日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗船記】商船三井フェリー・北海道航路(大洗/苫小牧)


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便名 : さんふらわあ夕方便
日付 : 2019/08/xx
区間 : 大洗港(19:30)→苫小牧港(13:30)
乗船クラス : コンフォート
運航 : 商船三井フェリー

2019年夏に14泊15日の日程で、自転車で北海道を一周した。北海道一周するだけでもそれなりの距離があり、トータル1,829km+αの長旅。とはいっても、時間の都合で今回一度に完全に一周できたわけではなくて、走ったのは苫小牧から函館までを反時計回りで廻るようなルート。残りの部分は前回2017年夏に走っていて、両者を組み合わせると一周になる。

北海道を一周走るに当たってどこをスタート地点にするかは、次回のスタート、もしくはゴールも同じ場所になるから、個人的には大きな問題。というのも、せっかく走るのなら中途半端な空白なく、完全に繋がった一周にしたいのだ。

できるだけ時間を短縮したいということを考えると、飛行機で輪行して新千歳からスタートというのが一番手っ取り早いものの、往路を飛行機で輪行すると初っぱなからタイヤの空気を入れたり、若干めんどくさい。中でも携帯ポンプで所定の空気圧に空気を充填するのはかなり骨の折れる作業。

まるで通販番組の紹介のようだが、そんなときに便利なのが茨城県大洗港から出ている商船三井フェリー。所要時間こそ飛行機よりも+1日以上かかるものの、自転車を解体する必要はなく、現地に到着するなりそのまま走り出せるメリットが結構大きい。

(以下、公式サイト)
www.sunflower.co.jp

突然昔話になるがもう10年以上前のこと、四国と西日本を自転車で一周した際に四国から九州までフェリーを利用した。このときの利用したのが年代物のかなりレトロな船で、それゆえフェリーと言えばあまり快適な乗り物でないイメージがあったのだが、最近いくつかの航路を利用した結果、最近の船がいかに進化したかを知り、認識を改めるに至った。なお、その「レトロな船」は未だに現役で瀬戸内の海を走っている。

当日の話に戻ろう。

この日は自走で大洗港へ向かおうとしていたのだが、港へ向かう道中でパンクして急遽途中で鉄道での輪行に切り替え。ちなみに車両の乗船開始は出発120分前の17:30で、受付締切は45分前の18:45。パンク修理後、そのまま自走してもギリギリ間に合ったかもしれないが、もし乗り遅れた場合、繁忙期ゆえ翌日も席がないリスクがあった。


(参考までに、締め切り時刻に関するQAは以下参照)

www.sunflower.co.jp

というのもこの日はちょうどお盆の真っ只中。予約は2か月前から受付開始で、前回乗船したときにはそのタイミングで手配したから楽勝だったのだが、今回は直前に急用が入った関係で3日ほど前に予約完了。これも空席がたくさんあった訳ではなく、最初は満席で、粘り強く定期的に空席照会した結果空いた1席を何とか手配したような感じ。なかなかの綱渡り状態。

鹿島臨海鉄道大洗駅前で自転車を組み立て、自走して大洗港のフェリー乗り場へ。駅からはたいした距離なく(約2km程度)、自転車でも10分ちょっと。着くと飛行機同様にチェックインが必要で、自動チェックイン機で手続。磁気カードと、自転車にくくりつける、飛行機の手荷物タグ状のものが発行された。

チェックインが済むと、バイクと共に2輪車の列に並んで積み込み待機。この頃、目の前では船への積込みのため、ひっきりなしにトレーラーが行き交っている。

前述の通り今回はあわや乗り遅れるかというくらいのタイミングで到着したのだが、前回は出発3時間以上前に到着し、しばらくぼーっとしていた記憶がある。フェリー乗り場自体には見るものもないから、あまりに時間をもて余すようであれば周辺の観光施設なんかを訪れても良いかもしれない。 

(周辺の観光地については下記参照)

www.oarai-info.jp

この日乗船した「さんふらわあ さっぽろ」は全長200m弱あり、目の前で見上げるとまるで壁のように見える。

さんふらわあ さっぽろ 外観

自転車とともに乗り込む

30分ほど待ったところで乗船開始。最初は自走して行ったが、どこまで乗っていっていいか分からず、途中からは降りて押し歩きながら駐輪場所へ向かった。

さんふらわあ さっぽろ 自転車 駐輪

こんな感じで駐輪

船員さんに自転車を固定してもらって客室へ。エレベーターもあるものの混雑するので3フロア分、少し急な階段で上がったほうが早い。階段を上りきるとエントランスがあり、これを抜けて客室へ。この日の寝床は「コンフォート」クラス。

(公式サイトの船の紹介は以下参照)

www.sunflower.co.jp

さんふらわあ さっぽろ 客室 コンフォート

客室

昔は寝台といってもカーテンひとつで仕切られているような感じだった一方で、最近の寝台はどちらかと言うとカプセルホテルのほうが近い。

天井の高さはさほど高くないから立ち上がることはできないけれど、洞穴というか、秘密基地にいるような感覚で割と快適。枕元にはコンセント、足元にはテレビがあって、一度入ってしまえばよほどのことがなければ出る必要がない。大半寝ていたから断片的な記憶だが、テレビの電波の入りはそれほど悪くなかった。

出港前に大浴場を利用しようと出向いてみれば、皆考えることは同じようで大混雑。少し時間を外したほうが快適に利用できるかもしれない。ちなみに、荷物になるバスタオルは持ち歩いていないから、フロントで借りた(510円)。少し高いが、荷物を少なくできるならこれくらいの出費は仕方ない。

夕食・朝食は船内のレストランの営業がある。夕食は1,530円、朝食は1,070円で、セットにすると2,500円になるそう。ただ、営業時間がかなり短く、レストランのスペースは少し小さめ。すべて品切れになることは恐らくないだろうけれど、常に満員の放送が流れていたので、食事をしたいときには早めの行動が得策。

私はといえば、夜朝ともに寝ていて時間を逃し、到着直前の昼食が船内での最初の食事に。昼食はキーマカレーと天津丼が用意されており、どちらも500円とお手軽価格。
値段のわりにしっかりしたものが出てきた。

さんふらわあ さっぽろ 昼食 キーマカレー

500円

客室で飽きてきたら、気分転換に外に出ることもできる。ただ、夏場でも少し肌寒かったから、冬場なんかは凍えてしまうかもしれない。この日は天気が今一つでより一層荒涼とした感じ。

さんふらわあ さっぽろ 甲板

甲板にも出られる

18時間と聞くと随分長いようにも思えるけれど、乗ってしまうと寝るもよし、テレビを見るもよしであっという間。13時過ぎに苫小牧港の岸壁が見えてきて、早着か?と思ったものの、ここからの接岸作業が思いの外かかる。そもそも、船の到着時刻は何を基準に設定されているのだろうか。

作業開始後しばらくすると(30分くらいか)、車両甲板へのエレベーターと階段が解放され、自転車のもとへ戻れるように。ここでも自動車と自動二輪が先に出発していくから、自転車組はさらに待機。他の車がすべて出払うと、ようやく出発、といった感じ。

さんふらわあ さっぽろ 車両甲板 下船時

出発していく二輪車

13:30頃船外に出て、久しぶりに北海道の地を踏んだ。18時間ほとんど寝ていたこともあって、この時点では体力が完全に回復していた。

ただし、日が長い夏の北海道とはいえ、下船した時点では日没まで約5時間ほどしかなく、当日中に進める距離は限られる。さすがに苫小牧で1泊ということにはしなかったが、この日は日高方面に約90kmほど進んだ静内を宿泊地に定めて出発。ここからの15日間、北海道を一周する間にも色々あったのだけれど、それはまた別の話。

(北海道一周の自転車旅行・初日の様子はこちら)

biketourist.hatenablog.com