日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【旅行情報】JALの運賃が一新される、という話(特典航空券含む)


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結構なインパクトがあるよ、という話。

2021年2月上旬、JALの公式ホームページにひとつのプレスリリースが掲載された。

(以下、公式サイトリンク)

press.jal.co.jp

以前一部報道で記事が出ていたが、国内線の複数ある運賃を統合し、2023年4月12日以後搭乗分の運賃は大きく3つに纏める、というもの。以前からずっと利用していたからか、個人的には現行運賃を特にわかりづらいと思ったことはないのだが、「わかりやすく」したのだとか。

① 有償運賃の変更について

統合後の運賃は「フレックス」「セイバー」「スペシャルセイバー」の3種類で、現行のANAの運賃制度に近しい形。異なるカテゴリでも往復利用すると5%の往復割引が適用される改善があった一方で、往復割引適用後の運賃は現在の往復運賃とは異なり、予約変更不可になるようで、この点は改悪。

この他、現行運賃では普通運賃に追加料金、という形になっていた「クラスJ」「ファーストクラス」については、別個の運賃として設定されるということで、普通席と上位クラスの運賃がねじれたり*1、大きく乖離したりするケースがより増えるかもしれない。

また、従来は便ごとに運賃が設定されていたが、今回の変更以後は出発地から目的地までの通し運賃が設定され、従来よりは安価になる可能性があるとのこと。このほか、定額運賃としての「小児運賃」は廃止され、小児運賃はディスカウント運賃を含む各運賃から20%引きとして設定されるのだとか。

上記の有償運賃もそれなりの大きな変化だが、それ以上に変化が大きいのが特典航空券の領域。一番の変化点は国内線でも「特典航空券PLUS」が導入されるという点で、今回の変更のなかでは最も嬉しくない変化。

② 特典航空券の変更について

(公式による説明は以下参照)

www.jal.co.jp

上述の通り、「特典航空券PLUS」となり、同一日、同一区間でも便ごとに必要マイル数が変動するようになる。なお、便によって必要マイルが変動する関係で、同日(2023年4月12日)以後の特典航空券については予約変更が不可となっているので注意が必要。

なお、これに合わせて多くの区間で基本必要マイル数が変更になっており、ごく近距離では必要マイルが削減された(例:札幌丘珠/函館は4,000マイル)一方で、中長距離の多くの区間で基本必要マイルは増加している(例:東京羽田/沖縄那覇が9,000マイル)。

一方で若干改善された部分も。

③ 乗継旅程特典航空券の登場

それが乗継旅程の場合で、従来は1便ごとに特典航空券への交換が必要だったが、「同日中かつ6時間以内に乗り継ぐ」場合、旅程の片道を通しで交換できるようになり、場合によってはこれまでよりも少ないマイル数で交換できるようになる可能性がある(例:札幌千歳/鹿児島が9,000マイル)。どの程度の便が基本マイルで交換できるかという問題はあるが、羽田や大阪といった拠点空港からの利用客には厳しいものの、地方空港からの利用客には改善といった感じだろうか。

④ その他特典航空券の変化点

上記の変化点に比べると些末な変化だが、現行の制度ではマイルからの引き落としに限定されていた国内線旅客施設利用料(PFC)は今回の変更のタイミングでクレジットカード決済に変更されるとのこと。1つ1つは小さいながら、積み上げるとそれなりのマイル数になっていたので、これは良いことかもしれない。

今回紹介した変化点は一部で、上記の他にも全体を通じていくつかの変更が入っているため、詳細は前述の公式サイトを参照されたい。

おそらく現在の状況があろうとなかろうと元々やりたかったのだろうが、纏めてみるとなかなか利用する側にとっては厳しい変化も見受けられる。せめて、改善された部分をうまく活用して利用していきたいところ。余談だが、各種運賃が廃止された中で突如として登場した「プロモーション」なる運賃が個人的には若干気になっている。

というお話。

*1:現行運賃でも普通席とクラスJの運賃が逆転しているケースは時折見られる。