便名 : 便名なし
日付 : 2024/07/xx
区間 : 羽田空港第2ターミナル(19:20)→籠原駅南口(22:00)
所要時間 : 02:40
乗車クラス : 普通席(全席指定)
運賃 : 3,000円(クレジット決済)
運行 : 東京空港交通
羽田発着の空港連絡バスシリーズ。埼玉方面に用事があったのをいいことに、今まで利用したことのなかった羽田空港と東武東上線の坂戸、森林公園駅、JR高崎線の熊谷を経由して籠原駅までを結ぶ路線に乗ってみた。
(事業者公式サイトはこちら)
土地勘がなく今までそれほど混雑する路線だとは思っていなかったのだが、どうやら割と人気路線のようで、出発5分前にチケットを購入した時点では空席が残り10席ちょっと。この路線は近頃の東京空港交通の路線に多い座席指定制で、車両中央あたりの通路側座席が指定された。
同社のシステムは自動券売機では乗客側で座席を指定できないが、グループ客の場合は並びの座席が優先され、また1人客の場合は窓側のA列/D列から埋めて行って、窓側が全部埋まると通路側のB列/C列を前から順に埋めていくようなシステムになっているんじゃないかと想像している。

今回乗車したのは東京空港交通の運行便。かつては茨城県や群馬県まで足を伸ばしていた同社だが、COVID-19中に長距離路線の運行休止*1が増えた結果、2024年7月現在では羽田空港から運行される同社路線の中では最長距離かもしれない。

バスは後部化粧室付きの中長距離仕様。補助席が設置されているが、座席の表地など基本的な内装の仕様は「Super Cabin」に準じている比較的最近の車。まじまじ見ると枕カバーの鮮やかなオレンジ色のインパクトがなかなか強い。

最近の高速バス車両はUSB電源が設置されているケースが多い中で、この車両はコンセントが座席ごとに1口ずつ設置されている。ちなみにA/B列とC/D列を比べると、補助席が設置されているC/D列側(運転士側)の方が少し足元が窮屈。いずれにしても座席を選択することはできないのだが、混んでいると通路側に足を逃がせるA/B列側の方が快適なように思える。

バスは羽田空港を出発すると首都高速湾岸線、大井ジャンクションから中央環状線、熊野町ジャンクションから5号池袋線を経由して美女木ジャンクションへ向かい、そこから外環道を掠めて関越自動車道のルート。
日によっては中央環状線がえらく渋滞することもあるが、この日はかなり順調。以前羽田空港から大宮駅へ向かう路線に乗車した際には羽田空港を出てから熊野町ジャンクションまで1時間以上かかったが、この日は羽田空港を出て1時間が経つ頃には都心を離れて関越自動車道に入っていた。
(渋滞した日の記録がこちら)
渋滞がないこともさることながら中々勢いの良い走りをしていたようで、関越自動車道から鶴ヶ島インターチェンジで一般道に出、最初の停留所となる東武東上線、越生線の発着する坂戸駅に到着。同駅の到着は定刻よりも約35分早い20:30頃で、乗客の半分程度が降車。
羽田空港から坂戸駅まではどんなに急いでも鉄道を利用すると2時間弱を要するところ、所要時間1時間で来ることができるとなると、人気の理由も理解できる。ただ、バスは鉄道運賃の概ね倍ほどかかるから、時間を取るかコストを取るか、という感じだろうか。

バスは坂戸駅を出ると鶴ヶ島インターチェンジから再び関越自動車道に入り、東村山インターチェンジまで走行し、東武東上線の森林公園駅に到着。ちょうど駅が高速道路に近かったからこんな経路になっているんだろうが、空港連絡バスで高速道路を乗って下りてというのは割と珍しいような。
森林公園駅から先は一般道で、埼玉県道173号線、国道407号線のルート。県道といっても元々は「熊谷東松山道路」なる有料道路だったようで、流れはかなり順調。ただ、それなりに勢いよく走っても熊谷駅の到着時刻は坂戸駅到着時点の早着35分から全く縮まらず21:05頃到着。ダイヤはかなりカツカツなのかもしれない。
ちなみに熊谷駅は相対的に栄えている北口側ではなく、南口側バス停からの発着。こちら側にロータリーがあることは今回このバスを利用して初めて知った。ちなみに空港連絡バスの他にも森林公園駅行き、群馬県の太田駅行き路線バス*2なんかもこのロータリーから出発している。

残った乗客の大半も熊谷駅で降りるのだとばかり思っていたがそんなことはなく、両手で収まるかどうかくらいの人数が終点の籠原駅まで乗車。高崎線を跨いで国道17号線を走るのかと思ったが、同線の南側を並走する「さくら運動公園通り」経由で籠原駅へ向かった。終着の籠原駅南口へは21:25頃の到着で、一般道区間は終始ダイヤ通りといった感じ。

逆方向、籠原駅から羽田空港へ向かうバスは03:30発の始発から04:40発、05:30発の便までが東京空港交通の担当の模様。到着した時点でも復路の出発時刻まで6時間しかないが、運転士さんたちは車庫に車を停め、少し仮眠して折返し、なんだろうか。想像するだけでも大変そうなお仕事。

JR高崎線沿いはともかく、東武東上線沿線へは渋滞がなければ圧倒的にバスの方が早く、乗車率が高いというのも乗車して納得した。
将来的にJRが羽田空港に直結するようになると、場合によっては熊谷•籠原までJRの方が早く到達できるようになるかもしれないが、目先は両者の所要時間に大差はなく、快適性と所要時間のバランスの良いのが空港連絡バス、といった感じ。それにしても、JRの羽田空港アクセス線が開業する10年先となると、首都圏の公共交通機関はどうなってしまっているんだろうか。
というお話。