慣れればあっという間、というお話。
輪行袋の使い方シリーズ最終話(ひとまず)。往路・復路どちらを輪行するにしても、輪行袋に収納する必要がある。
この収納作業、慣れれば5分-10分くらいでできるものの、最初は20分-30分かかった。もし初めて使用するのが出先の場合には、事前に予行練習をした方が賢明。
先日(といっても去年の8月)、北海道を一周した際に、最後は函館から大間に渡って、大湊駅から鉄道で東京へ帰ってきた。このとき、大湊駅でずいぶん時間をもて甘し、輪行袋に収納する過程を写真に残していたので、これを参考に解説する。
駅に到着したのは列車が出る約1時間くらい前。
当日は大間港から大湊駅まで約50kmを4時間強という行程で予定していて、もう少し出発ぎりぎりになるかと思っていたところ、思いの外調子がよく、17km/h平均くらいで走れたことで大分早着した。
私が今乗っている「ミニベロ」という種類の自転車は、最高速がロードバイクには敵わず、また荷物もそこまで積めるような自転車ではないから、長距離を走るのはあまり向いていない。ただ、その小柄さゆえ持ち運びがとても便利で、輪行する旅行の時は威力を発揮する。
たとえば、一般のロードバイクの場合、前後輪ともに外さなければならず、大がかりな準備を要する一方、ミニベロは前輪のみ外せば良い点が大きなメリット。なお、ミニベロでも前後輪外す必要がある輪行袋はあるので購入前に確認のこと。
自転車を輪行袋に収納するのに必要なのは以下の5ステップのみ。
参考までに()内に実際の作業時間を記載してみた。
- 前輪の取り外し(14:45)
- フロントフォークへのエンド金具装着(14:46)
- 前輪及びペダルの固定(14:51)
- (必須ではない)ハンドルの固定(14:54)
- 袋への格納(14:56)
写真を撮りながらでも作業は10分そこらで終わった。
ステップ1は「前輪の取り外し」。
通常のスポーツバイクの場合、クイックリリースと呼ばれる、手前のレバーのようなものを解放位置にした上でハブのクイックリリースを回せば、タイヤは外れるものの、この自転車はこれだけではタイヤが外れない(幅が足りない)。
最初に輪行しようとしたはときには頭を抱えたものの、試行錯誤でブレーキワイヤを全解放してみたところ、タイヤ幅よりブレーキが拡がったので、それ以来この方法で前輪を外している。これに限らず、六角レンチは自転車整備や旅行の際に欠かせない必需品。
続いてのステップ2は「フロントフォークへのエンド金具装着」。
フレームが変形しないように保護するもので、タイヤの代わりに差し込んでおく。これも別途購入しないといけないけれど、1,000円くらいで購入できる。
ステップ3では前輪をフレームに固定する。
これによって、持ち運ぶ際の安定性が著しく向上する。
前回の輪行の際、前輪がバタバタしてとても歩きにくかったのだけれど、ハンドルから、クランクからの2点で固定した結果、ほとんど動かずとても楽だった。
ガタガタする箇所はできる限り固定して動かないようにしたかったから、ここで、持っていたワイヤー錠をハンドルの固定にちょうどよかったので活用。これがステップ4になった。
ちなみにワイヤー錠、旅行中は輪行袋を縛っておく役目も果たしていた。自転車の旅行では1つでも荷物を減らすことが大事になるから、使えるパーツは本来の役目と異なったとしても、なんでも活用する。
ここまで各所を固定すると、あとは最終ステップとして袋に詰め込むのみ。地面に開けた輪行袋を置いて、その上に自転車を載せる。載せ終わったら、両側からバランスよく引き上げ、チャックを閉めて作業完了。
ちなみに、私の使用している輪行袋はオーストリッチというメーカーの、「ちび輪バッグ ミニベロ」という商品で、購入した時は約6,000円前後だった。
輪行袋のセットに入っているのは、
以上の通りで、基本的にどの輪行袋も同じような構成だと思われる。
したがって、先述の「フロントフォークのエンド金具」はついていないので、輪行袋を購入される際には同時に購入することをおすすめ。
本来は肩紐をつけて、肩掛けで運搬するのが正しいのだろうけれど、肩紐があまり上等ではないナイロン紐で、歩いていると徐々に食い込んで痛い。そのため最近はフレームを直に掴んで持ち運ぶことの方が多い。
以上ここまでが自転車の輪行袋への仕舞い方。
一度慣れてしまえば、行動範囲がより広く、楽しい自転車旅行ができるようになる。習うより慣れろ、ということで、まずはチャレンジを。