日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】東海道本線・793M(興津/浜松)


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便名 : 東海道本線・793M(普通列車)
日付 : 2022/08/xx
区間 : 興津(14:45)→浜松(16:15)
乗車クラス : 普通車自由席(全席自由)
運行 : JR東海

数年ぶりに青春18きっぷを購入し、東京から名古屋へ移動。午前中に静岡へ到着、静岡市内を少し観光し、次の目的地へ移動する。タイトルの列車に乗車するに際し、まずは静岡駅から逆方向、熱海方面へ向かう静岡始発で14:23発の興津行きに乗り込んだ。

この時間帯、静岡駅から直接西に向かえば、浜松以遠、豊橋まで乗換えなしで足を伸ばす列車があるのだが、わざわざこんな面倒なことをしているのには訳がある。

JR静岡駅 東海道本線 313系

見た目からちょっと違った雰囲気を醸し出す車両

その「訳」は乗車する車両。2022年の春に名古屋地区のJR中央線に新車が投入されたのだが、これに伴って中央線から押し出され、静岡県内の東海道本線にやって来たのが今回乗車する旧「セントラルライナー」用の車両。これは近年の静岡地区の在来線にして珍しく、進行方向に向いて座れる転換クロスシートが設置されている。

ちなみにこの車両が使用される列車はある程度固定されていて、調べるとどの列車に使用されるかは割とすぐに判明する。それゆえ静岡地区を走る列車のなかではこの列車に乗客が集中しやすく、2022年の夏シーズンには時として満席で座れないというケースを目にした。

今回は時間に余裕があるし、1時間以上も立ちっぱなしで移動するのはしんどいし、ということで、ちょっとばかし遠回りとなるものの青春18きっぷのメリットを最大限活用、一旦あるべき進行方向とは逆の興津駅まで戻って座席を確保した上で折返して浜松方面へ向かうことにした。

JR東海道本線 313系 旧セントラルライナー車両

普通列車らしからぬ内装

乗り込んでみると、座席が転換クロスシートというだけでここ数年の静岡県内の東海道本線では異質だが、ドア近くに簡易的なパーテーションが設置されていることも相まって、巷の普通列車とはかなり異なって落ち着いた雰囲気。同じ会社なので似ているのは当然かもしれないが、かつて「ムーンライトながら」に使用されていた特急型車両に近い雰囲気を感じる。

一般快速列車用の同型車両との相違点という観点で車内を見渡すと、窓の配置*1や、ロールカーテンではなく横引き式のカーテンを使用しているところが異なっているのに気づく。また、ぱっと見ではわかりづらいが、気持ち座席間隔(シートピッチ)が拡大されているんだそう。

JR東海道本線 313系 旧セントラルライナー車両

シートピッチも気持ち大きめ

始発の静岡駅から興津駅までの上り列車はごく短距離とあって乗客はほとんどおらず、席はほぼ選び放題で先頭車両の最前列に着席。前述の通り、ドア横にパーテーションがあり、その上少し距離があるため視界がひらけているとは言いがたいが、座ったままでも若干の前面展望が楽しめる。

JR東海道本線 313系 旧セントラルライナー車両

前面は窓多め

着席した状態での視点はこんな感じ。ロマンスカーなんかの前面展望とは比べるまでもないものの、それなりには見える。なお、この車両を使用する列車は座席配置のせいか割と混雑しやすく、視界が遮られることもあるのでその時はその時ということで。

JR東海道本線 313系 旧セントラルライナー車両

クリアではないが割とよく見える

静岡駅から約20分、14:40に興津駅に到着すると、5分の折返しで乗客を入れ替え、いま来た道を逆戻り。最初の出発から約45分後、15:02に再び静岡駅を発車し、ようやく本来の目的地に向かって進み始める。

今回利用したのは青春18きっぷ期間ではあったが、熱海や沼津から出発する列車ではない*2こともあり、興津駅から乗車する人数もそれほどではなかった。余談だが、JRで静岡県を横断して移動する場合、熱海から豊橋まで直通する以外の列車に乗車する場合は、終点まで乗り通すではなく、西へ向かう場合は興津駅で、東へ向かう場合は島田駅で乗換えると割と楽に移動できるケースがあるので、時刻表をよく見て移動するというのは案外大事。

なお、静岡地区の東海道本線の列車は多くが5両や6両の編成で、2両もしくは3両の列車を2本繋げて走っているため、編成中の一部だけがこの車両というケースがある(というよりも、むしろそのケースが大半)。この車両に狙って乗車するには、編成中のどこに繋がっているか事前の確認をおすすめする。この列車に限らず、どの車両に乗るかによっても快適性が全く異なる、というケースは青春18きっぷの旅では案外多く存在する。

さて、当日の話に戻ると、静岡駅から30分でSLの走る大井川鐵道が発着する島田駅、50分でサッカーの公式戦も開催されるエコパスタジアム最寄りの愛野駅を通過。ジュビロ磐田でお馴染みの磐田駅を過ぎ、天竜川駅を出発すると終点の浜松駅に到着。静岡県のほとんど最西端ということもあるが、浜松辺りまで来るとだいぶ西まで来たような心持ちになる。

JR東海道本線 313系 旧セントラルライナー車両

座れればあっという間

浜松駅では5分の待ち合わせで向かいのホームで待つ豊橋行き普通列車に乗換え。乗換先の車両も同型車両なのだが、車両の内装が少し異なるだけで車内の雰囲気がかなり異なるのが分かる。それにしても照明のせいだろうか、やけにこちらの車両は車内が白い。

JR東海道本線 313系 通常車両

通常車両は白基調で明るい雰囲気

今回乗車した旧「セントラルライナー」車両の登場により、うまく組み合わせれば東京から大阪までの全ての区間ボックスシート、もしくはクロスシートの車両で移動することができるようになった。尤も、以前は静岡県内をボックスシートの車両が走っていたから、しばらく振りに復活したというほうが適切な表現かもしれない。

この車両がいつまで東海道本線で使用されるのかはわからないが、せっかく移動するのであればうまく活用して快適に移動したいところ。2022年現在、在来線では東京から名古屋まで約6時間、大阪まででは10時間弱が掛かるが、こうした小技を活用することでその快適性は大きく異なってくる。

沿線には清水港のまぐろ、由比の桜えび、浜名湖のうなぎなど、美味しいものが沢山あるから、青春18きっぷを利用し、食べ歩きをしながら移動するというのも面白いかもしれない。

というお話。

*1:一般用の車両は窓枠が均等に分割されているが、こちらの車両は大-小-大の3枚に分割されている。

*2:この時期、熱海駅は長距離移動の青春18きっぷ利用者が多くかなり殺伐した雰囲気になるのは多くの方がご存じの通り。