便名 : SL人吉号
日付 : 2021/11/xx
区間 : 熊本(10:50)→鳥栖(13:24)
所要時間 : 02:34
乗車クラス : 普通車指定席
運行 : JR九州
博多から高速バスと路線バスでJR熊本駅までやって来た。
(ここまでの移動はこちら)
JR熊本駅前のAMU PLAZAは2021年11月の訪問当時で開業から約半年が経過したところ。新しい熊本駅前の風景もようやく見慣れたというか、違和感がなくなってきた。そのうち以前の熊本駅のほうを知らないという人のほうが増えていくんだろう。
ちなみにこの駅前のAMU PLAZA上にある「THE BLOSSAM」は熊本駅周辺のホテルのなかではおすすめのホテルのひとつ。JR九州系のホテルはそれほど外れない印象がある。
(ホテルの滞在記はこちら)
さて、わざわざ熊本までやって来たわけだが、ここからは「SL人吉」で鳥栖まで戻る。この列車、「SL人吉」という列車名になっているが、先の集中豪雨で肥薩線は不通になっているため、現在は主に週末に熊本駅と鳥栖駅(佐賀県)の間を1往復している。
ただ、鳥栖駅には転車台の設備がないようで、復路はディーゼル機関車が先頭で、最後尾に逆を向いた蒸気機関車がくっついているような編成になる。乗ってしまえば蒸気だろうとディーゼルだろうと動力の差を感じる場面はほとんどないものの、いわゆる「SLが牽引する列車」を楽しみたいという場合は熊本発に乗車することになる。
なお、蒸気機関車の老朽化やメンテナンスにあたる人材不足を原因として、同列車は2024年春を以て運転を終了する旨が2022年10月に発表された。ただ、老朽化と言っても多くの部品は復活後に代替新造されている*1ようで、運転を取り止める致命的な理由にはならないように見えるから、見方によっては肥薩線を廃止するための布石を打ったというようにも思えるのが気になるところ。真実やいかに。
(ともあれ、「SL人吉」公式サイトはこちら)
高速バスが熊本市内で渋滞にはまったこともあり、チケットを発券してホームに上がると意外と出発時間ぎりぎり。ホーム上は乗客と見物客で割と混みあっていたが、とはいっても首都圏のSL列車よりは空いているかなという感じ。
もう少し眺めてみようかと思ったが、人の多さに辟易して断念。人の波を縫うように進み、さっさと客車に乗り込んだ。客車は3両つなぎで、今回指定された座席*2は真ん中の2号車。ちなみにSL列車ではあるが、最後尾には復路で先頭に立つディーゼル機関車がつながっている。
列車はJR九州らしいというか、同じ車両内でも布張り座席と革張り座席があったり内装は様々。指定されていたのは2号車の布張り座席のエリアで、4人掛けの順方向窓側だった。今回は利用しなかったが、同車両の鳥栖寄りには売店(ビュッフェ)も設置されている。
両端の1号車と3号車には窓の大きな展望スペースがついている。その昔、「あそBOY」として活躍していた頃なんかは後押しの機関車がいなかった*3ことで割と開けた後展望が望めたのだが、現在は両端に機関車が連結されているため、眺望はいまひとつ。
列車は熊本駅を出発すると、快速列車ではあるものの終始40km/h程度ののんびりとしたスピードで走っていく。途中の玉名駅と久留米駅では後続の普通列車に追い抜かれるから速達効果はなく、所要時間2時間30分で終着の鳥栖駅に到着。
もともとの路線が走行不能になったことによって急遽仕立てられた列車ということもあり、車窓はこれといって際立つものはなく、大した観光案内等もなかったから、ある種「昔ながらの客車列車」なのかもしれない。その分、新幹線に乗れば福岡から1時間ほどのところで乗車できるという意味では、乗車難易度は低め。
終着の鳥栖駅到着後はしばらくホームに停車しているようなので、降りたホームの隣のホームに移動すると割ときれいに写真に収めることができる。装飾のせいか塗装のせいか、JR九州のSLはずいぶん光沢があるように見える。
その後は普通列車で鳥栖駅からけやき台駅へ移動、徒歩で高速バスの「高速基山」バス停に向かった。ともあれ、九州でSLに乗車できる機会はあと1年ほどなので、もし乗車してみたいという場合はお早めに。
というお話。