便名 : ANA/NH0240
日付 : 2022/08/xx
機材 : B787-9(78G)
区間 : 福岡(FUK)07:00→東京羽田(HND)08:40
所要時間 : 01:40
区間マイル : 567
搭乗クラス : プレミアムクラス(UG)
運航 : ANA(全日本空輸)
前日遅くに博多に到着し1泊、翌朝の始発便で東京へ戻る。
(前日の宿泊先についてがこちら)
ホテルは05:45頃出発。福岡空港がいくら市街地からの距離が近いとはいえ、ホテルから空港までは電車待ちの時間なんかを含めると約20分の移動時間を要する。
本筋には全く関係のない話だが、博多駅には鹿児島の「薩摩蒸気屋」の広告があり、「かるかん」には「薩摩伝統銘菓」の記載がある。ちなみに「かるかん」というのは「軽羮」と書き、米と山芋を使ったスポンジ状の蒸し饅頭で、鹿児島を訪れるとしばしば口にする機会があるお菓子。
その博多駅から地下鉄に5分ほど乗って到着した福岡空港駅のホームにも博多駅と同様に「蒸気屋」の広告が掲出されていて、こちらは「薩摩」のつかない無印の「蒸気屋」のもの。それにしてもどういう訳だろうか、「かるかん」が突然「九州の伝統銘菓」に格上げされている。薩摩蒸気屋も博多蒸気屋も同じ会社のようだが、広告のターゲットが違うんだろうか。
ところで、東京での生活に慣れていると、時たま九州の日の出の遅さに気づくことがある。割に日の長い8月ではあるが、到着した6時台に空港駅改札前の吹き抜けから漏れてくる光はまだそれほど明るくない。その一方、夕方は遅い時間まで20時近くなっても明るいのが夏場の西日本エリアのメリット。
ちょっとした買い物をしてから保安検査場を通過。まだ若干の時間があり、ANAラウンジに立ち寄った。ラウンジのガラスの向こうには駐機場が見えるが、目の前に停まっているのはJALの2機のA350。搭乗口の固定されていない福岡空港らしい光景ではあるが、こうなるとどの会社のラウンジにいるのかよくわからなくなる。
この日の始発便はラウンジから少し離れた搭乗口からの出発。この日の機材はANAのB787のなかでも「78G」という種類の機材。2011年の登場からこれまでANAのB787はロールスロイス製のエンジンを搭載してきたのだが、エンジン問題が多発したからだろうか、この機種ではJALと同じGE製のエンジンを搭載している。それにしても、新鋭機のイメージがあるB787がすでに10年選手というのも何というか感慨深い。
そういえば、B787といえばエンジン以外にもサウスカロライナ工場製の機体そのものに品質問題が生じていた*1噂があったが、真実だとしてこれは改善されたんだろうか。
(「78G」のシートマップについてはこちら)
さて、この日は余っていたプレミアムポイントを消化してアップグレード。この機材のプレミアムクラスは28席で、早朝便ということもありまだ若干の空席があった。直近の新造機ゆえ、プレミアムクラスの座席はB777型機の「722」で登場した新デザインのものが設置されている。
(「722」機材についてはこちら)
搭乗してしばらくすると客室乗務員さんが挨拶にやってきた。話を聞くと、どうやらシートモニタのリモコンが使いづらく、評判が悪いとの説明からスタート。マップを表示するくらいでそれほど利用機会は多くなかったが、確かに意図しない動きが多く操作性はそれほど良くない印象。にしても、親切ではあるが搭乗早々なんという挨拶、という気もしないでもない。
しばらくすると出発し、滑走路へ向かう。以前もどこかで言及した気がするが、現在福岡空港では滑走路の増設工事中。かなり狭い間隔で2つの滑走路が並ぶこともあって、工事機材が滑走路にずいぶん近いところに駐車されているのが見える。ちなみにこの滑走路は2024年度完成予定ということで、あと2年後くらいには供用開始されるはず。
ともあれ滑走路に進入し離陸。定刻07:00発だが、少し早めに出発できたようでこの時点でまだ07:04。左手奥、「天麩羅処ひらお」のあたりに夜間駐機場からターミナルへ移動している機材の姿も見える。
離陸後しばらくしてベルトサインが消灯し朝食。割と品数は多いが、合計で263kcalと見た目の割に低カロリー。コンビニのおにぎり1個が約200kcal前後だというから、だいたい同じくらいか。
離陸直後は雲が多く、地上は見えなかった。まだまだ暑さの厳しい8月ではあったが、徐々に9月が近づくと空は徐々に色が変わり、ずいぶん空が高くなったような印象を受ける。
九州の東側、大分市あたりを通過する頃には雲が徐々にとれてきて、豊後水道を越えるとほとんど雲はなくなった。その後、愛媛県松山市の北側を通過すると、今治市からしまなみ海道が見えてくる。
機は四国上空を東に飛び、眼下を覗きこむと高松空港が見えてきた。ちなみに右上、凹型に海に突き出ているあたりが高松駅や高松港で、高松空港からはバスで45分ほどの距離。
さらに東に進むと四国を離れて海上へ。淡路島を掠めるように飛んでいくと、少し離れたところには明石海峡大橋や姫路・明石あたりの街並みが見える。なお、ズームがかかって写真では近そうに見えるが、実際にはちょっと距離がある。
陸路では遠い淡路島から関西空港だが、飛行機で湾上を突っ切るとあっという間。真下には関西空港が見え、中央左奥には神戸空港、右奥には霞んでいるが辛うじて伊丹空港の姿も確認できる。返す返すも関西3空港はえらく狭いところに密集している。
ズームで寄ってみると、大阪の町がミニチュアのジオラマのように見える。こうも小さいと個別の建物を見つけるのはなかなか難しいが、たとえば目を凝らすと中央に「あべのハルカス」、その右上の緑地が大阪城、中央上には伊丹空港があるのは確認できる。それにしても、水の都といわれることもある大阪、比較的大きな川の数が多いのが見て取れる。
関西以降はまたしばらく雲のなかに入り、しばらくすると遠方に雲を突き抜ける富士山の姿が見えてきた。だいたいいつも静岡県沖のこの辺りから徐々に着陸のための降下が始まる。
関東に近づくにつれ、徐々に雲が厚くなってきた。ぼこぼこした雲はいかにも揺れそうな雰囲気を醸し出しているが、思いの外揺れは大きくなかった。
若干霞んでいるものの視程はそれほど悪くないから、この日は房総半島の陸地を避けて海上を降下していく着陸経路。三浦半島と房総半島の間を抜けていくから、城ヶ島や久里浜、横須賀が間近に見えている。また、三浦半島の奥には少し小さいながらも江ノ島の姿も見えている。
木更津市付近で左旋回し最終の着陸体制。東扇島、川崎浮島を左手に見ながら、第1ターミナル側の34L滑走路に着陸。JALであればここからすぐ駐機場に到着するが、ANAは第2ターミナルまで移動するためここから先が長い。
ターミナルへの移動の途中、第1ターミナルと第2ターミナルの中間くらいの駐機場には「鬼滅の刃」特別塗装機が駐機していた。同作品が人気なのは知っていたが、こと私はといえば一度も見たことがないままブームを見送ってしまった。特別塗装機といえば以前はANAのほうが積極的だったイメージがあるが、ここ数年はJALのほうがよく見かける気がする。
余談ながら、今回ブームが一段落した後の妙なタイミングでタイアップを始めたり、ここ最近のANAは若干妙な方向を向いているようにも見えるが、大丈夫だろうか。私が心配することでもないとは思うが。
着陸から10分弱走行して第2ターミナル中央の駐機場に到着。当時はまだ2機、2023年2月現在でも3機しかいない「78G」機材だが、どういう偶然か到着した隣の駐機場にも駐機していた。ぱっと見ほとんど同じような見た目だが、ロールスロイスエンジン装着機とはエンジンに掲げられているロゴが異なっている。
大分早い時間に東京に帰ってきたものの、この日はそれほど差し迫った用事もなく、割とのんびりしたスケジュール。それゆえ、ちょっと寄り道していくことに。
*1:真偽のほどは定かでないが、2019年にCNNが「ずさんな生産体制」と報じている。