日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【自転車】2019年夏・北海道1周(Day14)


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日時 : 2019/08/xx

■ Day14
区間 : 北海道上ノ国町→北海道函館市
距離 : 144.45km
実走行時間 : 9時間56分
平均速度 : 14.5km/h
経路 : 国228

あっという間に14日目。

(前日の記録はこちら) 

biketourist.hatenablog.com

半月も、しかも北へ南へと走っていると、それなりに季節の移ろいを感じる場面もちらほら。晩夏は好きだけれど、いよいよ夏の終わりが見えてくると何とも寂しい。

この日は松前半島をぐるっと廻って函館を目指す。函館まで無事走破できれば、前回2017年の夏に走破済の苫小牧→函館(噴火湾廻り)と合わせて無事北海道一周が達成されるという算段。

宿泊したのはこの旅2度目?の朝食つきの宿で、お願いできる最速の時間に朝食を準備してもらって7時前に出発。天気予報では午前が曇り、午後は雨の予報で、できるだけ天気が悪化する前に距離を稼ぐ目論見。

スタート後はしばらく南下し、まずは北海道最南端の白神岬を目指す。道は最高所でも100m未満でそれほど坂道という感じでもないのだが、この日はなかなか向かい風が強く、漕いでも漕いでも速度が上がらない。風に押されつつ、なんとか3時間ほどで松前町の中心地を通過。すると、ぽつぽつと雨が降りだしてきたが、まだ距離が残っていることもありずぶ濡れ覚悟でそのまま続行。出発から4時間ほどで北海道最南端の白神岬に到着。

白神岬 展望広場 自転車旅行

(@白神岬)辺りが真っ白になるほどの雨

既に少し濡れてしまったが、この先の走り方を考えるべく雨雲レーダーを眺めていたところ、付近一帯の今後30分ほどの予報はレーダーが示せる最大の降雨量を示していた。

さすがにこの状況で走り出す訳にもいかず、やむ無く雨宿り。すると数分後、今まで見たこともないような量の雨が降ってきた。幸い屋根のあるところで待避できたからよかったが、雷も近いところで連続して落ちており、もう少し到着するのが遅ければ危険な目に遭うところだった。前述の通り、出発前に確認した時点では当日の天気は曇りで、それほど天候が悪化する予報にはなっていなかったのだが…。

ともあれ、周りに宿も見当たらないようなところで日没を迎える訳にもいかず、ここからしばらくは前に進むか後戻りするかを考えながら走ることになる。ただ、最終日ということもあり、基本的には前進する方針。

しばらく雨宿りしていると、若干ではあるが雨が弱くなり再出発。この時点でまだ正午過ぎ、距離の割に朝早く出発していたのが功を奏し、再び天候が悪化し、雨宿りを余儀なくされたとしてもまだ日没までは若干の余裕がある。

北海道最南端 白神岬 自転車旅行

(@白神岬)天気がよければ海の向こうには本州が見えるはず

再開後しばらくは降ったり止んだりという感じ。雨が降って雨具を着込むとじきに止み、蒸し暑くて脱ぐと降りだす、といった状況。ここまでの日々を読み進めていただいた方は既にお気づきかもしれないが、夏の北海道は思っていたほど晴れの日は多くない。感覚としては半々か、1/3くらいしか晴れていない。

そのまま走っていくと、福島町に到着。今や新幹線が通過している青函トンネルはこの辺りから海中に抜け、青森県の竜飛岬まで続いている。そんなここ福島町には「青函トンネル記念館」があり、歴史を感じる展示物からはその難工事ぶりを垣間見ることができる。調べてみたところ、対岸の青森側にも同様の記念館があり、向こうは海面下140mまで降りられるそう。2021年時点でもまだ未訪だが、機会があれば行ってみたいところ。

青函トンネル記念館 福島町 自転車旅行

(@福島町)歴史を感じる展示物がたくさん

この「トンネル記念館」を越えてから知内(しりうち)までの区間が福島峠で、ちょっとした山登り。天気は再び若干持ち直し、ずぶ濡れで山越えという最悪のケースは免れた。

ここは比較的だらだらと長い峠で負荷のかかる時間は長いものの、それほど辛い思いをすることなく走破。峠の頂上にはトンネルがあり、トンネルを抜けるとしばらく緩やかな下り坂で知内の街へ向かっていく。途中には道の駅があり、隣接する新幹線の信号所の様子が眺められる展望台が設置されている。

知内から函館までは湾を時計回りに進んでいくようなかたち。道も比較的平坦で、速度は上がらないものの着実に距離を稼いだ結果、木古内に到着した頃には函館まで残り40kmほどに。ここでようやくこの日函館まで走り切る決心を固めた。

木古内の街に入った頃、再び雨がぽつぽつ降りだした…と思った数秒後、土砂降りのレベルを超えたとんでもない雨が降りだした。あまりにも強い雨は若干息苦しさを覚えるレベルで、海岸線近くを走っていたから海の波に呑まれたかとすら思うほど。これほどの雨が降るとさすがにそのまま続行とはいかず、せっかく決意を固めた直後に暫し建物の軒先で緊急回避。しばらくすると再び小止みになって再度出発。

1日に2回も強い雨に降られると、この頃にはそれなりに戦意喪失状態。いくら雨具を着用していても、これほどの雨ではなす術もなくずぶ濡れ。乾くまではコンビニに入ることも憚られるような状態で、ほどほど心が折れつつも、しかし何とか函館に辿り着きたいその一心で距離を縮めていった。

木古内からだらだらと2時間ほど走ると函館市のお隣、北斗市辺りまで到達。対岸にはついに函館山が見えてきた。天気がよければ、もっと鮮明に見えたのだろうが…。

北斗市 国道228号線 自転車旅行

(@北斗市)間もなくゴール

青森行きのフェリー乗り場の辺りでついに函館市に突入。ここまで来ると残りは10kmを切っており、函館駅はもう目と鼻の先。跨線橋函館本線を越え、数日ぶりに国道5号線と合流したのち2kmほど進み、18時ちょっと前に北海道1周のゴールとなる函館駅に到着。

国道5号線 JR函館本線 函館駅 駅舎 自転車旅行

(@函館駅)14日間無事に走りきりまずはひと安心

無事に走り終わったことを祝して、夕食は地場の有名ハンバーガー店「ラッキーピエロ」へ。疲労が溜まった身体には味の濃い食べ物が嬉しい。

ラッキーピエロ チャイニーズチキンバーガー

ラッキーピエロ名物「チャイニーズチキンバーガー」

食事の後は大人しく宿に戻って就寝。なかなか壮絶な一日だったという思いが走りきったという事実に勝っており、実感も湧かないままだが、翌日はいよいよ東京に戻ることに。

(参考)
今シリーズの累計走行距離:1,758.02km