便名 : やくも16号
日付 : 2025/07/xx
区間 : 出雲市(11:44)→岡山(14:47)
所要時間 : 03:03
乗車クラス : グリーン車指定席(WESTERポイントアップグレード)
運賃 : 6,050円(クレジットカード決済)
運行 : JR西日本
早朝に伊丹空港から出雲空港へ到着し、空港連絡バスで出雲大社へ向かい参拝。その後一畑電車で電鉄出雲市駅まで来て、ここからJRに乗換えて岡山、最終的には高知へ向かう旅程。
今回乗車する特急「やくも」は岡山駅と出雲市駅を伯備線経由、所要時間約3時間で結ぶ特急列車で、山陽地方と山陰地方(特に米子、松江、出雲市辺り)を結ぶ、いわゆる「陰陽連絡」では最もメジャーなルート。
ちなみにこの列車、出雲市発の始発は04:42発と昼行の特急列車としては異例の早さ。その甲斐あって、岡山乗換えで9時前には新大阪まで到達できる。流石に東京となると出雲空港の始発便の方が良さそうな。一方で、2025年現在の最終便は出雲市18:32発と少し早め。

改札口脇には今回乗車する「新型やくも」搭乗の広告が表示された液晶ディスプレイが設置されているが、このスペースはかつて「みどりの窓口」が開設されていた跡地。出雲市駅も昨今の「みどりの窓口」整理の流れを受け、2021年5月に有人窓口が廃止されている。
代わりに「みどりの券売機プラス」が設置されているものの、処理能力•可能な操作は有人窓口に大きく劣っているため、常に行列ができている状況。補助の係員さんが隣の指定席券売機に誘導している姿も見られたが、そこにリソースを割くなら窓口を開けておいた方が良かったのではと思ってしまう。

ともあれ、改札を抜けホームへ向かおうとすると、壁いっぱいにUber Eatsの広告が貼り出されていた。このタイミングで新規参入することに驚きつつ、どれだけのお店が対応していて、何人の配達員が確保できているんだろうか、などと気になるところも。注文されてすぐに配達できるような環境が整うまでにはそれなりに時間がかかりそうなイメージがある。

この日乗車するのは出雲市11:44発の「やくも16号」。岡山駅を08:13に出発、出雲市に11:12に到着した「やくも3号」の折返し列車。到着後20分ほどは車内清掃が行われていて、車内に入れるのは出発時刻まで10分を切った頃だった。
車体の形状はよくあるJR西日本の特急車両といった感じだが、カーブの多い伯備線を走行するため、「振り子式」の構造が採用されており、曲線を高速で通過できる仕様。当初、「空気ばね式」の車体傾斜装置も検討したというが、曲線が多く、空気タンクの能力が不足し断念したとか。
車体は「大山の朝日」や「宍道湖の夕陽」などをイメージした「やくもブロンズ」なる色で、先代車両の緑、紫、赤といった比較的派手なカラーリングとは一線を画している。個人的には何故か台湾の鉄道車両をイメージしてしまう。

ホームに上がったとき、隣のホームには米子行きの普通列車が停車中。この辺り一帯は特急列車がかなり高速運転をする関係で、見た目は大人しい普通列車もそれなりに飛ばす印象。以前、「奥出雲おろち号」に乗車した際、乗換えた先の普通列車で国鉄型の気動車が90km/h近く出しているのに驚いた記憶がある。
(「奥出雲おろち号」についてはこちら)

暫くホームで待ったのち、突然扉が開いて乗車開始。列車は4両編成で、通常座席の普通車、セミコンパートメント、グリーン車の3つの座席が用意されている。
普通席の座席は可動式枕が設置されていて見てくれはそれほど悪くないのだが、どうにも造形があまり宜しくないようで評判がいまひとつ。先代車両の座席が割と出来が良かっただけ、反動が大きいのかもしれない。

グリーン車は席数が先代車両よりも減らされていて、半室はセミコンパートメントになっている。座面を引き出せばフラットにできるようだが、腰当て部分が妙に張り出していて、フラットにした場合の座り方がいまいち見えてこないのは同様の座席機構をもつ「リゾートしらかみ」と同様。

さて、今回乗車するのは編成最後尾、1号車のグリーン車。先代車両は1両丸ごとグリーン車になっていたが、新型車両では前述のセミコンパートメントとの合造車になっていて席数が減少した。このような状況のとき、JR東日本であれば2列+2列で座席数を確保しに行きそうなものだが、この車両は1列+2列の横3列を維持している。
座席はこの形式のために独自に起こされたものではなく、関西地方と北陸地方を結ぶ特急「サンダーバード」で使用されている683系4000番台のものがモデルになっているそう。

ちなみに今回はグリーン車を利用しているが、これはほぼ死蔵状態で貯まっていたWESTERポイントを利用してアップグレードしたことによるもの。JR西日本管内であれば、1,000ポイントを消費することでグリーン車を普通車の料金で使用できる運用になっている。このほかWESTERポイントを利用すると割安に利用できる企画乗車券が比較的多く、JR西日本を利用する場合、貯めておいて損はないように思われる。
( アップグレードの方法については以下公式サイト参照)
座席数がそれほど多くないこともあってか、始発駅の時点で8割方の座席が埋まった状態。どうやら一部はグループだったようだが、席が前後に割れていたようで席の行き来が多く、若干騒々しいのはご愛嬌。こういうとき、ノイズキャンセリング機能付きのイヤフォンがあると役に立つ。

定刻11:44に出雲市を出発すると、出発から2分ほどして斐伊(ひい)川を通過。この川は源流が奥出雲、鳥取県に近い船通山で、そこから時計回りに島根県内を流れて宍道湖へ注いでいる。一級河川で、古くから度々洪水も起きているという川なのだが、この日は水量も少なく、川底が見えている状況。

そこから10分ほどして、JR木次線の分岐する宍道駅を出たあたりから進行方向左手には宍道湖が見えてくる。ちなみにやくも号であれば、普通車はD席、グリーン車はC席側のほうが眺望が良いかな、という印象。
宍道湖は日本海に接しているため汽水湖で、周囲長が約50km、東西が17km、南北が6kmと東西に長い形状をしている。この日は天気が良かったから対岸まで見えているが、流石に6kmともなるとそれなりに遠くに見える。
ちなみに出雲市-松江間はJRと一畑電車のダブルトラックになっているが、JRは湖の南側を走っている一方、一畑電車は湖の北側を走っているため、並走するのは出雲市駅を出てすぐのごく一部の区間だけ。

出雲市出発から約50分走ると米子駅へ到着。ここまではJR山陰本線を進んできたが、2駅先の伯耆(ほうき)大山駅からは岡山へ向かうJR伯備線へと入っていく。
その伯耆大山駅を過ぎて列車が右カーブし、南へ進行方向を変えると、進行方向左側に見えてくるのが中国地方最高峰、標高1,729mの大山(だいせん)。鳥取県のシンボルで、「伯耆富士」とも呼ばれているとか。

伯備線に入るとカーブが多くなり、振り子式車両の本領発揮。この辺で少し眠くなってうたた寝をし、起きるとちょうど新見の駅に着いたところ。ここは数年前に姫新線で到着し、芸備線に乗換えたところ。2025年現在、芸備線では利用者数が回復するかどうか、ダイヤ変更を含む社会実験をしているというが、奏功するだろうか。
(当時の記録はこちら)

新見駅の岡山方には電留線があり、次の出番を待つ車両が休憩中。2023年4月に登場した岡山地区の227系電車だが、気付けば急速に勢力を拡大していて、黄色一色の国鉄型車両を見かける機会が随分減ってきたような気がする。

新見から先、倉敷駅の手前まではひたすら高梁川と並走。こちらも斐伊川と同様に一級河川で、流域面積は岡山県下で最大なのだそう。岡山県内を流れる吉井川、旭川とともに岡山三大河川と呼ばれているとか、呼ばれていないとか。

前回伯備線を利用した際には倉敷駅手前で運転見合わせになり、暫く途中駅で足止めを喰らった事があったが、今回は目立った遅れもなく、概ね時間通りに終点の岡山駅へ到着。
(以前乗車した際の記録はこちら)
岡山駅では一旦途中下車し、街中で用事を済ませ、特急「南風」に乗換えて高知へ向かう。てっきり途中下車は有人改札を通過する必要があるとばかり思っていたが、どうやら高知までの乗車券を改札口に通せば途中下車できるらしい。
到着したのは15時前で昼食というには少し遅い時間だが、出発前、出雲市で食事を摂り損ねていて遅めの昼食。岡山はかつ丼にドミグラス(デミグラス)ソースをかける「ドミグラスソースかつ丼」が名物で、駅ビル内にある飲食店でこれを注文。

普通席の評判は今ひとつのようだが、どの列車も画一的になりつつあった中で、近年個性の強い列車が登場しているのは趣味者としては嬉しい傾向。
というお話。