便名 : 水島臨海鉄道•第38列車(普通列車)
日付 : 2022/07/xx
区間 : 三菱自工前(15:33)→倉敷市(16:00)
所要時間 : 00:27
乗車クラス : 普通車自由席(全席自由)
運賃 : 350円(出札時現金精算)
運行 : 水島臨海鉄道
所用で岡山を訪れたついでに、未乗だった水島臨海鉄道を利用してみることに。
この日はJR瀬戸大橋線の児島駅から路線バス「塩生線」で新高橋バス停まで移動し、そこから1時弱歩いて水島臨海鉄道の末端側の終着駅である「三菱自工前」駅までやってきた。駅名の通り同駅は三菱自動車の工場に隣接して設置されていて、路面電車の停留所と見紛うような大きさ。
同駅周辺はどうやら線路を挟んで両側に施設があるようで、工場の敷地からナンバープレートを掲示していない車両が走っていった。調べてみるとこの辺りは「水島港国際物流•産業特区」に認定されていて、このエリア内では「回送運行許可番号標(臨時ナンバープレート)」を取付けることなく回送できるようになっているんだとか。
駅から少し離れたところの道路脇には前述の「特区認定」について記載された看板が掲示されていた。この先は行き止まりで、日常生活でこの辺りを訪れる機会はそうそうないから、看板の存在は一般人にはなかなか知られないままかもしれない。
駅付近の線路は複線?で敷設されているが、ホームは工場側に1面のみ。屋根のある部分は1両分もないほど短いが、ホームは案外長く用意されている。訪問したのは夕方前の中途半端な時間帯で駅周辺には全く人気がなかったが、工場従業員の出退勤時間帯は混雑するのだろうか。
ちなみに無人駅だと設備が最小限となるのが通常だが、簡易的なベンチが10人分以上、結構な数が用意されている上、ゴミ箱が設置されていたりと中々手入れは行き届いている様子。
倉敷市駅からやってきた当駅止まりの列車は同駅で折り返すではなく、駅の南側にある操車場(倉敷貨物ターミナル駅)まで走って折り返す仕組みらしい。奥の方へ目を凝らすと、ぼんやりオレンジ色と白色の気動車が停車している様子が見えた。
このうちオレンジ色の車両はかつてJR東日本で活躍していた車両で、公式サイトの時刻表上で充当される列車が明示されている。今回は車両目当てでないから何も調べておらず、乗車するのは一般の気動車で運行される列車。
(公式サイト時刻表はこちら)
ホーム上には自動券売機の類が設置されておらず、事前に乗車券等は購入せず、というかできずに乗車。この便に同駅から乗車したのは自分ひとりだけで、ボックスシートに着席した。車内は中央にボックスシート、両端にロングシートの座席配置。工業地帯への通勤や通学など、利用者はそれなりに多いようで、気動車にしては収容力重視の配置になっている。
ボックスシートは背もたれが直立ではなく少し傾斜しているぶん、それほど座り心地は悪くない。フレームの間にゴミが入り込みそうで、中々清掃が大変そうではあるが。
列車は2両編成で、1両目、2両目とも同じ座席配置。出発してしばらくすると車掌が車内を巡回していたが、ぼーっとしているうちに話しかけそびれて切符を買い損ねてしまった。
三菱自工前を出発して数100m走ると高架になり、水島駅に到着。同駅は路線中では大規模な駅とみえ、ちょっとした地方都市の中心駅然とした雰囲気をしている。その水島駅からはそれなりに纏まった数の乗車があり、車内はそれなりに賑わい始めた。
駅間は均等という感じでもなく、水島駅から3つ先の弥生駅までは駅間距離が短く連続し、そこから少し駅間が開いていくような構成。各駅でそれなりに乗車があり、最後の停車駅、「倉敷マスカットスタジアム」近くにある球場前駅を出発する頃にはほぼ座席が埋まるような状況になり、終着の倉敷市駅に到着。
なお、JR山陽本線•伯備線の倉敷駅に対して水島臨海鉄道は倉敷市駅と別の駅名を名乗っているが、両駅はほぼ隣接していて、徒歩連絡が可能。フェンス越しに見えているのがそのJR倉敷駅のホームで、下部が倉敷美観地区よろしく「なまこ壁」模様になっている。
倉敷市駅は首都圏で言えばJR上野駅の地平ホームよろしく屋根に覆われて少し薄暗い。ちなみに屋根の上は商業施設ではなく駐輪場。駅の上に駐輪場があるというのは国内広しといえど、同駅くらいなんじゃないだろうか。
運賃は車内で精算し損ねたから、改札を抜けるタイミングで精算。改札横には自動券売機が設置されているが、駅数も少ないことからボタン式だった。なお、同線は交通系ICカードが利用できない上、自動改札も設置されていないため改札口周りはずいぶんさっぱりしている。
駅はJR倉敷駅のほぼ真横に位置していて、JR倉敷駅からデッキ伝いに倉敷市駅へアクセスできるようになっている。なお、前述の通り上層階は駐輪場になっているため「水島臨海鉄道のりば」の文字がなければそれが駅だと分からないような見た目。
この日は広島空港から最終の飛行機で東京に戻る旅程になっていて、しばらく倉敷駅で小休止したのち、下りの山陽本線に乗換えた。
というお話。