日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】スカイライナー8号(空港第2ビル/青砥)


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便名 : スカイライナー8号
日付 : 2020/08/xx
区間 : 空港第2ビル(09:43)→青砥(10:11)
乗車クラス : 普通席
運行 : 京成電鉄

本来であれば、東京五輪が開催されていたであろう2020年の夏。空港輸送で大車輪の活躍を見せるはずだったスカイライナーも、成田空港がほぼ機能停止しているいまは本来の本数を半減させて運行している。

この異常事態の最中、5月くらいだっただろうか、突如日に何本かスカイライナーが青砥駅に臨時停車するという告知がされた。

(以下、公式サイト)
www.keisei.co.jp

ちなみに、青砥という駅は沿線住民以外にあまり耳馴染みがないかもしれないが、東京都葛飾区に所在する、京成本線(上野方面)と押上線(押上、浅草、羽田、横浜方面)の分岐駅。従って、今回の停車で浅草線京急線方面からもスカイライナーを利用できるようになる。

京成電鉄のホームページで公表されている中期経営計画によると、かねてからスカイライナーの追加停車駅については検討がされていたらしい。予期せぬ乗客の急減が生じたいま、少しでも乗客を獲得すべく検討していたプランを実行に移してみた、という感じだろうか。

広告上、開始時期が6月1日で、期間を区切らず「当面の間」となっていることからも、とりあえず試してみよう、という思惑を強く感じる。今回、成田空港を利用する機会があり、件の青砥駅停車便で帰ってきたので、そのレポート。

空港第2ビル駅 スカイライナー 時刻表

青砥に停車する列車は80分周期

現在、スカイライナーは当初計画本数の半分、約40分に1本の間隔で走っているが、そのうち青砥駅に停車する列車はさらにその半分で、約80分おき、2本に1本が停車する。特急料金は上野までの1,250円に対して青砥までは1,000円と若干安く抑えられている。

なお、2020年の夏休み期間は航空便利用者に対し、特急料金を割引くキャンペーンが行われており、チケットを提示することで、区間に関わらず500円で乗車できる*1

改札を抜けホームに降りると、「臨時対応」というのが随所に現れており、たとえば以下の掲示板。空港第2ビルの次の停車駅は日暮里となっていて、青砥の文字は出てこない。列車内の放送も同様で、放送も案内表示も「次は日暮里」と表示されていた。

空港第2ビル駅 スカイライナー 電光掲示板

掲示板は非対応

発車4分ほど前、途中駅の割に思いの外早く列車が到着し、乗車したのは最後尾の1号車。なお、青砥ではすべてのドアが開くわけではなく、上下とも最後尾車両のドアのみ開くとのこと。全てのドアを開けると乗り込んでくる乗客がいるからだろうか。

スカイライナー8号 AE型 座席

最後尾

座席は見た目通りというか、比較的固め。長くて40分程度の乗車時間だから、これくらいで十分かもしれない。その代わりリクライニングは割と深く倒れる。

スカイライナー8号 AE型 座席

思ったよりは倒れる

出発するとひたすら加速を続け、あっという間に最高速。このスカイライナー、一部区間では在来線最速の160km/hで走る。以前乗車したときには中間車だったからか、携帯を見続けていられないほど揺れたのだが、この日は同じ列車とは思えないほど揺れなかった。前回乗った車両、もしくは座席の位置がいけなかったのだろうか。

空港第2ビル出発から10分ほどすると若干減速し、東横インが見えてくると印旛日本医大を通過。ここ最近、こんなところまで?というところに東横インが建っている。印旛日本医大から東京側は最高130km/h運転。新京成と接続する新鎌ヶ谷武蔵野線をクロスする東松戸をあっという間に駆け抜け、新柴又あたりから徐行運転。ちょうど高砂を通過する辺りで席を立った。

通路に立ってみると、全ての車両の仕切扉が開いていて前方が見通せるようになっていた。日暮里や空港なんかの限られた駅で大量の人を捌くための工夫だろうか。

スカイライナー8号 AE型 車内

一斉に扉が開いた

青砥には時刻表通りの到着。30分弱というのは思った以上にあっという間。そもそも乗客が少なかったこともあるが、青砥で下車したのは自分ひとりだった。

そういえば、降りた向かいのホームにはこの列車の20分ほど前に空港を出た、羽田空港行きのアクセス特急が待機している。きちんと調べていないが、毎便同じように接続しているとすれば、鉄道利用での空港間最速移動経路になるから使いようがあるかもしれない。空港駅では特にそんな案内はされていなかったが…。

ただ、せっかくここまで座ってきたのに、青砥で乗り換える列車の着席が保証されないのはどうにも少し勿体ないところ(アクセス特急北総線内からの利用客も多く、終日通じて比較的混んでいる)。現状、都営方面には座席指定の列車が走っていないから、これは致し方ないのだけれど。

また、現状では最大80分待って乗るスカイライナーよりも、40分間隔と本数も多く、かつ途中駅での乗り換えのないアクセス特急が先着という場合も比較的多いから、もう少し本数が増えたほうが使い勝手が良さそう。

ともあれ、定着するかどうかすら不明なれど期せずして始まったこの取り組み、やりようによっては今後より便利になりそう。

そんな感想。

*1:このキャンペーンは既に終了している。