便名 : 松浦鉄道・312D/620D
日付 : 2022/02/xx
区間 : 佐世保(07:04)→伊万里(09:58/10:21)→有田(10:47)
乗車クラス : 普通車自由席
運行 : 松浦鉄道
前夜遅く佐世保に到着し、東横INNに1泊。翌朝の列車で移動する旅程。経済的合理性を考えれば博多に宿泊して翌朝有田に向かえばいいのだが、それは考えない方向で。
(前日の宿泊についてはこちら)
ホテルは駅前目と鼻の先にあり、3分も歩けばホームに到達できる。今回乗車する松浦鉄道はJRと別の改札口があり、駅の傍らにある階段を上ってのアクセス。
ホーム階へ上ると前日乗って来た「みどり31号」だった車両が停車中。まだ電源も入っていない様子で車内は真っ暗。
この時点でだいたい7時頃だが、冬場の九州は日が上るのが遅く7時ではまだ夜は明けきっていない雰囲気。東京で7時というともう少し明るいはずなのだが。
今回乗車する松浦鉄道は佐世保から伊万里を経由して有田までを結ぶ総延長93.8kmの路線。昭和63年まではJR九州の松浦線という路線だったらしい。
全線を乗車すると運賃は2,600円だが、乗り降り自由の1日乗車券が2,000円で販売されていて、今回はこれを利用している。なお、この乗車券は2022年4月以降2,500円に価格が改訂されていて、当時ほどのお得感はなくなってしまった。
しばらくすると折り返し07:04発の普通列車となる車両が到着。やって来たのは松浦鉄道最大勢力のMR-600型。21両が所属しているらしい。何というか、中間車に無理矢理運転席を取り付けたような、ずいぶん簡素なデザインに見える。
前述の運賃表をご覧の通り、距離があるとはいえ駅数もかなりのもので、ローカル線ではあるものの3-5分おきに駅がある。特に駅間の短いのが佐世保駅を出てすぐの中佐世保駅と佐世保中央駅の間で、路面電車でもないのに距離は200mほどしかなく、路面電車以外の鉄道では日本国内最短距離なんだとか。
駅数の多さゆえ、基本的には走って停まっての繰り返し。わりと閑散とした地域なのかと思いきや、駅近くには住宅が密集しているところが思いの外多くて驚いた。
走っていくと、ちらほらJRには無さそうな駅名がちらほら。調べてみるとJRからの転換後に新設された駅が20駅以上あるそうで、通りで駅数がえらく多いわけだ。
JR時代は江迎駅だった江迎鹿町駅、すえたちばな駅など、個性的な駅名の駅を経て、08:34にたびら平戸口駅に到着。ここでは10分超の停車時間があり、久しぶりに少し車外へ出てみた。
ここたびら平戸口駅は沖縄都市モノレールの開業以前から「日本最西端の駅」を謳っており、現在では「普通鉄軌道で」日本最西端の駅とのこと。地図を見ると路線は佐世保側でもう少し西側を走っているが、駅としてはここが最西端らしい。
どうやらここは運行上の拠点駅のようで、どの列車も少なくとも数分停車していく。この列車が到着した際には反対方向の列車が停車していたが、しばらくすると出発していった。この駅は列車に比してホームが長いが、国鉄時代はそれほど長い編成の列車が走っていたんだろうか。
ちなみに列車は1両編成で、進行方向右手側が1人掛けの転換クロスシート、左手側が2人掛けのボックスシート。佐世保駅出発直後は割と乗客が多かったが、この辺りに差し掛かる頃には乗客は私ひとりだけになっていた。
たびら平戸口を出発してまた1時間30分ほど、佐世保出発から約3時間走って伊万里駅に到着。ここは駅名標こそJRと松浦鉄道いずれについても記載されているが、2002年以降両線の駅舎は道路を挟んでバラバラで、線路は接続していない。
伊万里駅では約20分の待ち合わせ。この日はあまりに寒く、ホームで列車を待っていると凍ってしまいそうだったから一旦駅舎を離れて辺りを散策。ご覧のようにJRの駅舎と松浦鉄道の駅舎が左右対称に建っていて、高架橋で繋がってはいるものの、線路はそれぞれぶつ切りになっている。
しばらくすると佐世保からの列車が到着した2番ホームの隣、3番ホームに乗換え先の有田行きの列車が到着。やって来た車両もMR-600型で、ここまで乗って来た車両と内装はほぼ一緒。
伊万里から有田までは約25分の所要時間で、ここまでの乗車時間に比べるとあっという間。最後の停車駅、三代橋駅あたりでJR佐世保線の線路と合流し、10:47に終着の有田駅に到着。JRのホームを間借りしているような形で、上り列車への乗換えは対面の列車に乗り換えるだけ、平面上ですることができる。