日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【搭乗記】ANA/NH4697(福岡/五島福江)


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便名 : ANA/NH4697
日付 : 2022/11/xx
機材 : ボンバルディアDHC8-Q400
区間 : 福岡(FUK)09:40→五島福江(FUJ)10:20
所要時間 : 00:40
区間マイル : 113
搭乗クラス : 普通席
運航 : ORC(オリエンタルエアブリッジ)

2022年10月末から始まった冬ダイヤで、ANA陣営とJAL陣営のコードシェアというこれまでなかった画期的な取り組みが始まった。どんなものか、試しに一度利用してみようということで、日帰りで九州を訪れているところ。

(ここまでの移動はこちら)

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この日は東京→福岡→五島福江→長崎と飛行機で移動し、陸路で福岡に戻ってから飛行機で東京に戻る旅程。このうち、福岡から五島福江、五島福江から長崎の区間が今回新たにJALで購入できるようになった区間

運航は地域航空会社のORC(オリエンタルエアブリッジ)で、この便にはANAウイングスとの共通事業機が用いられている。この共通事業機、外観はANAの機材そのものなので、買い方によってはJALの航空券でANAの飛行機に乗り込む、という一昔前では想像できなかった状況になっている。

ただ、このORC運航便について、JALに割り当てられた枠は多くて数席程度の模様で、今回搭乗する福岡から五島福江の区間JALから検索すると空席がなかった。そこで、この区間についてはやむを得ずANA株主優待券を利用して手配している。尤も、マイルだ何だを一切捨て置けば元々の陣営から航空券を手配した方が安いうえ、2022年はANAに特典航空券以外で搭乗しておらず、1度くらい有償で利用しておくかと思っていた*1ところだったので、ある意味ちょうど良かったかもしれない。

JALの始発便で東京羽田から到着後、一旦到着出口を出てANAの自動チェックイン機で手続きを終え、続けてJALのカウンターに立ち寄り。ここで復路を予約した便から前倒してチェックインして再び制限区域内に戻ってきた。それでもなお出発まで少し時間があり、ターミナル制限区域内北側にある「一蘭 福岡空港店」で食事休憩。

(空港にある「一蘭」についてはこちら)

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食事を終えて外を見ると、ピカチュウジェットに遭遇。スカイマークも割と所有機材が多いはずなのだが、どういうわけか時間を調べずともこの飛行機に最近よく遭遇する。昨今の利用時には搭乗する機会に恵まれなかったが、早朝に羽田を出発する機材繰りで運航されることが多いから、私の移動パターンと合っているのかもしれない。

福岡空港 B737-800 ポケモンジェット

ピカチュウジェット1号機。やけによく遭遇する

こちらはプロペラ機での運航ということもあり、福岡空港ではバスゲートからの出発。この日は早朝に福岡空港で滑走路が一時的に閉鎖された?ようで、到着便が軒並み遅れている状況。搭乗する予定の五島福江行きの便についてもご多分に漏れず遅延しており、出発は10分遅れの09:50に変更された。

ちなみにこの便にはJAL4097便の便名も付されているのだが、福岡空港では基本的にそのような案内はない。何なら、出発時のアナウンスでも言及されることはなく、五島福江到着時にようやく一度触れられたかな、くらいの状況。現場ではこのコードシェアの取り組みをどう捉えているのだろうか。

なお、一度Q400に搭乗された方ならご存じの通り、この機材は荷物棚がジェット機と比べてかなり小さい。それゆえ、搭乗口ではカウンターで預けられずに持ち込まれた荷物のうち、特に大きいものを預かる作業を実施中。縦横よりも、特に厚みのある荷物を持ち込む場合は注意されたい。

ANA4697便 搭乗口

(@福岡空港)出発便は総じて遅延ぎみ

ともあれ、バスゲートでしばらく待機することになったのだが、以前もどこかで触れた通り、ここは誘導路にかなり近いところに待合室があり、行き交う飛行機が手を伸ばせば届きそうな距離を通過する。このときはちょうど乗って来たJALB777が折り返し出発するところに遭遇。

福岡空港 バスゲート搭乗待合室 JAL B777-200ER

(@福岡空港)翼端までは20mもなく、手の届きそうな距離

そうこうしているうちに搭乗開始。バスは2-3分ほど走り、12番搭乗口の少し奥にある駐機場から飛行機に乗り込んだ。共通事業機ということになっているが、外見は殆どそのままANA機で、ORCらしいところは見当たらない。

ANA4697便 DHC8-Q400 ORC

(@福岡空港)一見するとただのANA

一方機内では、備え付けられている搭乗時に掛かっている音楽がORC仕様。ただ、最後にORCに搭乗したのは前回6年ほど前に同じルートをUA(ユナイテッド航空)の特典航空券で利用したこれらの離島を初訪問したとき以来なので、懐かしいということもなく、こんな感じだったっけ、という感じ。

なお、この前回利用したUAの特典航空券、うまいこと検索すれば、例えば国内線の連続する3区間を1つの特典交換で済ませることができるのでなかなかお得。割と潤沢に貯まっていたポイントを全て使いきってしまったので、個人的には最近はあまり利用できていないのだが。

閑話休題

着席した後、乗客を乗せた2台目のバスと、搭乗口で預かった荷物棚に収まらないサイズの荷物だけを載せた3台目のバスがやって来て、しばらくすると出発。別の機会に搭乗した天草エアライン(AMX)は駐機場の目前、滑走路の殆ど中間くらいから離陸滑走を始めたが、この日は混雑していたからだろうか、割と滑走路端に近いところまで戻ってから離陸。

そういえば、この日は久しぶりに福岡空港シンガポール航空の飛行機を目にした。しばらく国際線は殆ど休業状態だったが、2022年も終盤に差し掛かり、徐々ではあるものの以前の光景に近づいてきた感がある。ところでこのシンガポール航空の機材、恐らくB787シリーズで最長の-10だと思うのだが、妙に長くて不格好に見えるのは気のせいだろうか。A340-600なんかは長くてもスマートに見えるのに。

福岡空港 シンガポール航空 B787-10

(@福岡空港)久しぶりにSQ機が戻ってきた

離陸してほどなくすると、(今回の写真には映っていないが)進行方向左手下方に福岡都市高速九州道太宰府ジャンクションが現れ、そこから少し奥に目をやると、太宰府天満宮近くにある九州国立博物館が見えてくる。写真中央上の屋根が波打っている建物がそれで、その左下あたり、森に隠れているが太宰府天満宮も若干ながら確認できる。

ANA4697便 福岡県大野城市上空 ORC運航

中央上が九州国立博物館。左手中央付近に西鉄太宰府駅

その後も南下を続け、高速道路の鳥栖ジャンクション付近から南西方向へ。若干写真の反射が鬱陶しいが、中央下に九州新幹線新鳥栖駅、そこから目線を上にやると長崎本線鹿児島本線の分岐駅の鳥栖駅と、サガン鳥栖の本拠地「駅前不動産スタジアム」が確認できる。個人的にこの辺りは2020年に自転車で走ったのだが、まだ2年前のことなのにずいぶん昔のように感じる。

(余談までに、2020年の記録はこちら)

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ANA4697便 新鳥栖駅上空 ORC運航

画面中央下が新鳥栖駅。そこから上に上がると鳥栖駅

その後進路を南東方向に変え、佐賀空港のほぼ真上を通過して一瞬有明海上に出たのち、佐賀県鹿島市で上陸。そのまま一直線に飛行すると、長崎県東彼杵(そのぎ)町の先で大村湾に出るが、このタイミングで大村湾上に長崎空港が見えてくる。この辺りは北松浦半島長崎半島島原半島西彼杵半島と色々な地形が入り組んでいて、面白いがややこしい。ちなみにここまで福岡空港を離陸して大体15分ほどの出来事。

なおこの長崎空港、実は関西空港や中部空港に先駆けて、「日本初の海上空港」なのだそう。大村湾に浮かぶ「箕島(みしま)」という島を埋め立てて建設され、本土との間は約1kmの「箕島大橋」で結ばれている。余談続きだが、地図で見ると一見湖のようにも見えるこの大村湾、外海との接続は針尾瀬戸早岐瀬戸の2箇所しかなく、大きな船は入れなさそうな、陸地と海が入り組んでかなり複雑な地形。

ANA4697便 長崎県大村市上空 ORC運航

長崎空港上空。湖のように見えるが、ここも「海」

■ (参考)大村湾の入口のひとつ、針尾瀬戸の地形

長崎空港を過ぎた辺りで降下が始まり、大村湾から西彼杵半島の西海(さいかい)市に上陸を果たすものの、あっという間に東シナ海に出てしばらく海上飛行。海上で15分ほど降下を続けると、福江島の市街地が見えてきた。それほど天気のいい日でなかったにも関わらず海が綺麗に見えるのはさすが離島といったところ。

ANA4697便 福江島 ORC運航

ANA4697便 福江島 ORC運航

そんなこんなで10:35頃、五島福江空港に到着。ここでは空港外に出ず、定刻10:50発のJAL4074便に乗継ぎ。便名が変わるものの同じ飛行機なので乗り遅れるということはないはずだが、定刻通りであれば既にチェックインは締切の時刻。どうなることやらと思いつつ、とりあえずカウンターへ向かった。

*1:SFC会員に付与される「アップグレードポイント」は、年間の「プレミアムポイント」数に基づいて計算されるのだが、0プレミアムポイントではアップグレードポイントが全く付与されない。一方で、1プレミアムポイントでも取得していると4ポイントのアップグレードポイントが付与されるので、現行制度ではどこかごく短距離でも良いから、1回搭乗しておくと割とコストパフォーマンスがよいのだ。