日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】おおむらかもめライナー(新大村駅/長崎空港)


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便名 : 便名なし
日付 : 2022/12/xx
区間 : 新大村駅(17:50)→長崎空港(18:05)
所要時間 : 00:15
乗車クラス : 普通席(座席定員制)
運行 : 大村ラッキータクシー

長崎市内から長崎空港へ移動。メジャーなアクセス手段は空港リムジンバスだが、今回は長崎駅から新幹線を利用する、ちょっと変わったルートで空港へ向かう。

(一般的な移動手段がこちら)

biketourist.hatenablog.com

冒頭から余談になるが、長崎駅前にはどこにも接続されていない歩道橋があった(詳細は上記記事参照)。いつ完成するやらと思っていたが、2022年の12月下旬にようやく駅前のデッキと接続されたことによって階段を使わずに済み、少し導線がスムーズになった。ただ、明らかに接続部分は仮設になっているから、そう遠くないうちに再度繋ぎ直されるかもしれない。

JR長崎駅前 歩道橋

(@長崎駅前)中央部分が今回設置された部分

さて、空港に向かうに当たっては、まずはJR長崎駅から西九州新幹線で新大村駅へ向かう。長崎駅前の少し広い駅前広場の一角には当時クリスマスツリーが設置されていたが、あいにくこの日はそれなりに強い雨が降っていたこともあり、ツリーの周りで記念撮影といった姿は殆ど見られなかった。

JR長崎駅 西九州新幹線とクリスマスツリー

(@長崎駅)波乱に富んだ2022年もあとわずか

事前に購入していた「かもめネットきっぷ」を発券し、長崎駅17:15発の「かもめ46号」で新大村駅へ移動。この列車は途中各駅に停車する、いわゆる「こだま」タイプの列車で、「かもめ」の文字の背景は青色の列車。以前、開業直後に乗車した際には自由席の座席には枕カバーがなかったが、今回乗車した際には革製のものがセットされていた。これがあるのとないのとでは俄然新幹線らしくなったというか、大分雰囲気が変わった。

(前回の乗車記はこちら)

biketourist.hatenablog.com

西九州新幹線 かもめ46号 普通車自由席

枕カバーが設置されるだけでかなり雰囲気が変わった

定刻通り長崎駅を出発すると、新幹線の乗車時間は2駅16分であっという間。新大村駅で下車する利用者は思いの外多く、約10名ほどが列車を降りていった。ホーム監視?の駅員さんは列車の出発に先だって携帯電話で話しながらホームから消えていったから、ホームからはすぐに誰もいなくなった。

西九州新幹線 新大村駅

大村駅はおおむね30分に1本が停車する

自動改札機は新幹線の駅によく見る大型のタイプだが、同路線では現状ICカードで新幹線に乗車することはできないため割とさっぱりした造り。ただ、一応後に設置することはできそうなスペースは用意されている。余談ながら自動改札機は安いものでも1台数百万円、高いものだと1千万円を超えるものもあるんだとか。5駅分揃えるだけでも中々の投資。

西九州新幹線 新大村駅 自動改札機

(@新大村駅)現状は紙の乗車券のみ対応

やって来た新大村駅は在来線のJR大村線も発着しているものの駅舎は別々、新幹線の駅舎を出て右手から発着している。新幹線駅舎側には自動券売機は1台設置されている*1が、これは乗車券と自由席特急券のみの発売で、指定席特急券等はみどりの窓口での発売。

なお、みどりの窓口は営業時間が07:30から19:00まで、そのうち2回ほど休憩時間がある。それゆえ早朝深夜と休憩時間の間は指定席特急券を受けとることができないので注意が必要。単純な疑問として、終日営業しないのであればなぜ指定席券売機を設置しなかったんだろうか。

(新大村駅の窓口情報はこちらから)

www.jrkyushu.co.jp

西九州新幹線 新大村駅

(@新大村駅)自動券売機は自由席特急券のみ対応

だいぶ前置きが長くなったが、ここからは大村市が実証運行中の「おおむらかもめライナー」で長崎空港を目指す。これは時間指定制の乗り合いタクシーで、上下12往復が長崎自動車道大村インターチェンジ(高速バスバス停)と西九州新幹線、JR大村線の新大村駅長崎空港の間を相互に結んでいる。料金は区間によって200円または500円。

予約はインターネットで受け付けていて、出発時刻の30分前までに予約すると車両が確定した旨のメールが送られてくる。この日は地場のタクシー会社だと思われる、「大村ラッキータクシー」による運行とのこと。

(公式サイト案内はこちら)

kamome-liner.demands.noruuu.jp

大村駅の乗り場は新幹線駅舎左手にある「さくら口」。路線バスではないから特に乗り場は定まっていなさそうだが、この日はロータリーの駅舎に一番近いところに停まっていた車両がそれだった*2。普段ジャンボタクシーでよく見るようなハイエースがやってくるとばかり思っていたが、待っていたのは普通のセダン型タクシー車両。あいにく写真を撮り損ねたが、ボンネットには「おおむらかもめライナー」のステッカーが貼付されていたので、それを頼りに探すことも可能。

西九州新幹線 新大村駅 駅舎外観

(@新大村駅)駅前には大きな市章が掲げられている

今回の区間の運賃は500円で、出発前に現金で支払い完了。どうやらこの便は私のほかにもう1名の予約があったようでしばらく駅前で待機したが、定刻を数分過ぎて待ってもやってこずに出発。私は20:30頃の飛行機で急いでいないとは伝えたが、事前支払いでもないから空振りすると時間だけ取られる運転士さんがちょっと不憫。利用しないならせめてキャンセルすることを心掛けたい。

おおむらかもめライナー 車両

おおむらかもめライナーは普通車タクシーによる運行

ところで、この日は長崎県内では降雪があり、日中の長崎市内から長崎空港に向かうリムジンバスは高速道路の通行止めにより運休、混乱が生じていたらしい。運転士さんによれば、日中の新大村駅には空港に向かう迂回客が多数押し寄せ、タクシー乗り場から駅舎までかなり長い行列になったのだとか。

以前であれば長崎本線諫早駅、もしくは大村線大村駅まで来た上でバスかタクシーに乗換えで、普段よりも長い所要時間が必要になったところ、新幹線+タクシーもしくは「おおむらかもめライナー」という代替手段を利用すれば場合によってバスと同等以下の移動時間で移動できる。この意味では、長崎空港も新幹線開業の恩恵を受けていると見ることが出来るかもしれない。

重ね重ね余談だが、この日はいくらか現地在住者と新幹線の開業について話をする機会があった。そのなかで、長崎県民としては西九州新幹線開業を喜びつつも全通を望む声が根強いこと、佐賀県の現状のスタンスに対する思いを改めて体感したのだが、一方で、個人的には佐賀県の思惑も分からないでもないだけに、しばらくはこの状況が中々打開できなさそうだな、というのが私個人の感想。

ともあれ、車は駅を出発すると北側で新幹線を潜り、大村線を踏切で渡ると県道38号線に合流。突き当たりを左折、箕島大橋のたもとを右折して長崎空港へ。特にルートが渋滞していたわけでもないが、割と時間設定はタイトのようで16分ほどで長崎空港に到着した。

リムジンバスよりは若干コスト高*3にはなるが、新幹線との接続次第では長崎市内まで15-20分ほど時短になるから、上手く組み合わせて利用するのがおすすめ。また滅多にあるものではないが、今回のように長崎自動車道に支障が生じた際の迂回ルートとして覚えておいても損はないはず。

というお話。

*1:在来線側には交通系ICカードの入退場端末のみ設置で、自動券売機はない。

*2:「それっぽい」人には声をかけている、とは運転士さん談。

*3:長崎市内から長崎空港までのリムジンバス1,000円に対し、新幹線1,630円+おおむらかもめライナー500円の計2,130円。