訪問日時 : 2022/08/xx
出発地点 : 岐阜県郡上市白鳥町石徹白(下在所バス停)
到着地点 : 福井県大野市朝日前坂(前坂家族旅行村バス停)
移動距離 : 約8.6km
所要時間 : 約1時間30分
長良川鉄道越美南線で北濃駅までたどり着き、バスで「下在所」バス停に到着。ここからは9km弱を歩き、岐阜/福井の県境を越えてJR越美北線九頭竜湖駅へ向かうバスの出発する「前坂家族旅行村」バス停を目指す。学生の頃は30kmくらいまでなら歩くことができた*1が、ここ最近はしばらく長距離歩いたことはなくどうなることやら、といった感じ。
(ここまでの移動はこちら)
■ ルート概要
※ 地図上の経路は実際の経路と異なるケースあり。あくまで概要の理解として。
12:58に「下在所」バス停を出発。目の前に見える交差点を左折するとほとんど分岐はなく、ただひたすら目の前の道を進んでいくことになる。
今回のルートはほとんど常に川沿いを歩いていく。序盤は田んぼがあるようなひらけた所を進んでいたが、10分も歩くと徐々に道が細くなってくる。
ご覧の通り道路の交通量は少ないが、全く車が来ないという訳ではなく、30分に1台くらいは車がやって来る。イヤホンなんかをして歩いていて、突然やって来た車に轢かれないように注意。
出発からずっと並走している川は「石徹白(いとしろ)川」。それにしても、この「石徹白」というのは読めそうで読めない難読地名。脱線ついでに余談だが、この地域は「昭和の大合併」以前は福井県の市町村だったのだそう。すったもんだして1958年に岐阜県に編入されるといったような、国内ではなかなか珍しい経歴がある。
出発から15分ほどで通行規制区間の入り口に到達。今回歩いているこの県道127号線、当日は特に規制もない晴れた日だったが、訪問のつい数日前までは大雨でしばらくの間通行止めになっていたらしい。また、冬期は長期間通行止めになるそうなので、訪問前に道路の規制状況は確認されることをおすすめする。
(岐阜県道の通行止め情報)
(福井県道の通行止め情報)
この辺りから徐々に携帯電話の電波の入りが徐々に悪くなってきた。完全に圏外というエリアはそれほど続かなかったが、動画なんかは流せないくらいの通信状況(docomoとau)。
スタート地点の「下在所」バス停までの間、バスで急勾配(桧峠)を上がってきたが、徒歩の約9kmの間は目に見える厳しいアップダウンはなく、概ね平坦。ただ、電灯もガードレールもないから、夜中歩くのはちょっと厳しそう。
出発から30分ほどでルート上唯一のトンネルを通過。この辺りではちょうど道路工事をしていて、数台の車が道路沿いに駐車していた。
ずっと川沿いを歩いてきたが、トンネルを抜けると道路と川面の高さが一段と近づいてきた。山奥だからだろうか、水が作り物のような、模型のジオラマのような色をしている。
出発して40分ほどで岐阜県と福井県の県境に到達。ここまでは岐阜県郡上市だったが、ここから先は福井県大野市の市域。特に県境を示すような「ようこそ」や「またのお越しを」のような看板はなかった。
県境の辺りには道路の上を川が流れている「洗い越し(あらいごし)」が設置?されていて、その先に設置されている道路標識が唯一福井県に入ったことを示している。「奥越漁業協同組合」というのは福井県の団体だろうか。ちなみに手前、岐阜県側は「石徹白漁業協同組合」の管理区域のよう。
引き続きひた歩くと、物資運搬用と思われるロープウェイが現れた。朽ちている様子はなく、割と整備されているようには見えたが、これは実用されているんだろうか。
今回、岐阜県と福井県にまたがって歩いているが、このルートに関してはほとんど県による差異を感じなかった。過去自転車旅行で走ったときなんかは、自治体によって道路の整備状況が目に見えて違ってビックリしたこともあるのだが。
この辺りから徐々に川沿いを離れていき、気づくと道路は割と高いところまで上っていた。ただ引き続きガードレールはなく、覗きこむと少し怖いくらいの高さ。ちなみにここらで時計を見ると、ちょうど1時間が経過したところ。幸いにしてそれほど脚がしんどい感じもしない。
しばらく歩くと道幅が広がって2車線になり、広い池のような所に辿り着いた。ここが重力式アーチダムの「石徹白ダム」。水はこの先九頭竜湖に入り、長野発電所で発電に利用されるのだとか。
ダム下流側はこんな感じ。水の流れ方は大分県竹田市にある「白水堰堤」に似ている。ぶっちゃけて言えばあちらの方が綺麗なので、これもまた機会があれば記事にしてみようかと思う。
ダムの脇を通過すると、道路は緩やかにカーブしながら川を跨いで対岸へ渡る。ダムが建設されたからだろうか、この辺りはここまで歩いてきた道よりもだいぶ道路が整備されているような気がする。
スタートから8kmほど歩くとさすがに少し脚が疲れてきたものの、なんとか踏破できそうな目処が見えてきた。尤も、休もうにもお店どころか自動販売機の一台すら見当たらないから、その場に座り込むくらいしかできないのだが。
ちなみにこの先乗り継ぐバスは15:35発だが、その前には1時間前予約制の14:40発という便がある。当初計画した段階ではこの便に間に合うんじゃないかと思っていたが、実際歩いてみるとギリギリ間に合わないくらいの感じ。
もう少し時計を睨みながら厳密にペースを保てば間に合ったかもしれないが、そこまでする気力もなかった。そもそも十分に電波がなく、間に合うペースだったとして予約〆切のタイミングで電話がつながるかどうかも怪しかったが。
九頭竜湖駅から乗り継ぐJRの列車が変わるとなれば目の色変えて歩いたかもしれないが、いずれの便に乗っても接続する列車は変わらず、急ぐインセンティブが働かなかったというのもあって今回は成り行きで乗れる便に乗ることに。
もはや自然と一体化してしまった落石防止の柵?を過ぎると間もなくゴールの「前坂家族旅行村」バス停に到着。
この「前坂家族旅行村」、こうして道路沿いから見ると閑散とした施設に見えるが、バス停でバスを待っている間の1時間弱の間に10台以上の車の出入りがあり、思いの外人気のある施設のよう。
なお、後に調べて知ったが、福井県もそれなりに熊が生息しているようで、今回歩いてきた付近でも定期的に熊の出没が記録されている。今回は運よく遭遇せずに済んだが、電波も通じないようなところなので十分に対策をしておくことをおすすめ。
というわけで約8.6kmを踏破し目的の「前坂家族旅行村」バス停に到着。所要時間1時間50分、4.69km/hといったところ。序盤は5km/hを超えるペースで歩いていたが、徐々にペースが落ちてしまったらしい。
バスの出発時刻までは約45分あるが、ここでも特に時間を潰せるような施設は見当たらない。次のバス停か九頭竜湖駅まで歩いてみようと思ったが、下手なことをしてバスを逃すのも怖かったのでのんびりバスを待つことにした。
■ まとめ
- アップダウンはそれほど多くないから、問題は距離。
- 冬期は通行止めになるので、それ以外の期間に訪れること。
- ところどころ電波がない。念のため熊対策は忘れずに。