便名 : 草津•四万61号
日付 : 2025/03/xx
区間 : 上野(09:05)→高崎(10:31)
所要時間 : 01:26
乗車クラス : 普通車指定席
運賃 : (交通系ICカード+クレジットカード決済)
運行 : JR東日本
どういう訳か2025年は頻繁に群馬県を訪れているが、今回もそのひとつ。できる限り毎回何かしらを変化させているが、流石にそろそろネタも尽きてきた。そんな中で今回利用したのは以前乗車したことのある高崎線系統の特急「草津•四万」号。定期列車の方は過去利用したことがあるが、今回利用するのは使用される車両が異なる臨時便のほう。
(通常列車のほうはこちら)
そんな訳でやって来たのは上野駅。中央改札の正面にある行数の多い電光掲示板は相変わらずの存在感だが、2025年3月のダイヤ改正で常磐線系統の特急列車はついに上野駅始発の定期列車が消滅。日常的に地平ホームを発着する特急列車は高崎線系統のみになってしまった。
出発時刻の10分ほど前、08:50過ぎに折返し草津•四万61号となるE653系車両が回送列車で到着。どうやらこの列車、2025年3月時点ではグリーン車の有無で号数を変えているようで、グリーン車付きの場合は61号、全車普通車の場合は71号が付番されている。71号の場合は定期列車と同じ車両。
かつて16•17番線が特急列車専用ホームだった時代、ホームの入口には中間改札が設置されていたが、上野東京ラインが開通して以降だろうか、中間改札は綺麗さっぱり撤去され、現在ではそこにあったことすら分からないようになっている。
なお、2025年3月のダイヤ改正後は定期列車は全て品川駅始発、高架ホームからの出発となり、地平ホームから出発する常磐線の定期特急列車はなく日中の稼働率は低め。最近のJR東日本を見ていると商業施設にでもしそうだが、高架ホームが重なっていて高層の建物は建てづらく、しばらくはそのままだろうか。
草津•四万61号は16番線からの出発で、ホームには常磐線、宇都宮線、高崎線の表示がされている。かつては在来線も20番線まであったようだが、新幹線の開業以降、順々に縮小していって現在は17番線まで。どうやら物理的には17番線から東北本線、高崎線方面に出発することもできるようだが、17番線の案内看板は「常磐線」のみ記載されている。余談も余談だが、日に数本だけ、常磐線の普通列車にも地平ホームに到着する便がある(出発はなし)。
先日乗車した「水戸偕楽園高尾」号に用いられていたE653系車両はクリーム色に赤い帯の、いわゆる「国鉄色」と呼ばれるカラーリングの車両だったが、今回乗車した「草津•四万」号の車両はかつてのフレッシュひたちを彷彿とさせるデザインのほう。ただ、常磐線で走っていた頃に水色帯の車両はおらず、当時の塗色は期間限定で後継車両(E657系)が纏っているという不思議な状態になっている。ちなみに先頭部の白い部分には列車の愛称などが表示できるようになっているが、臨時列車とあって無表示になっている。
(その後継車両についてはこちら)
「水戸偕楽園高尾」号ではグリーン車に乗車したので、今回は普通車指定席を手配。元々全車普通席の列車だったため、グリーン車は2列+1列の大柄な座席が新たに設置されているが、普通席の方は表地の変更はされているもののフレーム自体は従来通り。
(同列車のグリーン車はこちら)
座席は背もたれがリクライニングするほか、座面がスライドする一頃のJR東日本の特急列車で流行った仕様。2000年代後半くらいからは全く見なくなったが、メンテナンス性の問題だろうか。
ころころ変わる外装とは打って変わって、内装は座席の表地以外はほとんどそのまま。新潟在籍時代は座席上部にチケットホルダーが設置されていたが、首都圏に戻ってきたタイミングで取り外されたらしい。臨時列車は普段乗り慣れない層が利用することが多いから、置き忘れ防止という意味では賢明な判断かもしれない。
上野駅構内には何軒か「駅弁屋」があり、国内各地、特に東日本の有名駅弁を販売しているから、それを購入しても良かったのだが、今回はNewDaysで手軽な「万かつサンド」を購入。上野動物園に近い上野駅ということで、パンダ柄の特別包装になっている。味は一緒。
行楽地へ向かう列車にしては運転する日が変なこの列車、恐らくは東京方面へ向かう需要を拾うための上り列車を運転するに際し、回送で持っていくくらいなら営業するか、という感じにもみえ、下り列車は車両の半分ほどが空席の状態で上野駅を出発。
上野から高崎までの所要時間は86分で、概ね新幹線(約45分)の倍の所要時間。さほど差がつかないのは上野から大宮までの埼京線並走区間のタイムロスが響いている影響。こちらの列車で言えば、距離がおよそ100kmなので表定速度は約70km/hということになる。
定期列車もそれほど攻めた走りではないが、こちらは臨時列車ということも相まって一段とのんびりとした走り。とはいえ途中の数駅では先行する普通列車を追い抜くなど、特急列車らしい一面もちらほら覗かせている。
今回の目的地となる高崎駅が近づいてくると、進行方向右側には貨物列車用の機関車が多数停まっているJR貨物の高崎機関区がある。以前は貨物用の機関車といえば灰色のイメージがあったが、いつの間にか青一色にデザインが変わっている。
高崎機関区の高崎駅側にはJR東日本のぐんま車両センターが広がっていて、本線側には事業用車両が停車中。この車両たち、ここ2-3年の間に急速に数を増やしたような印象がある。
そうこうしているうちに高崎駅へ到着。どうやら高崎駅までは新幹線でやってきて、ここから特急列車に乗り換える乗客も一定量いるようで、ホームではそれなりの人数が列車を待ち受けていた。
新幹線は便利なのだが、こと首都圏に近いエリアは防音壁が高くて眺望がいまひとつ。対して在来線特急は速度こそ遅いものの、視界がひらけているのが良いところ。タイムロスが大きく毎回利用するわけにはいかないが、たまにはこんな移動も悪くない。
というお話。