日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】臨時ライナー(印旛日本医大/京成上野)


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便名 : 臨時ライナー
日付 : 2023/08/xx
区間 : 印旛日本医大(07:00)→京成上野(07:46)
所要時間 : 00:46
乗車クラス : 普通席
運賃 : 1,573円(交通系ICカード決済+車内現金決済)
運行 : 京成電鉄

とある8月の日、少し早起きしてやってきたのは北総鉄道印旛日本医大駅。今回は2020年10月より「当面の間」という期間限定で平日のみ運行されている「臨時ライナー」で京成上野駅へ向かう。

印旛日本医大という駅で下車したのは今回が初めてだったが、ロータリーには特段の商業施設が見当たらず、大きなマンションが建っているという駅は首都圏では中々珍しいような。ちなみに鉄道以外の公共交通機関としては京成酒々井駅行き、京成佐倉駅とJR成田線(我孫子支線)小林駅行きの路線バス路線が開設されている。

北総鉄道 印旛日本医大駅 駅舎外観

印旛日本医大駅/ 関東の駅100選に選ばれている

駅構内は天井が高く開放的な雰囲気。駅構内にあるファミリーマートは06:00から23:00までの営業で、始発より遅く終電より早く店仕舞いするような営業時間。それにしても、8月とはいえ6時台後半といえば一般的には通勤通学客の多い時間帯だと思うのだが、駅構内には殆ど人がいなかった。

北総鉄道 印旛日本医大駅 駅舎内

印旛日本医大駅/ ファミリーマートは6時-23時の営業

正確にはもう少し複雑で厳密な説明ではないが、ざっくり印旛日本医大駅から都心方面へは北総鉄道、成田空港方面は京成成田空港線(成田スカイアクセス)という構造になっているため、自動券売機は北総鉄道のもの、京成電鉄のものがそれぞれ設置されている。

なお、臨時ライナーの料金券は自動券売機では発売されておらず、乗車後に車内で精算する運用。料金は500円で、現金以外の決済手段交通系ICカードを含め全て対応していない

北総鉄道 印旛日本医大駅 駅舎内

印旛日本医大駅/ 北総線と京成線が入り乱れてややこしい

この「臨時ライナー」、乗車時点で2020年10月の運行開始から3年近く経過していることもあり、駅構内に案内はそれほど多くなく、改札脇に30cm四方くらいの掲示が出ている程度。それにしても「ご案内」に記載されている文字が小さすぎて、契約書なんかと同じレベルで情報として意味を成していないような。

北総鉄道 印旛日本医大駅 臨時ランナーの案内

印旛日本医大駅/ 「臨時」のまま間も無く4年目

改札を入ったところにある電光掲示板の表示は「臨時」。ちなみにこの列車は一見すると北総線の列車のようにも見えるが、運行しているのは第二種鉄道事業者たる京成電鉄。同線は過去の経緯から権利関係が複雑に入り組んでいて中々ややこしい。もうすぐ4年目に入る訳で、「臨時」ではなくなりつつある気もするが、名称はこのままなんだろうか。

北総鉄道 印旛日本医大駅 電光掲示板

印旛日本医大駅/ 7時台初頭は比較的本数が多い

「臨時ライナー」の乗車口は成田空港方最後尾車両(1号車)のドアのみ。てっきり1号車が京成上野方だと思い込んでいたせいで、ホームを先頭から最後尾まで歩くことになった。ちなみに以下の写真で映っているのは同駅06:56発の羽田空港行き。乗客はそれほど多くないようで、出発直前でもシート端の座席を確保できる程度の混雑状況。

北総鉄道 印旛日本医大駅 上りホーム

印旛日本医大駅/ 乗車口は成田空港方の最後尾

JRよりも若干車体長が短いとはいえ8両分となると約150mほど歩く必要があり、ようやく乗車口へ到達。ホーム上には乗車位置案内が割と充実していたが、改札を抜けてから階段を降りる前までの間にももう少し掲示があってもいいような。

北総鉄道 印旛日本医大駅 上りホーム

印旛日本医大駅/ 北総線としては同駅が始発駅

ちなみに線路の両サイドには千葉県松戸市成田市を結ぶ予定の国道464号線が通っている。一部区間については開通時期の見通しが立っていないが、これが完成すれば外環自動車道から成田空港までのルートが1つ増えることになる。

北総鉄道 印旛日本医大駅 上りホーム

印旛日本医大駅/ 駅の両脇は70km/h制限の一般道

「ライナー専用乗車口」にはすでに先客が1名。先発の羽田空港行きが出発してさらに10名程度が列に加わると、ゆるゆると列車がやって来た。どうやら成田空港から京成上野まで回送で向かっていた列車を一部区間で営業化した格好らしい。そういえば、乗車時に人数をカウントしていたのは料金の取りっぱぐれ防止のためだろうか。

北総鉄道 印旛日本医大駅 上りホーム

印旛日本医大駅/ 専用の乗車目標が設置されている

列車は「スカイライナー」用の8両編成だが、乗車可能なのは最後尾から3両、1,2,3号車のみとの案内。混雑してくればさらに前方が解放されるような仕組みなのかもしれない。今回は乗車可能な車両の中では一番奥の3号車に乗車。

始発の印旛日本医大を出発すると、乗車可能駅は次の千葉ニュータウン中央のみ。2駅のみとなるとあまり乗車率は高くないのかと思いきや、次の千葉ニュータウンでは列が1列では収まりきらず、ホーム上で2度3度と折り返されている様子が見えて少し驚いた。

待っていた乗客が全て乗り込むと、3号車の半分弱の列(の窓側)に着席しているような具合。どれくらいの利用を想定して列車が設定されているかはわからないが、当初は1,2号車のみ営業していたことを考えれば、想定以上ということになるんだろうか。

京成電鉄 臨時ライナー 車内

臨時ライナーの車内/ 隣席は埋まらないくらいの混雑

前述の通り、元々は回送列車だったところを営業化した列車ということで速達性はあまり重視されておらず、駅間で停車するようなことはないものの、かなりのんびりしたペースで進む。そういえば、ちょうどこの頃車内改札があり、500円を支払うと縦長の料金券が手渡された。

鎌ヶ谷で4分前に出発していった普通列車を追い抜くと少しスピードは上がったが、それでもアクセス特急ほどのスピードは出ないまま、江戸川を渡り東京都に入って新柴又駅を通過。間も無く京成本線の線路が近づいてきて合流するが、先行列車が詰まっていたようでこの辺りで数分停車していた。

京成高砂駅はかつて平面上で全ての列車を捌いていたが、成田スカイアクセス線開業とほぼ同時期の2010年に金町線のみ高架化されて別ホームになった。今後は本線についても高架化するような計画があるそうだが、ともするとどのような格好になるんだろうか。

京成電鉄 臨時ライナー 京成高砂駅

京成高砂駅/ 駅の成田空港方には車庫が広がっている

途中信号待ちの停車なんかもあったが、列車は定刻通り07:30に青砥駅に到着。先ほど印旛日本医大駅に貼り出されていた広告には青砥駅で07:34発の都営浅草線直通の始発列車に乗継げる旨の記載があったが、同駅のホーム上には列車が到着した時点で既に結構な行列が形成されていた。尤も北総線から都営浅草線方面には直通列車が多数運行されている訳で、わざわざ青砥駅で乗換えるくらいなら、始発を捕まえて座って行った方がトータルでは楽そうにも見える。

列車は青砥駅を出ると10分で日暮里駅に到着。ここで半分弱の乗客が降車し、そこから5分ほどで終点の京成上野駅に到着。列車は折り返し整備を行い、08:00発のスカイライナー15号として再び成田空港に向かう模様。

京成電鉄 臨時ライナー 京成上野駅

京成上野駅/ この時間帯はほぼ20分間隔の運転

この日は新橋に用事があり、京成上野駅からJR上野駅へ乗換え。前述の青砥駅で都営浅草線に乗換えるか、日暮里駅でJR山手線か京浜東北線へ、もしくは上野駅で銀座線へ乗換えるのが一般的な気もするが、今回は上野東京ラインに乗換えることに。

京成電鉄 京成上野駅の駅舎外観

京成上野駅/ 駅横の階段を登ると「西郷さん」がいる

京成上野駅とJR上野駅は近くも遠くもない地味な距離。今回は地上に出て乗換えたが、少し分かりづらいものの地下伝いに両駅間を移動することもできる。所要時間はいずれのルートでも5分強といったところ。

京成電鉄 京成上野駅の駅舎外観

京成上野駅/ 「アメ横」は駅のすぐそば

停車駅が北総線の終端に近い2駅しかない割には混雑しているな、というのが今回の感想。この乗車率であればもう一駅、新鎌ヶ谷辺りに停まっても良さそうな気もしたものの、ダイヤ的に厳しいんだろうか。アクセス特急の停車駅だから、制度上は問題なさそうにも見えるが。

というお話。