日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】大阪うどん線101便(南海なんば/国分寺)


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便名 : 大阪うどん線101便
日付 : 2023/03/xx
区間 : 南海なんば(06:45)→国分寺(11:08)
所要時間 : 04:23
乗車クラス : 普通席(座席指定制)
運賃 : 4,410円(事前クレジット決済)
運行 : 高松エクスプレス

うどんを食べに大阪から香川へ移動。大阪から四国方面には多数の高速バス路線が設定されているが、今回は「フットバス」の愛称で高速バスを運行している高松エクスプレスを利用することに。「うどん県」を自称する香川県に向かうバス路線ということで、同社ではこの路線を「大阪うどん線」として案内している。

(公式サイトはこちら)

footbus.co.jp

ちなみに同社はかつて運航されていた高松-大阪間のフェリーの運航撤退によって設立されたバス事業者。関西から四国絡みの高速バス路線では似たような事情によって設立された事業者がいくつかあり、例えば神戸から淡路島方面へ路線を展開する本四高速バスもその一つ。

この路線、大阪と高松という高速バスにしてはそれほど距離の長い路線ではないものの、3列独立シートとなっているのが特徴。以前は縱9列*1で異様にシートピッチの広い特殊な座席配置の車両など、更に個性的な車両が運行されていたこともあるのだが、現在は標準的なシートピッチのバスに置き換えられている。

さて、当日の話に戻ると、バスは南海なんば駅に併設されている「スイスホテル」の車寄せにある高速バス乗り場からの出発。利用者の多い同駅ではあるが、朝6時過ぎとなるとまだ人影まばらな状況。

南海なんば駅 コンコース

南海なんば駅/ まだ閑散としている朝6時

エスカレーターを上がった改札階の端にあるホテル入口からエレベーターでフロント階へ向かい、そこからエスカレーターで1フロア下りたところにバス乗り場がある。ここではあまり大々的な表示がないから、少し分かりづらいかもしれない。

南海なんば駅 スイスホテル入口

南海なんば駅/ 高速バス乗り場は少し案内少な目

今回はインターネット経由で乗車券を既に取得していたから利用機会がなかったが、乗り場の一角には「南海高速バスセンター」の窓口があり、ここで乗車券を購入することもできそうな雰囲気。

南海なんば駅 スイスホテル 南海バスターミナル

南海なんば駅/ 案内所は既に営業中

少し遠くを見るとバスはすでに乗り場近くで停車して待機中で、行き先にはすでに「うどん県 高松」の表示がされていた。ちなみにバス右手後方に見える変わった形の建物は「なんばパークス」で、1998年に解体された大阪球場の跡地を再開発して建設された施設。素人目にはどことなく野球場の雰囲気が残っているようにも思える。

南海なんば駅 スイスホテル 南海バスターミナル

南海なんば駅/ 右手の建物は「なんばパークス(大阪球場跡)」

同バス停から四国方面行きのバスは早朝朝6時台から多数運行されていて、乗車する06:45発の前には06:30発の徳島行きが出発していった。その後も徳島行きだけでも22時前まで概ね時間1本程度、かなりの高頻度で運行されている。

南海なんば駅 スイスホテル 南海バスターミナル

南海なんば駅/ 徳島行は06:30・07:00と高頻度

まもなく出発時刻というタイミングになって、1台の夜行バスが到着。このバスは「DREAM SLEEPER」号で、東京(新宿)と大阪・奈良を結んでいるのだが、特徴的なのは座席配置で全11席がすべて個室になっているところ。以前東京と広島を結ぶ路線で一度利用したことがあるが、通常の夜行バスよりも疲れにくい構造になっていた印象が残っている。それにしてもこの「DREAM SLEEPER」号や徳島行きの「マイ・フローラ」、「はかた号」など、近年では個室型の夜行バスが増えて一昔前とは隔世の感がある。

(「DREAM SLEEPER」についてはこちら)

www.kanto-bus.co.jp

南海なんば駅 スイスホテル 南海バスターミナル

南海なんば駅/ 同路線は奈良が終着地

件の「DREAM SLEEPER」号が出発すると乗車するバスが着車。バスは座席指定制で、事前に購入した乗車券を呈示して乗車。前述のとおり、車内は3列独立シートが並んでいる。

高松エクスプレス(フットバス) 大阪うどん線101便

フットバス(大阪うどん線)101便/ 座席はうどん柄

座席は稼働枕つきで緑ベースのうどん柄と、バスの行き先ともども徹底している。ちなみに車両によって座席のベースとなる色は異なるようで、他にも赤地にうどん柄といった車両もあるらしい。リクライニングはそれほど深くなかったが、昼行路線では十分。

高松エクスプレス(フットバス) 大阪うどん線101便

フットバス(大阪うどん線101便)/ 表地は赤ベースのものもある

各座席にはUSBではなくコンセントが設置されていた。片道4時間ともなると携帯電話を使用し続けていれば電池を使いきってしまうから、充電の設備があるのは重宝する。

高松エクスプレス(フットバス) 大阪うどん線101便

フットバス(大阪うどん線101便)/ 各座席にコンセントが1口ずつ

ところで今回は最前列中央の座席を利用したのだが、この席のみ前席が存在しないため、簡易的な仕切りが設置されていた。これにはドリンクホルダーと網ポケットがあり、飲み物や小物類を仕舞っておくことができる。

高松エクスプレス(フットバス) 大阪うどん線101便

フットバス(大阪うどん線101便)/ 最前列中央のみ仕切りがある

バスはなんばバスターミナルを出発すると近隣のOCATに立ち寄り、その後大阪駅へ向かう。ちなみにOCATを出たところの一般道は一方通行になっているのだが、ここはものすごい数の車線があり、なんとも圧倒される。ここに限らず大阪は一方通行の道路が多いからか、一方向に多数の車線が引かれている道路が多い印象がある。

高松エクスプレス(フットバス) 大阪うどん線101便

OCAT付近/ 信号の手前は4車線で、100mほどで8車線に分かれる

バスはごく短い区間ではあるものの阪神高速を経由し、大阪駅に到着。到着寸前には15分前になんばを出発した徳島行きのバスとすれ違った。同路線は大阪駅近辺で阪急三番街、ハービス大阪のいずれにも停車するから、追い付いてしまったらしい。

なお、この路線はJR系のバスターミナルや阪急系の三番街、阪神系のハービス大阪のいずれでもなく、JR大阪駅桜橋口側の高架橋下にあるバス停からの発着。同バス停は辺りが再開発中ということもあるだろうか、少し薄暗く物騒な雰囲気。それにしても、大阪駅周辺のバス停はもう少し集約できないものだろうか。

高松エクスプレス(フットバス) 大阪うどん線101便

大阪駅桜橋口/ 駅高架下のバス停に停車

ともあれ、大阪駅までに乗客の大半が乗車し、自席左右の座席も埋まった。ちなみに座席左右とも仕切りカーテンが設置されており、両側とも引くと以下のような見た目になる。

バスは大阪駅を出発すると大開入口から再び阪神高速に入り、2号淀川左岸線から5号湾岸線のルートで神戸方面へ。同路線を六甲アイランド北出口まで走り、ハーバーハイウェイ経由で三宮駅前のバスターミナルに立ち寄った。

高松エクスプレス(フットバス) 大阪うどん線101便

神戸三宮バスターミナル/ この便は高速舞子通過で、本州最後の停車地

このバスは高速舞子に停車しないため、この三宮バスターミナルが本州最終の停留所。三宮を出発すると5分ほど来た道を戻り、京橋入口から阪神高速3号神戸線に入った。垂水インターチェンジに差し掛かると暫くカーブを繰り返し、神戸淡路鳴門自動車道に合流。

朝が早かったこともあり少しうとうとして、起きるとバスは既に明石海峡大橋を渡り終えて深い霧のなかの淡路島をひた走っている状況。できれば自家用車であっても走りたくないような天候のなか、よく走れるなと思ってしまう。

高松エクスプレス(フットバス) 大阪うどん線101便

淡路島/ 結構な深い霧のなか

暫くしてバスは途中休憩箇所の室津パーキングエリアに到着し、ここで約10分間の休憩。三菱ふそう系の大型車はここ数年の間に「ふそうブラックベルト」と呼ばれるデザインに更新されていて、以前の車より少し面長になったような印象。

高松エクスプレス(フットバス) 大阪うどん線101便

室津パーキングエリア/ 休憩は約10分

ちなみにこの室津パーキングエリア、四国各地へ向かう高速バスが多数休憩箇所として利用する割にそれほど多くの施設はなく、お手洗いとコンビニといったごくシンプルな構成。尤も、あまり充実させると乗客が戻ってこなくなるから、これくらいが丁度いいのかもしれない。

高松エクスプレス(フットバス) 大阪うどん線101便

室津サービスエリア/ 施設はトイレとコンビニのみ

バスは淡路島内では1箇所、淡路志知バス停に停車。このバス停では大阪方面からの降車と香川方面への乗車、いずれも取り扱っているが、この日は乗降がなくそのまま出発。

しばらく走ると再び大きな橋が見えてくるが、これが淡路島と徳島県鳴門市を結ぶ「大鳴門橋」。自動車用の橋の下部には新幹線を通すための空間が確保されており、これを活用して「渦の道」という渦潮観察施設が設置されている。ちなみに2028年度を目標に、ここに自転車道を整備する計画があり、これが完成すると四国から淡路島まで自転車で走っていくことができるようになる*2

高松エクスプレス(フットバス) 大阪うどん線101便

大鳴門橋/ 短い橋を渡ると四国上陸

四国に入るとバスは鳴門西、引田、大内、津田、志度、三木と高速道路上のバス停に小まめに停車していくが、この日は降車なく発車。高速道路を降りたあとの中央インター南、ゆめタウン、栗林(りつりん)公園前、県庁通りも通過し、高松駅には概ね定刻通りの10:45頃到着。私を除いたすべての乗客がここで降車していった。そういえば、高松市内で車の間を抜けようとした際、中央線に沿って設置されていたオレンジのポールを踏んづけて車体にぶつかったように見えた*3が、設備車体ともに無事だっただろうか。

高松駅を出発したバスは瀬戸大橋通りから県道176号線、国道11号線と経由して、11:20頃終着の国分寺バスターミナルに到着。バスターミナルという名前が冠されているが、営業所と車庫、という感じ。到着するとバスは奥の車庫に帰っていった。

高松エクスプレス(フットバス) 大阪うどん線101便

国分寺バスターミナル/ 車庫と駐車場を併設

今回は始発から終点まで乗車したため4時間超を要したものの、三宮からの乗車であれば高松駅まで約2時間30分。乗換えの時間を考慮すると新幹線と大差ない所要時間で移動することができる。今回乗車した「大阪うどん線」のほかにもJR・神姫バス系の「高松エクスプレス神戸」号などもあるから、うまく活用して移動したい。

(JR・神姫バス系の路線についてはこちら。他に京都、大阪発もあり)

www.jr-shikokubus.co.jp

というお話。

*1:通常は縱10列もしくは11列、空港バスであれば12列配置も存在する。

*2:明石海峡大橋は今のところ同様の予定は立っておらず、本州から淡路島間は2023年現在では船移動になりそう。

*3:何かにぶつかったような音もした。