日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【搭乗記】UAE/EK0187(ドバイ/バルセロナ)


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便名 : UAE/EK0187
日付 : 2017/12/xx
機材 : A380-800
区間 : ドバイ(DXB)15:35→バルセロナ(BCN)20:10
所要時間 : 07:35
区間マイル : 約3,200
搭乗クラス : ビジネスクラス
運航会社 : UAE(エミレーツ航空)

世界最大の旅客機、A380型機。低燃費機での地点間輸送が主流になる中で、4発機でのハブ・アンド・スポークに全力を注いだ、ある種トレンドに全力で抗った飛行機。

世界にはそんな飛行機を全力で運用している、エミレーツという会社がある。2020年7月現在、同社はA380だけで115機を運用しており、8機が納入待ちだとか。昨今COVID-19の感染拡大によって突如として全機退役する航空会社もあるなか、今後もしばらく運用を続ける、という噂も流れている。 

(以下、公式サイトのリンク)

www.emirates.com

今回はそんなエミレーツA380の搭乗記。当日は早朝からドバイ郊外で気球に搭乗し一旦ホテルに戻って休憩した後、ドバイメトロに乗って出発の3時間ほど前に空港にやって来た。気球の様子については、そのうち機会があれば記事にしてみようと思う。

出発地となるドバイ空港は世界有数のハブ空港で、過去には世界最多の旅客数を記録している。そんな空港とあって、ターミナルはすべての施設が規格外で、ラウンジについても例外ではない。

ドバイ空港 エミレーツラウンジ 平面図

1フロアぶち抜きのラウンジ

1フロア丸々、数百メートルに亘りラウンジが占有しており、搭乗口へはコンコースを介さず直接アクセスできるような仕組みになっている。聞くところによればホノルルのANAラウンジも同様のつくりだそうだが、あれは特定の搭乗口のみ対応しているのに対し、こちらは全ての搭乗口が同様の構造。ラウンジ内には物販店まで設置されている。

ドバイ空港 エミレーツラウンジ

ラウンジ内とは思えない

それにしても当時よもやブログを開設するとは思わず、ろくな写真がないのが残念。ともあれ、しばらくして搭乗開始の時刻になり、先述の専用搭乗口から機内へ。エミレーツビジネスクラスは比較的開放的な仕様。

EK187便 ビジネスクラス A380 シート

あまり個室感はない

この辺りは各航空会社の個性が出やすいところ。全く余談だが、A380というのは収容力を重視する座席配置にされがちなのか、各社とも最新のプロダクトは入れない気がするのだが、これは気のせいだろうか。

シートはライフラットで、JALでいうところの「SHELL FLAT」に近いシート。他の機種を含め、機内の装飾には比較的力を入れているのにフルフラットにしないのは意図があるのだろうか。個人的には寝ているとどんどん滑り落ちていくので、正直さほど好きではないのだが…。

座席はともかく、窓のシェードは自動でコントローラーはタブレットと、設えに投資している感じがさすがエミレーツ。各座席にミニバーが設置されている飛行機に搭乗したのは初めて。

エミレーツ ビジネスクラス B777 シート

(別日撮影)B777のシート。A380もだいたい一緒

今回搭乗したA380に限った話ではないのだが、2階建ての飛行機は機体が湾曲している関係で窓が遠く、総じて眺望が今一つ。別の機会に搭乗したB747の2階席もそうだった。

正直飛んでしまえば1階も2階も景色にさほど差があるでもないから、地上にいるうちが一番風景的には楽しめる瞬間。それにしても、空港内のそこかしこにA380が止まっている風景というのは異様。

EK187便 ビジネスクラス A380 アッパーデッキ ドバイ空港 機窓

窓が遠い

搭乗したのが年末ギリギリの時期だったせいか、搭乗率はかなり低め。見渡す限り他の乗客が搭乗している様子はなかった。

出発してしばらくすると機内食。せっかくだからとアラビックにチャレンジしたのだが、酸味が強くなかなかインパクトのある味。何とか完食したものの、私にはまだ早かったかもしれない。

EK187便 エミレーツ ビジネスクラス 機内食 アラビック

総じて酸っぱい

ドバイからバルセロナまでは約7時間だが、早朝から活動していたこともあって、概ねだらだらと惰眠を貪りながら過ごした。エンジンから遠いこともあってか、騒音は比較的静か。ただ、やはり最新型のA350の方がより静かなような気がする。

A380といえば各社充実した機内設備を売りにしている。お手洗いに立ったタイミングで、せっかくなのでバーカウンターに寄ってみた。他の乗客が乗務員と談笑していたので、少し眺めて邪魔せず退散。

EK187便 エミレーツ ビジネスクラス 機内 バーカウンター

機内らしからぬ風景

フライトは7時間弱でドバイ-日本路線の2/3程度。少し寝るとあっという間に着陸体制。冬の欧州は日も短く、既に真っ暗なバルセロナに20時頃到着。降機するとすぐに入国審査があり、特に問題なく入国が認められた。

…のだが、A380の欠点として、どういうわけか預け荷物の回収に異様に時間がかかる。この日も手荷物回転台の前で待つこと1時間ほど。先述の通り、見る限りこの日の乗客はそれほど多くなかったから、機材に関係なくスペインのお国柄もなのかもしれない。ただ、これ以降数度あったA380搭乗のたび待ち時間は大差なかったわけで、どうしたって普段よりも待つことは避けられないのだろうと思う。

荷物が回収されず徐々にコンベアが埋まっていき、最終的に荷物の回収<荷物の排出になって、コンベアに二段三段重ねになるのも、A380の便では比較的よく見かける風景。

機体の大きさが当初空港を設計した時点では想定されていなかったからか、各地の空港施設がどうにも耐えきれていない印象を受けてしまう。これら色々な事情を勘案した結果、当時から今に至るまで、複数候補が選べるときは出来るだけA380を避けて旅行している。大きすぎでも小さすぎでもなく、ほどほどが一番快適に移動できる。初登場からまだ10年ちょっと。超大型機というジャンルが今後どうなっていくのか、興味深いところ。