日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】にちりん3号(小倉/宮崎空港)


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便名:にちりん3号
日付:2020/08/xx
区間:小倉(06:39)→宮崎空港(11:49)
乗車クラス:グリーン車(個室)

昨年の夏、九州を訪れた際、福岡から宮崎へ移動する行程の日があった。

スピードを重視するのであれば飛行機、コストを重視するのであれば高速バスが主流のこのご時世、今回選択したのは日豊線の特急列車。時間が掛かる上コストもさして安くないこの経路を選択したのは、一度利用してみたかったグリーン個室があるから。

当日は博多から始発の新幹線で小倉へ向かう。在来線なら特急でも1時間弱のところ、新幹線はわずか20分であっという間に到着。

小倉駅に到着して在来線のホームにたどり着いた時点では、まだ列車は到着前。

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長距離特急が大分少なくなってきた

しばらくすると列車が入線し、ドアが開いて乗車。車内に入ってグリーン車の客室手前にあるドアの向こうがが今回利用する個室。

今回はこの個室を贅沢にも一人で利用。個室料金は運賃・特急券の他に5,140円で、個室料金自体は人数が増えても一定だから大人数の方がお得。

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奥が通常のグリーン車(降車直前に撮影)

ドアを開けて部屋に入ると部屋は最大4人が利用可能で、列車内とは思えない広さ。3人掛けのソファーと通常のグリーン座席と同様の座席が1脚。テーブルは折りたたみ式で、展開すると倍くらいの大きさになる。

部屋の設えはどうやら何種類かあるようだか、この列車は赤基調の壁面。

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部屋全景

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ソファー視点

列車は時間通りに出発。

出発して15分程して検札があった以外は、誰にも邪魔されずのんびりとした時間。ちなみに、下りの場合は椅子が順方向で、ソファーに座ると進行方向と逆向き。窓は進行方向左側のみなので、この列車の場合は東側の車窓のみ見える。

平成初期の車両らしく窓が大きく、また天気もそれなりに良かったこともあって、出発からしばらくは何も考えないで車窓を眺める贅沢な時間を過ごした。

出発から1時間30分ほどで大分へ到着。
通常これだけ乗れば行程の半分ほどは進んでいるであろうところ、この列車はまだ1/3。まだ3時間以上の道のりが残っている。

日豊本線のうちここまでは博多からの特急が30分ごとに走っていることもあって、比較的幹線らしさを見せているものの、ここから先は急にローカル線の装い。

ここ数年でJR九州のいくつかの路線を乗ったが、特急の本数に比例して、つまり収益性の高低に応じて、ずいぶん線路の整備状況が変わるような気がする。それ自体は致し方ないのだと思うけれども、鹿児島県内の鹿児島本線なんかでは脱線しそうなほど電車が跳ねることもしばしば。

大分を出てしばらくすると、普通列車の本数が少ない大分/宮崎の県境エリアへ。この辺りは人家が少ないからか、携帯電話の電波の入りも今一つ。

大分から先、鹿児島までは日本で唯一、まだ自転車で走っていないエリアということもあって、今後どう走ろうかなんて考えていると、平地に下りて延岡に到着。
延岡を発車すると列車は急にスピードを上げ、宮崎に向けてラストスパート。この辺りは延岡にある旭化成のために高速化された区間だとか。

のどかな田園風景が続くかと思えば、しばらくの間見えるのは高架橋。
1970年代から始まったリニアモーターカーの実験線のようだが、よく見ると今では線路があった場所にソーラーパネルが設置されている。

高架橋が途切れると、ほどなくして宮崎駅に到着し、5分ほど停車。

宮崎駅から宮崎空港までは10分ほどで、身支度をしているとあっという間。市街地から離れた山間部や海沿いに所在しがちな九州の空港のなかで、福岡空港に次いで街から近いのは意外にも?この宮崎空港。ちなみに宮崎から先は、特急列車でも乗車券で自由席に乗車できる特例の制度がある。

南宮崎を発車する頃には、グリーン車は清掃を終え、すでに復路の準備が完了。速度が落ち、飛行機が見えてくると、終点の宮崎空港駅に到着。

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車内から飛行機が見える駅も珍しい

そんなこんなで約5時間の旅を終え、宮崎空港駅に到着。

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30年弱経っても古さを感じないデザイン

普段、5時間も乗ればそれなりに疲れるが、さして疲れなかったのは個室効果か。

列車の揺れさえ気にしなければ(場所によってはそれなりに揺れるが)、テーブルが大きく、気兼ねなくPC作業ができ、時間を効果的に使えたのもなかなか大きかった。ただ、個室内に乗客が利用して良さそうな電源はなかったから、バッテリの能力に依るところはあるが。

ともあれ、来る3月のダイヤ改正以後、個室付きの列車が増えるような噂もあるので、旅の思い出に、機会があれば一度乗ってみてもよいかもしれない。

そんなお話。