日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】こまち35号(東京/大曲)


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便名 : こまち35号
日付 : 2023/06/xx
区間 : 東京(16:20)→大曲(19:40)
所要時間 : 03:20
乗車クラス : グリーン車指定席(アップグレード)
運賃 : 16,950円+3,000pt(クレジット決済)
運行 : JR東日本

何度かに分けて進めている東北地方の乗り潰し。今回は秋田県岩手県辺りを乗り進める旅程で、まずは夕方に東京を発つこまち号に乗って秋田県大曲駅を目指す。

JR東京駅 東北新幹線ホーム こまち35号のE6系

JR東京駅/秋田•山形新幹線乗り場はホームの上野方

東京駅から大曲駅までは直通ながら乗車時間が3時間を超えるためできる限り快適に移動したいところだが、こまち号のグリーン車は新幹線ながら在来線サイズの車体に2列+2列の横4列配置で、言ってみれば国際線のプレミアムエコノミーやJALのクラスJと同じような水準。

そのためわざわざグリーン料金を支払ってとなると少し躊躇するが、ちょうどJREポイントが貯まっていたから、これを利用してアップグレードすることに。3,000ポイントであればまあいいか、という気分になる。

フルサイズの新幹線との車体の大きさの違いはホームと車両の間の隙間にも現れていて、東京から盛岡までの各停車駅では車体側に設置されたステップが自動で展開されるようになっている。一定の速度に達すると自動的に展開、格納されるようで、比較的大きな音がしてびっくりすることも。ちなみに列車によって開く扉の向きが異なるからか、ホームと反対側も同時に展開する。

JR東京駅 東北新幹線ホーム E6系の補助ステップ

JR東京駅/ホームと車体の間には30cm以上の隙間

東京駅の北方面に向かう新幹線のホームは2面4線しかないため、それぞれのホームを占有できる時間は最大16分、正味では10分強しかなく、折返し車内清掃がある列車が乗車できるようになるのは大半の場合出発3分前くらい。乗車できる状態になって座席で荷物整理をしているとあっという間に出発時刻となり、列車は秋田に向けて出発した。

この座席、よく見ると背もたれが窓際席は窓寄りに、通路側席は通路寄りに若干オフセットして配置されているのが特徴的。座席のサイズを変えられないから、苦肉の策という感じだろうか。

JR秋田新幹線 こまち35号 E6系のグリーン車座席

こまち35号車内/シート横幅は普通席とほぼ同じ

列車の乗車率はことのほか高く、上野、大宮の各駅で乗客を拾い、満席で大宮駅を出発。ちなみにグリーン車は全体的に秋田新幹線沿線の「角館の武家屋敷」をイメージした空間になっているんだとか。

JR秋田新幹線 こまち35号 E6系のグリーン車

こまち35号車内/角館の武家屋敷のイメージ

大宮駅を出発して程なくすると、進行方向右手には鉄道博物館が見えてくる。つい最近開業したような気がするが、開館は2007年だそうで間もなく満17年。私は秋葉原交通博物館の世代であまりこちらは馴染みがないが、そんなに経っているのかとびっくりしてしまった。

JR東北新幹線 大宮駅出発直後の鉄道博物館

大宮駅付近/2007年開業の鉄道博物館脇を通過

列車は宇都宮駅までは275km/hで、そこから先は320km/hで走っていくと、大宮駅から35分ほどで170km近くを走破して福島県白河市まで到達。進行方向右手にはお城が一瞬見えたが、これは恐らくJR東北本線白河駅前にある白河小峰城跡だろうか。トップスピードの新幹線は1秒に約90m、1分で5km以上進むから、あっという間に視界から消えていった。

JR東北新幹線 福島県白河市付近

福島県白河市付近/城が見えるタイミングはほんの一瞬

そこからまた更に30分ほど走ると、列車は仙台駅に到着。東京駅から1時間30分、大宮駅からは1時間5分でここまで到達できるわけで、コストを無視すれば今や仙台すら東京の通勤圏内と言うこともできるかもしれない。

秋田行きの「こまち」は盛岡以遠の乗客に優先して席が割当てられていると聞いたことがあるが、仙台駅では若干乗客が降車し、車内にいくらか空席が見られるようになった。

JR東北新幹線 仙台駅の新幹線ホーム

仙台駅/ここで割と乗客が入れ替わる

仙台駅を出発して5分ほど経った進行方向右側には、利府にある新幹線総合車両センターが見えてきた。この日は見当たらなかったが、タイミングによっては同所に所属する試験車両、E956形(ALFA-X)が停まっていることも。

JR東北新幹線 こまち35号 宮城県利府市付近

宮城県利府市付近/時々珍しい車両が停まっている

列車は仙台駅から盛岡駅の約180kmを40分で走破し、18:33に盛岡駅に到着。ここまでは「こまち」と「はやぶさ」が併結して走ってきたが、同駅で両列車を分割してそれぞれ秋田、新青森に向けて出発する。ちなみにこまち号について盛岡から先の区間は車内販売がないようで、駅ホームに設置されている自動販売機にはその旨の注意喚起が掲示されていた。

JR東北新幹線 こまち35号 盛岡駅の新幹線ホーム

盛岡駅/秋田新幹線内は車内販売がない

列車は盛岡駅を出発すると単線の田沢湖線に入り、2つ目の大釜駅で一旦停車、秋田を出て東京へ向かうこまち42号と行き違い。余談ながら、同駅には秋田新幹線内で付着した雪を東北新幹線へ持ち込まないようにするための融雪設備が2019年に設置されている。地上から60℃の温水を噴射することで雪を落とすんだとか。

JR東北新幹線 こまち35号 田沢湖線内での列車交換

大釜駅/2019年に大規模な融雪設備が設置された駅

列車は雫石駅を通過すると、徐々に山間部に進入。ところどころ携帯電話の電波も入らないタイミングが出始めた。最も電波の状況が悪いのは赤渕駅から田沢湖駅の間で、約18kmの駅間の大半は電波がない状況。両駅間に岩手県秋田県の県境があり、線路は山間部を分け入るように走っているので沿線に人家もなく、携帯電話の電波を飛ばすニーズが乏しいのかもしれない。

そんなこんなしているうちに列車は定刻通り19:38に大曲駅に到着し、今回はここで降車。駅名標の通り当駅はスイッチバック駅で、3分しかない停車時間のうちに進行方向を切替え、また秋田からやって来る対向列車との行き違いを済ませて出発する。

JR田沢湖線 大曲駅新幹線ホームの駅名標

大曲駅/駅名標スイッチバック仕様

隣のホームには次に乗車する、19:46発の奥羽本線湯沢行き普通列車が停車中。こまち号の到着から普通列車の出発まで8分しかなく、あまり時間がないように感じていたが、実際にはかなりゆっくり乗換えてなお数分の余裕があった。

JR大曲駅 新幹線ホームから奥羽本線ホーム

大曲駅/隣のホームには階段昇降なしに乗換可能

グリーン車は秋田方の先頭車のため、大曲駅では最も改札口から遠いところになる。ホームを中間改札に向けて歩いていくうちに、隣のホームに秋田駅からのこまち48号が到着。定期列車としてはこれが東京行きの最終で、19:10に秋田駅を出発して23:04に東京駅に到着する。

ちなみに秋田空港からの羽田空港行き最終便は20:50発(2024年夏ダイヤ)で、これに対応する空港連絡バスは秋田駅前を19:25発。所要時間的には新幹線と飛行機がどっこいどっこいといった感じ。

(秋田空港からの飛行機についてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

JR大曲駅 新幹線ホームと上下線のE6系こまち

大曲駅/停車時間3分の間に行き違いと方向転換をして出発

乗車した2023年6月当時、秋田エリアはSuicaなどの交通系ICカードの利用ができるようになって間もないタイミングだったのだが、今回乗車する奥羽本線の新庄方面は引き続き非対応。中間改札の手前には自動券売機があり、ここで乗車券を購入して改札を通過した。尤も、この自動券売機は「IC」のロゴが掲示されている通り支払に交通系ICカードが利用できたから、タッチで乗車はできないものの実質的には対応しているという言い方もできるだろうか。

JR大曲駅 新幹線中間改札前の自動券売機

大曲駅/同駅周辺ではSuicaの利用ができないエリア

先代のE3系は量産先行車が1995年に登場し、2013年に引退しているから、活躍していた期間はおよそ18年と言うことになる。ともすると、まだ新しく見えるE6系新幹線も今年で登場から14年目を迎えるとなればそろそろ後継車の噂が出てくる頃だろうか。JR東日本の車両は上級クラスの座席が今ひとつだから、次世代ではもう少し快適になるといいのだが。

それにしても、JR各社のうち東日本と九州は運輸事業に愛着がなさすぎるし、企業風土が幾分おかしな方向に変化しつつあり、素人目には、両社はもう少し運輸事業を大事にしたほうがいいように見えてしまう。固定収益があるからこその信用と付帯事業だと思うのだが。

と言うお話。