便名 : スペーシアX8号
日付 : 2024/06/xx
区間 : 下今市(15:50)→浅草(17:35)
所要時間 : 01:45
乗車クラス : Compartment
運賃 : 11,340円(クレジット+交通系ICカード決済)
運行 : 東武鉄道
東武鉄道の新型特急「スペーシアX」に乗って下今市駅までやって来た。が、この日は晩に都内で用事があり、10分に満たない現地滞在時間でとんぼ帰り。
(往路についてはこちら)
乗ってきた下りの「スペーシアX9号」が若干遅れていたこともあり、一旦改札口を抜けようとしたタイミングで復路で乗車する上りの「スペーシアX8号」が入ってきた。そういえば、同駅の自動改札機にはスペーシアXの模型がディスプレイされていた。
ちなみにこの列車は鬼怒川温泉駅を15:21に出発、下今市駅に15:44に到着すると約6分停車し、東武日光駅を15:40に出る普通列車と接続を取ってからの出発。この列車に限らず、鬼怒川温泉方面発着の特急列車にはそれぞれ東武日光発着の列車が連絡している。
そういえば、幼い頃に日光を訪れたときには「特急連絡」という専用の列車が設定されていたような記憶があるが、現在接続しているのは普通列車。
下今市駅には跨線橋が2つあるが、このうち東武日光•鬼怒川温泉方の跨線橋は「旧跨線橋レトロギャラリー」としてかつて掲示されていた?ポスターなどが掲げられている。
上り列車は2種類の個室が用意されている6号車を先頭に、往路に乗車した「コックピットラウンジ」のある1号車が最後尾となる6両編成。
日光に向かう場合の乗車駅となる浅草駅は売店が充実していなかったが、上り列車の乗車駅は鬼怒川温泉駅、東武日光駅、下今市駅のいずれも比較的駅構内の売店が充実している。下り列車は目的地に到着して宿か町で食事をするから、特になくてもという感じだろうか。
100mちょっと歩くと先頭車両に到達。往路は「コックピットラウンジ」を利用したが、復路はスペーシアXに2種類あるうちの標準的な方の個室、「Compartment」を利用する。
乗車口には客室乗務員さんが待機していて、Web特急券を呈示して客室へ入った。この車両には上級個室の「Cockpit Suite(定員7名)」が1室と、標準的な個室の「Compartment(定員4名)」が4室の計5室が配置されている。
客室内は現行「スペーシア」の絨毯敷きの床に白系統の壁といった落ち着いた雰囲気からは一変して、「スペーシアX」は床はフローリングで壁は明るめの赤系統と割と軽めの雰囲気。ただ、その一方で個室の利用料金は現行スペーシアの3,770円からスペーシアXでは8,000円と大幅に上昇している。今までが安過ぎたような気はするが、えらい上昇率。
(「スペーシア」の個室はこちら)
個室は定員4名で、通路と同じ赤系統の壁紙の部屋にコの字型にソファーが設置されている。それほど大きな部屋ではないので、4人しっかり座ると大きな荷物を置ける余裕はないので、荷物置き場を活用することになるだろうか。また、窓は進行方向右手(西側)のみでそれほど大きくないので、座席に腰掛けているとあまり外の景色は見えない。
なお、個室を利用する場合、最後尾(上り列車の場合)にある「コックピットラウンジ」を予約なしに利用することができる。復路では利用しなかったので詳細な運用は不明だが、特急券が利用証明になっているようで、これを呈示することで利用できるようになるとの説明。どうやら何らかの粗品がプレゼントされるのだとか。
なお、同ラウンジにはフリースペースが設定されていないため、購入した商品は客室へ持って帰ってきて楽しむようにと乗車してすぐに客室乗務員さんから注意喚起があった。
ソファ前の折り畳み式テーブルは固定されていて折り畳んだままでも利用できるものの、通常は広げて使うことになりそう。また、出入口は施錠できないので、離席する際、貴重品などは身につけておく必要がある。
半透明の窓がついた出入口の引き戸右側に設置されているボタンは暖房の操作盤で、冷房については調整することはできなさそう。乗車したのが比較的気温の落ち着いた時期だった上に最新の車両という組み合わせゆえ、特に暑い寒いということはなかったが。
窓際には照明が2基設置されていて、個別に点灯/消灯を制御することが可能。その土台部分には各1口のコンセントが設置されている。登場時期の差による影響が大きいが、これは足下に隠れて設置されていた現行車両と比べるとだいぶ便利になったポイント。
そういえば、高速バスはUSB電源が一般的な一方で鉄道車両はコンセントが主流の印象があるが、USB電源の方が出力は低く抑えられるんだろうか。
ルートとしてはつい先ほど来た道を戻るだけで、特記するようなイベントもなし。強いていえば個室の窓は進行方向右手側にしかついていないから、部屋の中で大人しくしている分には一般客室よりも入ってくる視界情報が少ないなという感じ。
ともあれ、下今市駅から2時間弱で定刻通りに浅草駅に到着。浅草駅発のスペーシアXは15:00発が最終で、この車両は店仕舞いをして車庫へ戻っていく。他の日光線系統の特急車両は入庫ついでに春日部あたりまで営業運転して帰っていくこともあるが、こちらのスペーシアXは今のところ純粋に回送で帰っていくらしい。
この日はその後銀座線沿線に用事があり、東武浅草駅から銀座線へ乗換え。メジャーなルートではないが、東武浅草駅の改札を抜けて駅西側にある「新仲見世」に入ると、進行方向左手のぱっと見地下鉄の駅へ繋がっているとは思えないような場所に駅の入口がある。
地下街はこんな様子で、2020年代の日本とは思えないような雰囲気。どこか海外を歩いているような気分にすらさせられるが、どうやらここは日本最古の地下街なんだとか。そんな地下街を突き当たりまで歩いていくと、銀座線の改札口までダイレクトにアクセス可能。
全く余談だがこの地下道の中途には昔ながらの理容室があり、店頭の看板はかつての銀座線の駅名標を模したデザインになっていた。よくよく考えると銀座線の駅名標は細いタイプが多く、このサイズのものはあまり見かける機会がないような。
最後のほうはスペーシアXと無関係の話題になってしまったが、一度利用してみたいと思っていた個室を利用することができ個人的には満足。機会があれば「Cockpit Suite」の方も利用してみたいが、流石に18,000円というのは簡単には手が出しづらい金額。7人まで利用できるそうなので、あるべき使い方(団体)で利用する機会があれば、という感じだろうか。
利用してみて「スペーシアX」が出来のいい車両であることに異論はないが、現行「スペーシア」と比べて倍ほどの料金というのは少し価格差が開き過ぎかな、という印象。現行車両が完全に引退するまでは、個室を利用するのであれば現行車両の方がお得かな、という感じ。
というお話。