自転車で日本を一周してみた、というお話。
旅行が好きで、昔から日本各地を旅している。
高校生の頃、ふと思い立って鹿児島から千葉まで自転車で走って(帰ってきて)以来、何度かに分けて日本列島を一周すべくあちこち走り回っているのもその一つ。
(過去の走行履歴)
①鹿児島→千葉
時期:2008年8月
期間:16日間
距離:1,825km
②千葉→西日本&四国一周→千葉
時期:2010年3月
期間:21日間
距離:3,523km
③滋賀→青森/函館
時期:2016年8月
期間:8日間
距離:1,024km
④東京→茨城/北海道(時計回り)/青森→東京
時期:2017年8月
期間:9日間
距離:1,147km
⑤東京→茨城/北海道(反時計回り)/青森
時期:2019年8月
期間:14日間
距離:1,829km
何でこんなことを思い立ってしまったか、というのは一旦置いておいて、上記①から⑤までを組み合わせると、だいたい日本列島は1周した。厳密には長崎県・大分県と宮崎県が未踏破なのが今後の課題。
では、実際に走るとなったとき、どんな準備が必要か。
今回はプランニングのお話。
①行き先決定
自転車の場合、何となく、で走ると後でそれなりに大変なことに。最低限、「何処に行く」は決めておく必要がある。できれば「どこを通って」も。
②大まかな距離感の把握
近頃は便利なもので、Google Mapを使えば距離が計測できる。自分がどれくらいのペースで走れるか、もしくは走りたいか、をもとに、1日でどこまで行くかをざくっと測って、日程の全体感を決めるのがこのフェーズ。
注意しないといけないのは、Google Mapの計測値と実測値には結構な乖離がある。近場ならともかく、少し離れた場所同士の計測の場合、何だかんだ着いたときには10%くらいの誤差が生じていることが多い(経験則)。
また、自動車経路で検索すると、途中で高速道路や自動車専用道路が紛れ込むので、徒歩検索がおすすめ。特に静岡県あたりは特にこの罠にはまることが多い。
いずれにしても、この段階ではざっくり検索でOK。
当初の検索通りにルートが確定することはまずない。
③日程の確保
実はどこに行くのか、よりも、何日とれるか、の方が計画的には大事。特に自転車の場合、イレギュラーが起きたときのバッファがあるかないかで、心理的な安心感がまるで違う。
たとえばこの夏の旅行では、台風崩れの低気圧が直撃し、そのタイミングでタイヤが壊れてしまって当初計画+1日になってしまった。ただ、バッファを数日持っていたお陰で途中リタイアせず無事ゴールに到着できた。
学生の頃は200km/日なんかで計画していた(よくもこんなことしたもんだ)けれど、近頃はミニベロで走り回っていることもあって、長くても150km/日くらいが多い。
たとえば全行程合計で1,000km走るとして、150km/日だとすれば、1,000/150=6.666...ということで、最低7-8日くらいは必要。10日取れれば100km/日くらいで済み、日当たりがこの距離なら、途中でいくらかのんびり観光できる。
④1日当たり走行距離の微調整
この辺からが一番頭を使うところ。
やっぱり疲労回復には屋根壁ついたところで寝たい。野宿・ライダーハウス・ホテル等々色々あるけれど、その辺はお好み。自転車旅行の場合、持てる荷物に限りがあるので、洗濯の場でもある。
ここで、毎日100km走ったところに宿があれば良いけれど、そうはうまくいかない。②でざっくり目的地とした辺りに宿があるかどうかが一番のポイントで、空いていれば一件落着、空いてない、もしくは宿がない場合にどうするかが論点。
距離を縮めれば縮めるほどその日は楽になるものの、日数が増えるか、翌日の残業が増える。だったら延ばせばいい、という簡単な話でもなくて、毎日100km走っているとして、前日は既にゴールしている距離であと20km、というのは結構精神的につらいもの(到着遅くなる→睡眠時間短くなる→翌朝起きられず走りきれないという負のスパイラル)。その意味では、1日ごとの距離はできればあまりばらつかない方が楽。
また、ここまで水平距離の話しかしてこなかったものの、日本はそんなに平坦ではなくて、むしろあちらこちらに山がそびえ立っている。故に自転車旅行のルート設定については、2Dではなく3Dで検討しないといけない。
とんでもない高低差の日に1日200kmなんて行程を作ると、絶対破綻するので要注意。たぶん最初は、短いかな?くらいの距離にしておいた方が幸せ。
ちなみに、高低差もGoogle Mapで確認することが可能。
地図上に現れるひし形のマークをクリックして、「地形」を選択すると、等高線が表示されるので、いつもこれを参考にルートを決めている。
これらに関しては、習うより慣れろといった感じで、やってみながら覚えるしかない。
この辺まで決まると、宿を手配するとか、出発に向けて具体的な準備ができるように。最悪本州だったら宿は当日走りながら考えるでもなんとかなる。
・余談
北海道については上記のルーティングが全く通用しないケースがある。つまり、仮想目的地前後50kmとかいうレベルで全く宿がない場合がよくある。
そんな場合には、野宿するか、もしくは根性で走るしかない。今夏走ったときには、潔く後者を選択した結果、1日で217km走った日があった。具体的には、紋別を出ると稚内までほぼ宿がないうえ、数少ない宿は満室だったため、あえなく一気に走ることになった。
また、北海道については、宿だけではなく食料についても、油断すると痛い目に遭うのだけれど、大分長くなったのでそれはまたの機会に。
次回は何に乗るか、何を持っていくか、のお話でも。