分。また、JR240円に対しバスは高架区間と地上区間で打ち切り計算になっている関係で440円と割高。区間利用が主な用途なのかもしれない。
バスは大曽根を出発すると2分でナゴヤドーム前矢田駅に到着。その後も1-2分間隔で停留所が設置されている。前方を見ていると、この辺りは自転車ではしんどそうな起伏に富んだ地形。
大曽根駅から約15分ほどで高架区間の終点となる小幡緑地駅に到着し、駅の先で地上に降りた。軌道と道路の境には遮断機が設置されていて、遮断機を通過したところで車体脇にある車輪を格納。ここを境に運転するための免許が切り替わることになる。
バスは途中首都圏にも店舗のある「竜泉寺の湯」のある竜泉寺口やバス車庫のある志段味交通広場などを経由し、出発から約45分で終点の高蔵寺(JR高蔵寺駅前)に到着。今回はここから中部国際空港へ向かうため、とりあえず愛知環状鉄道に乗換え。
最近は乗客が増加しているようだが、これ以上の車両増備が予定されていない以上、なかなか利便性の向上というのは難しそう。自動運転バスに置き換えられてしまう前にこの妙な乗り物に乗ってみるというのも良いかもしれない。
というお話。