便名 : 小江戸54号
日付 : 2025/07/xx
区間 : 本川越(22:00)→高田馬場(22:44)
所要時間 : 00:44
乗車クラス : 普通席(全席指定)
運賃 : 1,113円(交通系ICカード決済)
運行 : 西武鉄道
羽田空港からJR川越駅•西武新宿線本川越駅行きの空港連絡バスに乗り、終点の本川越駅へ到着。ただ、この日は特に川越に用事があるでもなかったから、西武新宿線で都心へ戻る。
(ここまでの移動はこちら)
バスの終着、本川越駅には定刻通り21:50頃到着。バス停は駅の正面にあって、バスを降りてすぐに駅へ向かうと同駅22:00発の特急「小江戸号」の出発に間に合った。流石にこの時間帯に都心へ向かう乗客もそう多くはいないようで、駅構内は割と落ち着いた雰囲気。
今回乗車する西武新宿線は西武新宿と本川越の間、約50kmを結ぶ路線。追加料金不要の一般列車のほか、概ね1時間に1本、全席指定の有料特急「小江戸号」が運行されている。所要時間は40分台で、一般列車(急行)よりは15分前後早く都心まで到達することができる。
乗車するに際し特急券を購入しようと思ったものの、改札外の自動券売機では特急券の購入ができず、また、窓口での特急券販売は既に終了している時間帯。どこで購入できるのかも分からないまま、とりあえず列車のほうへ向かってみることに。
西武新宿線の本川越駅は2面3線の線路配置で、全て頭端式で行き止まりになっていて、真ん中に特急専用ホームが設置されている。ただ、一般列車が10両編成なのに対し特急列車は7両編成のため両側の乗り場よりも停車位置が改札口から離れていて、ホームを50mほど西武新宿方に歩く必要がある。改札口からは都合100mほど離れているので出発直前に乗車する場合は注意が必要。
改札外で見つけられなかった特急券の自動券売機は結局列車の目の前に設置されていて、無事出発前に購入を完了。ただ、この券売機で購入すると座席の指定は属性しか選べないので、もし詳細に指定したい場合にはインターネット予約等を利用した方が良さそう。
池袋から飯能を経由して西武秩父まで向かう西武池袋線の特急「ちちぶ号」などに使用される車両については新型車両「Laview」に更新されているが、こちら新宿線系統については2025年時点では従来型の車両が使用されている。
ただ、どうにも老朽化というのは避けられず、2026年度に新型車両への更新予定があるが、その際には特急専用車両から「ライナー型車両」へ更新されるとか。池袋線系統でいうところの「S-TRAIN」のような車両になるのかもしれない。
前述の通り、本川越駅では改札口が最後尾側にある関係で、自動券売機で発売される特急券は最後尾の車両から発売している模様。さすがに隣り合わせの配席ではなかったものの、端から順に売り出しているのか、出入口に近い一定の区画に纏まっていた。
西武新宿線は本川越駅から西武新宿駅まで全29駅あるが、本川越駅を出発すると、途中停車駅は狭山市、所沢、東村山、高田馬場のみ。特に東村山から高田馬場までの区間は20駅近い駅数をまとめて通過するから中々豪快な列車。
路線はほぼ全線複線だが、本川越駅を出てから1km弱の区間だけ単線。本川越駅出発直後に他の路線、具体的にはJR川越線と東武東上線をアンダーパスする箇所があり、この部分の橋脚に複線分の幅がないことが原因と見える。他路線の構築物が支障するという意味では名鉄岐阜駅も似たような構造だが、単線区間の長さで言えばこちらの方が長そうな。
狭山市を出発し、本川越駅から2つ目の所沢駅では池袋線と新宿線、どちらも上り列車が同じホームを発着する。というのも、新宿線と池袋線は同じ都心方面を目指すにも関わらず、池袋線がトリッキーな線形をしていて、進行方向が互い違いになっているのが特徴。
■所沢駅周辺の地図情報
ところで、西武鉄道は新宿線、池袋線のいずれの路線も上り方面の特急列車がかなり遅い時間まで運行されていて、向かいのホーム、池袋行きの特急列車なんかは西武秩父駅を21:00過ぎに出発した列車。しかも両線ともにこの列車が終車というわけではなく、この時間帯でも30分おきに列車が運転されていて、最終列車は今回乗車した列車の約1時間後。駅前に温浴施設なんかはあるとはいえ、こんな時間まで秩父にいたとして何をするんだろうか。
下りも下りで、COVID-19を機に終車繰上げが相次いだこのご時世に、それぞれの路線の始発駅を0時、もしくは0時近くに出発する有料特急列車が運行されているのが特徴的。だからと言って上りが朝のみ、下りが夜のみといったような通勤に特化したダイヤになっている訳でもなく、早朝の下りにも比較的本数が確保されている。
所沢駅を出ると、次の東村山駅に連続停車。同駅からは1区間のみの西武園線と、JR中央線方面に向かう国分寺線が分岐していて、向かいのホームに列車が停車している様子も見られた。それにしてもこの辺りは幾つかの西武線の路線が入り組んでいて、よそ者からすると幾分わかりづらい。
どうやら同駅は高架化工事の最中のようで、駅構内は工事中の箇所が多数。線路と並行して電光掲示板が設置されているというのは中々珍しいような。現時点では下り線のみ高架化が完了しているようで、全面的な完成となると2028年度頃になるのだそう。
列車はそれほど速度を上げるでもなく、淡々と都心へ向かって走っていき、定刻通り高田馬場駅に到着。終点の西武新宿まで行ってしまうと乗換えが大層面倒なので今回はここで下車するが、歌舞伎町周辺に用事があればこちらの方が便利ということもあり、高田馬場から西武新宿行きの一般列車を待つ人の姿も一定数見られた。
ちなみに以前乗車した、新宿歌舞伎町から羽田空港へ向かう空港連絡バスの乗り場は西武新宿駅前にあるから、西武新宿線沿線から羽田空港へ向かう場合はこのルートもありかもしれない。
(新宿歌舞伎町発の空港連絡バスについてはこちら)
新宿から川越に向かう下り列車を運転するための回送を営業化したような列車なので、回送にするよりは僅かでも特急料金が回収できれば、という感じだろうか。この時間帯は川越で飲み会なんかがあって、その日中に都心へ戻る、というような場合にしか使われないような列車ではあるが、個人的には丁度いい時間に走っていて助かった。
というお話。