便名 : JR城端線339D(普通列車)
日付 : 2024/12/xx
区間 : 新高岡(12:55)→城端(13:41)
所要時間 : 00:46
乗車クラス : 普通車自由席
運賃 : 590円(現金決済)
運行 : JR西日本
高岡駅を発着するJRの路線は氷見線と城端線の2路線があり、それぞれ全線乗り通しても所要時間は1時間足らずでそれほど長い距離ではない。ただし、どちらも終着駅で他の鉄道路線に接続しておらず、乗り潰しをする上ではなかなか悩ましい。ただ、よくよく調べてみると、氷見線は七尾方面へ、城端線は金沢方面へ抜けるバス路線があり、今回はこれを組み合わせて乗り潰しをすることに。
この日の予定が思いの外早く終わって新高岡駅へ到着し、駅の近くのお寿司屋さんで昼食を摂ったのち、13時前の城端線に乗車する。同線の新高岡駅は北陸新幹線の開業に伴って設置されているが、新幹線駅とは若干離れていて、駅舎を出て道路を横断した先にあるホームから出発する。九州新幹線の新八代駅だとか、整備新幹線ではよく見かける構造。
在来線側の駅舎は線路の向こう側へ向かう跨線橋を併設しているため割と大掛かりだが、線路は単線で1面1線の構造。跨線橋にはエレベーターが設置されているが、ホームへは階段もしくはスロープによってアクセスする。
駅ホーム上には交通系ICカード(10カード)の読取り端末が設置されているが、城端線として利用できるのは新高岡-高岡の1駅間のみ。今回乗車する城端方面の各駅で利用することはできない。この先、2029年頃にあいの風とやま鉄道に移管されるというから、その際には利用できるようになる、かもしれない。
2025年現在、同線を走る車両は朱色一色、もしくは高岡にゆかりのある藤子•F•不二雄氏の作品にまつわるラッピング列車のみだが、跨線橋、乗車口前の壁面に掲げられているのは実際に走っているのとは異なる塗り分けの車両。この塗色は「高岡色」というそうで、2016年頃まで走っていたというから、北陸新幹線開業に伴う同駅開業の直後までは走っていた、という感じだろうか。
ホーム上に設置されている自動券売機はよくみるタッチパネル式のものではなく、ボタンのついた昔ながらの構造のもの。「交通系ICカードが使えます」という記載はあるが、利用できるのはチャージのみで、カードを用いて切符の購入はできない模様。もし現金の持ち合わせがない場合は、新幹線駅に戻ればクレジットカード対応の自動券売機が設置されているはず。
お昼過ぎの中途半端な時間帯ゆえ、列車は比較的空いているだろうと思いきや、やってきた列車は関西の朝ラッシュくらいの乗車率。どうやら学生の下校時間帯にぶつかってしまったらしい。現在は1時間に1本程度が運行されている城端線だが、前述の第3セクター移管の際には大幅に手が加えられる計画で、本数も1.5倍程度まで増加するんだとか。
列車は全線にわたって混雑していて、終着の城端駅でも目測で20名以上が降車。少し山の方に入った影響だろうか、この辺りは高岡市内よりも幾分気温が低いように感じる。調べてみると、同駅の標高は海抜123.4mとなんとも並びの良い数字。
城端駅は2面2線だが、どうやら2025年現在では奥のホームを利用することは殆どないようで、駅舎側のホームに到着。駅の高岡方には割と大きな穴が空いているが、これは蒸気機関車用の転車台跡で、富山県で現存しているのは同駅のみだそう。現在は花壇として整備されているとか。
隣のホームの奥には除雪用の車両が停車中。どうやら「除雪モーターカー」というそうで、所謂「ラッセル車」よりも1回りほど小さい。それにしてもこの辺りは高岡よりも標高の高い分、一度雪が降れば中々積もりそうな雰囲気。
(偶然見かけた「ラッセル車」についてはこちら)
駅舎は改修をされつつも1897年の開業当時のものが現役というから、築100年を超えているということになるだろうか。「中部の駅100選」にも選出されているらしい。
線路はホームを超えてしばらく延びていて、機関車の機回しができるような構造になっている。この辺り一帯はかつて木炭を生産していて、1970年代までは貨物列車も運行されていたというから、当時利用されていた設備ということになるだろうか。屋根から吊り下げられた「城端」のホーロー看板がなんともレトロ。
同駅の脇には比較的大きなバス乗り場があり、駅周辺のほか、白川郷•五箇山、金沢駅、富山駅へ向かうバスが発着している。今回はこのうち金沢駅へ向かうバスに乗継ぎ。
第3セクター移管による路線の活性化は素晴らしいことだと思うが、各公共交通機関で乗務員不足によってみるみるうちに便数が減っていっているなか、果たしてこの路線の増便は叶うんだろうか、というのはちょっと気になるところ。
というお話。