便名 : JAL/JL0092
日付 : 2022/12/xx
機材 : B767-300ER(767/A44・JAL SKY WIDER)
区間 : ソウル金浦(GMP)12:10→東京羽田(HND)14:10
所要時間 : 02:00
区間マイル : 758
搭乗クラス : エコノミークラス
運航 : JAL(日本航空)
出張で韓国を訪れた帰りのお話。この日は単に帰国するだけの日程で、早朝にホテルを発ち、地下鉄、空港鉄道を利用して11時前に空港に到着。12:10発の羽田行きで帰国する。
ソウルには仁川(ICN)、金浦(GMP)の2つの空港があり、今回利用する金浦は東京で言うところの羽田に相当する空港。と言ってもそれほど国際線の便数は多くなく、再国際化前の羽田くらい、という感じだろうか。なお、見れば分かると思うが、規模が似通っているもののこちらは当時の羽田と違って暫定的な建物ではない。
2022年12月時点ではまだ中国本土行きの便が復便していないうえ、この時間帯にあまり便数が多くないこともあってターミナル内は比較的閑散としている。それもあって保安検査場は殆ど待たず、出国手続も自動化されていて顔と指紋の照合だけして完了。
他方の仁川空港はかなり施設が充実していると聞くが、こちらの空港は制限区域内もかなり簡素で、免税店が2店舗にレストランが2店舗、ラウンジが2つといった具合。日本から買ってくるように依頼されたものは既に市中で購入していたから、今回何かをここで購入することはなかった。
少し早めに空港に着いたお陰で搭乗時間までまだ30分ほど余裕時間があり、ほんの少しだけラウンジに立ち寄り。JAL便として搭乗する場合は大韓航空(KAL)のラウンジを利用できる。室内はそれほど広くなく、羽田空港の国内線サクララウンジの1/3くらいの大きさ。ラウンジ中央にはホットミールを含む、簡単な食事が用意されていた。
この日は日本に帰国してから食事する目論見で、特に何を食べるでもなかったから10分ほど滞在して退室。今回の搭乗口は37番で、ラウンジとは反対側で徒歩5分ちょっとの距離がある。恐らく到着した日もこの搭乗口だったから、JAL機が利用する駐機場は概ね固定されているのかもしれない。
ちなみにここに限った話ではないが、海外の空港は飛行機同士、ターミナルと飛行機の間隔がやけに狭く、ややもするとぶつかってしまうんじゃないかという配置の印象が強い。日本の空港はそうなっていないケースが多いが、標準より余裕めに設計されているんだろうか。
ところで、飛行機の足下には機種ごとの停止位置を示すペイントがされているのだが、よく見るとお馴染みの機種のほか、「TU154」の文字が見える。これはソ連で開発され、ロシアで2013年まで製造されたツボレフ154という飛行機のこと。かつては日本にも定期便として飛来したことがあるんだとか。このように、空港の設備を眺めてみると、思いがけない過去の名残を見つけることができるかもしれない。
当初、11:45に搭乗開始とアナウンスされていたが、準備に時間を要するとかで10分ほど遅れ、12:00ちょっと前に機内に入った。黙示的に待機列が形成されたせいでGroup1-3の各列ともに対象外の乗客が紛れ込んでしまっていたから、この点は少し改善の余地があるかもしれない。
先頭集団で搭乗口を通過し、機内後方の非常口座席に着席。JALでは少し前からいわゆる「足元の広い座席」を有料化している関係で、搭乗時には該当する座席すべてに「事前指定席」の札が置かれていた。なお、JALのステイタス会員については同行者1名と共に無料で指定することができる。
(「事前指定席」に関する公式サイト案内はこちら)
今回指定した45K座席の前には非常口2つ分のかなり広大なスペース。これは他の機材でも同様だが、非常口座席はドアの隙間があるからだろうか、時おり冷気が入り込んでくるので防寒対策をお忘れなく。私はそれほど寒がりではないにも関わらず、足元から冷えてくる感じがした。
離陸し20分もしないうちにシートベルトサインが消灯し、すぐに機内食が提供される。JALのソウル路線では2022年の夏頃から機内食がよく見るトレーに載って配膳されるではなく、紙袋に入ったものが提供される形式に変更されている。この方法、大幅な軽量化に貢献する上、従来よりも20分早く提供することができるんだとか。
中身はサンドウィッチとスナック菓子、ペットボトルの水の3つ。水が入っているから、見た目に反して?結構な重量感がある。昼食にしては少し軽いような気がするが、この程度の所要時間にしては十分か。
個人的な感想としては、往路も復路も付け合わせとして含まれている手が汚れやすいスナック菓子は、もう少し食べやすいもののほうが個人的には嬉しい。割と小さめのお手拭きで手を拭うのはちょっと面倒なのだ。
金浦空港を出発すると南東方向に進んで日本海上へ出、京都府北部辺りで本州に上陸。京都府内を更に南下し、静岡県沖の太平洋上で羽田空港の着陸ルートに合流した。
この日は若干気流が悪く、着陸30分前にシートベルトサインが点灯。途中一瞬消灯したものの、すぐに再度点灯した。こと私はといえばしばらくぼーっとしているうちに寝てしまったようで、着陸の衝撃で目が覚めた。何だかんだでこの時間帯に羽田に戻ってくるというのは割に珍しい。
羽田空港の第3ターミナルに近い34L滑走路に着陸したから、5分も地上滑走しないうちに駐機場に到着。この時点では雨は降っていなかったが、あちこちに水溜まりのある地上の様子を見るについ最近まで比較的強い雨が降っていたように見える。
そういえば、写真には映っていない反対側の駐機場にはデルタ航空のA330neoが停まっていた。デルタという航空会社とこの機材のいずれも一度乗ってみたいが、現状中々米国を訪れる機会がないのが残念。このA330neoという飛行機、A350と大きさが似通っているにも関わらず地味に数を増やしているが、1機あたりのコストに大きな差があるからだろうか。
今回は非常口座席だったから若干標準的な条件から逸脱しているのはさておき、国際線ではありつつも、飛行時間が2時間ジャストと沖縄へ飛ぶよりも短く、エコノミーでも何ら問題なかった。尤も、今回利用した運賃はアップグレード不可ゆえ、そもそもアップグレードの選択肢自体が存在しなかった訳だが。
さて、飛行機を降機すると各種入国手続がある訳だが、2022年12月現在の日本ではCOVID-19感染拡大前よりも若干手続が増加している。
この便が到着したのは140番台のサテライト側だったのだが、まず飛行機が到着して5分ちょっと待機し、前方から順に降機。本館側に歩いて移動しながら、待ち構えている係員に事前に登録しておいた「Visit Japan Web」の画面を提示する。この登録を済ませておくと「ファストトラック」を利用することができ、到着時の検査が簡略化される。
ちなみにこの「Visit Japan Web」には利用者情報、帰国スケジュールを登録したうえ、以下に記したいくつかの内容を事前登録する。登録内容は入力と共に根拠資料が求められ、適宜確認されたのち、承認されるとメールが届く仕組み。人力照合なのか機械照合なのか分からないが、私の場合は申請後1時間と待たずに承認された。
■ (参考)「Visit Japan Web」検疫手続で必須の入力項目
- パスポートNo.
- 質問票(サイト上で回答)
- ワクチン接種証明書/出国前72時間以内の検査証明書
(「Visit Japan Web」公式サイトはこちら)
前述の「ファストトラック」が利用できる場合、通路上で待ち構える係員に画面を示すと「健康カード」というピンク色の紙を手渡され、検疫ブースの入口でカードを見せることでそれ以降が従来とほぼ同様の手続に戻る。入国審査は自動化ゲートを利用し、今回預け荷物はなかったからバゲージクレイムはそのまま通過すると、最後に税関がある。
なお、「Visit Japan Web」には必須ではないものの税関申告書の機能もセットされており、今回はこれを利用した。バゲージクレイムの先には自動チェックイン機より一回り小さいくらいの白い端末が何台か用意されていて、ここにパスポートをスキャンすると、事前に「Visit Japan Web」へ登録した申告内容が呼び出される。変更の有無を入力して回答を最終化してその結果を送信、出口前のゲートでパスポートをかざすとカメラで本人照合がなされ、問題なければ扉が開くという仕組みで、これを以て全ての手続が完了。
この日の場合、14:20頃飛行機を降機してから到着出口の扉を抜けるまでで約20分で、一般エリアに足を踏み入れたのがだいたい14:40頃だった。1時間くらいは掛かるものだと考えていたから、この所要時間は嬉しいサプライズ。
事前の登録がいくらか必要になるとはいえ、降機から一連の手続が完了するまでの所要時間は概ね感染拡大以前と同じくらい。人の流動が増えると同じようにはいかないかも知れないが、もしこの年末に海外旅行を予定されている方がいれば、少しでも参考になったら嬉しい限り。